ニュースリリース
―保温材の上から配管減肉の検出が可能― 配管減肉検出装置を開発し減肉調査サービスを開始

2006年9月26日
富士電機システムズ株式会社

 近年、発電プラントの安全性確保のため、火力・原子力発電所内に設置されている各種配管の減肉箇所の早期発見を目的とした肉厚の測定が定められております。
 この度、富士電機システムズ株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:矢内 銀次郎)は、それらの配管の減肉を検出する装置を開発し、減肉調査サービスを開始いたします。

 従来からの超音波パルス反射法による肉厚測定方式では、保温材の撤去・復旧工事が必要なため、より簡易な減肉の検出・評価手段が求められています。
 当社が開発した装置は、配管を挟んで放射線源と放射線測定器を取り付け、放射線が透過した配管壁の合計厚さを、その減衰率に基づいて算出する「放射線透過方式」を採用しています。本方式では、保温材、外装板による放射線の減衰率を、厚さ・密度等の設定値に基づき補正可能ですので、保温材を取り外す必要はありません。保温材を付けたままでの調査が可能なため、算出した合計厚さの測定点による違いや経年変化に基づいたスクリーニング(注1)をおこなうことで、肉厚測定の効率向上による測定費用の軽減が期待できます。また、配管内の水についても保温材同様に補正できますので、稼動中のプラントでの適用、すなわち定期点検前の調査が可能です。

 使用する放射線源は低レベルのため、遮蔽は極めて薄く、装置を小型・軽量化することができ、持ち運びが容易で設置スペースも小さく、高所や狭い場所への対応が可能です。
 また、本装置は表示付認証機器(注2)ですので、放射線取扱主任者等の資格や特別な放射線管理区域の設定は必要ありません。

 本装置の開発に当たっては、実際の火力発電所での実証実験をおこない検出精度を検証してまいりました。
 今後、当社は減肉調査サービスの提供を軸に営業展開する予定であり、3年後に年間3億円の売上を目指しております。本年10月より商談受付け開始いたします。尚、将来は、検出装置の販売やトレーニングの事業化も検討していきます。

1. 特長

2. 仕様

 質量 : 5kg以下(予定)
【測定可能な配管寸法】
肉厚50mm以下で、保温材付外径が710mm以下の80Aから500A配管

3. 発売計画

商談受付開始 : 2006年10月
売上目標 : 2008年度 年間2億円、2009年度 年間3億円

4. 顧客問い合せ先

富士電機システムズ株式会社

e-ソリューション本部 放射線システム統括部 放射線システム部
TEL:(042)583-6595FAX:(042)582-3852

【参考】

配管減肉検出装置概略図

(注1)

スクリーニング:ここでは、相対的に配管壁が薄い測定点や、減肉速度が大きい部位を選別することを指します。

(注2)

表示付認証機器:製造者等が、その機器の放射線障害防止に関する設計・使用条件・品質管理に関し、国又は登録認証機関による認証を受けたことを表示した機器のことです。詳しくは、文部科学省「原子力・放射線の安全確保ホームページ」の放射線障害「改正法の施行について」等でご確認ください。

以上