ニュースリリース
りん酸形燃料電池が消防用非常電源「認定第1号」を取得

2008年8月25日
富士電機アドバンストテクノロジー株式会社

 富士電機アドバンストテクノロジー株式会社(社長:山添 勝)は、燃料電池としては日本初となる、消防用非常電源としての認定を取得し、8月1日に(社)日本電気協会より認定証を授与されました。

1. 消防用非常電源認定第1号取得について

 燃料電池設備の消防法上の「非常電源」への適用が可能となる「燃料電池設備の基準」が2006年3月に制定され、その後登録認定機関である(社)日本電気協会において「認定基準」が整備され、このたび、当社製りん酸形燃料電池が「認定基準」をクリアし、燃料電池として認定第1号を取得しました。
 非常用電源としての燃料電池設備に具備すべき要件は、通常はコージェネレーション装置として電気と熱を供給する運転を行い、非常時には40秒以内に消防用設備に供給する電源に切り替わることです。また、都市ガスの供給が停止した場合でも、LPガスの備蓄燃料への切り替えが可能であり、非常時に燃料が安定して供給できるシステムとなっていることです。

2. 当社「りん酸形燃料電池」の特長

 当社燃料電池設備は都市ガスを燃料とした場合、100kWで1年間連続運転にて、二酸化炭素排出量を236トン削減できる地球に優しい発電設備です。また、排ガス中にNox,Soxはほとんど含まれておらず、騒音も他の発電装置に比較すると小さくエアコンの室外機並みで、静けさが要求される病院などの施設にも設置し易いなど環境性に優れています。

 今回認定を取得した燃料電池は、熱量が大きく異なる都市ガスからLPガスへの燃料切替技術を採用し、非常時の運転継続を可能としています。同時に、系統連系運転から独立運転へのスムーズな切替制御を独自開発し、適用したものです。
 今回の認定試験においてこうした切替技術が評価されたことは、りん酸形燃料電池の社会的な信頼度や認知度が確実に向上するものであり、電源セキュリティの観点から、消防用非常電源以外の分野にも広がる高いニーズに応え、普及に繋がると思われます。

【資料】

概略仕様

注)都市ガス使用、100kW運転時

製品写真(100kW りん酸形燃料電池設備)

製品写真(100kW りん酸型燃料電池設備)

以上