ニュースリリース
車載用直接水冷型パワーモジュールのサンプル出荷開始について

2016年5月24日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、パワー半導体の新製品として、「車載用直接水冷型パワーモジュール」のサンプル出荷を開始しましたので、お知らせいたします。

1.背景

 地球温暖化防止や大気環境改善などの観点から、電気モータで走行する電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)の普及が期待されています。パワー半導体は、EV・HEVのインバータ(電力変換装置)に搭載され、バッテリーからの直流電力をモータで使用する交流電力に変換するなどの役割を担います。当社は、パワー半導体の主力製品であるIGBT(注)モジュールの車載分野における市場規模を、2016年に約850億円、以降年率15%で成長すると予測しています。
 EV・HEVは、環境負荷低減や航続距離の改善に向けて燃費(電費)向上および、搭載部品の小型・軽量化が求められており、当社は今般、これらのニーズに応える「車載用直接水冷型パワーモジュール」(IGBTモジュール)のサンプル出荷を開始しました。量産は本年11月を予定しており、EV・HEVの普及を通じ、環境課題の解決に貢献します。

(注)

Insulated Gate Bipolar Transistor

2.製品の特長

 当社従来製品に比べて50%の小型化と60%の軽量化を実現しました。これにより、車両設計のしやすさと燃費向上に貢献します。なお、電力密度(単位体積当たりの電力量)は従来製品比2倍となり、業界最高クラスとなります。

(1)冷却機構を最適化し小型・軽量化を実現
 電力変換時に生じる熱の冷却方法は、水冷方式を採用しています。今般、冷却フィンの配置や形状、冷却体内部を流れる水の流路などを最適設計し放熱性能を高めるとともに、フィンの素材を銅からアルミニウムに変更することで、モジュールの小型・軽量化を実現しました。

パワーモジュール

(2)業界初の素子開発でモジュール面積を縮小
 
車載用としては、業界で初めてIGBT素子とFWD(注)素子を一体化した半導体素子(逆導通IGBT)を開発し適用することで、モジュールの面積を縮小しました。

(注)

Free Wheel Diode

3.製品仕様

4.適用先

 電気自動車、ハイブリッド車、プラグインハイブリッド車

5.製品に関するお問い合わせ先

 富士電機株式会社 営業本部 半導体統括部 営業第二部
 03-5435-7151

(注)

本製品は、5月25日から27日に横浜で開催される「人とくるまのテクノロジー展」に出展します。

以上