富士時報
第63巻第4号(1990年4月)

プログラマブルコントローラ MICREX-F特集

プログラマブルコントローラの発展に期待する

関口  隆

プログラマブルコントローラの現状と展望

川上  拓,吉田 昌弘

プログラマブルコントローラは命令セットの拡充、メモリ空間の拡大、処理の高速化、およびネットワーク機能の強化が進み、自動化システムの生産現場において、直接制御のみでなく、周辺の現場機器も含めた、上位系と現場との生産管理情報の中継、編集、加工、収集、分配などの通信・データ処理も受け持ち、応用幅がますます拡大している。今後は、ネットワークの国際標準化、高水準のソフトウェア記述、高性能ワークステーションによる対話式のソフトウェアの作成、検証などにより、一層使いやすくなるであろう。

MICREX-Fシリーズの機種系列

加藤  勝

プログラマブルコントローラ(PC)MICREX-Fシリーズは、小形(F30、F50、F60シリーズ)、小・中形(F80H、F120H、F200シリーズ)、中・大規模システム対応(F500)に、新たに汎用PC最上位機種F250を加え、シリーズの一層の充実が図られた。機器組込み、自動化システム、プラント制御からトータルFA、CIMコンポーネントとしてあらゆる分野のさまざまなニーズに適した機種系列が用意され、最適なシステムをフレキシブルに構築することができる。

MICREX-Fシリーズのアーキテクチャ

小泉 浩治,橋本  親,武井 孝憲

MICREX-Fシリーズは、関数型中間言語をベースとしたソフトウェアインタフェースおよびソフトウェア開発支援ツールインタフェースと体系化されたソフトウェアオリエンテッドなハードウェアによる、フレキシブルかつオープンな自動化システムをミニマムコストで提供できる。これら共通技術基盤の上に立って、上位機種ではより国際的なソフトウェアとハードウェアの互換性を志向し、中下位機種では専用化した図示言語とハードウェアによりコンパクト化かつ低価格化を志向している。

MICREX-Fシリーズの ネットワークシステム

谷本 雅之,秋本  孝,西岡  勝

最近のプログラマブルコントローラの動向として、システムの高度な情報化および柔軟なシステム構築を図るためのネットワークがきわめて重要な手段となっている。
本稿ではプログラマブルコントローラMICREX-Fシリーズのネットワーク製品であるDPCS-F、F-Net(Pリンク、Tリンク)、および国際互換性のあるオープンネットワークFAISセルネット(Mini MAP)について紹介する。

MICREX-Fシリーズのソフトウェア設計支援環境

田中 春樹,吉田  裕,乳井 直樹

制御用ソフトウェアの設計支援をするシステムES50を開発した。EF50は汎用パーソナルコンピュータなどで動作するソフトウェア製品であり、これまでのようなコントローラに依存した専用プログラミングツールとは異なっている。その支援対象は、汎用のプログラマブルコントローラ(PC)にとどまらず、制御システム内のさまざまな制御機器をマルチウィンドウをベースにしたユーザーインタフェースで統一的に支援することができる。本稿では、その基本コンセプト、機能、ソフトウェア構造などを中心にES50を紹介する。

MICREX-F用プログラムローダLITE

新居 俊夫,浜田 明秀

プログラマブルコントローラの発展に伴い、顧客との直接の接点であるプログラミングツールに対しては、さまざまな角度から要求が出されてきた。今回、これに対応して、「オールインワンラップトップ形」のプログラムローダLITE(Lap-top Intelligent Terminal)を開発した。
LITEはプログラム開発から試験・保守に至るまで、すべての過程での機能を考慮して開発を行った。本稿では、これらの特長的な項目を紹介する。

MICREX-Fシリーズの入出力モジュール、カプセル

川島 重雄,相田 忠勝,三田 雅彦

MICREX-FシリーズのPIOには、プログラマブルコントローラのプロセッサとTリンクで結合される「Tリンク機器」と、バス結合される「Fモジュール」がある。Tリンクは省線化、合理化効果が顧客に高く評価され、電磁弁など他機器・機械への組込みが進むとともに、より簡易化、小形化したI/O端末が開発された。Fモジュールは、サーボ位置決め、マイクロコンピュータI/O、音声出力、磁気カードインタフェースなどの高機能化されたI/Oモジュールや各種通信モジュールを開発し、系列に加えた。本稿では、これら最新のPIOについて紹介する。

MICREX-FシリーズのRAS技術

引地 正則,渡辺 哲仁,吉川 和男

プログラマブルコントローラ(PC)は、制御システムの中のキーコンポーネントとして重要な役割を担っており、PCのRAS技術には高度な機能が要求されている。
MICREX-FシリーズのRASに対する基本思想は、(1)故障を起こさない、(2)故障があっても運転を継続できる、(3)故障時には復旧が速やかに行える、ことである。

MICREX-Fシリーズのマンマシンステーション

福住 光記,笹野喜三郎

PA、FAなど自動化システムにおいて、CRTディスプレイを中核としたマンマシンインタフェース(MMI)装置に寄せられる要望は多い。これらは大きく、膨大な情報量への対応、容易なエンジニアリング、多様なオペレーションニーズへの対応、の3点に集約される。さらにMMI装置の構成は、適用されるシステムの分野、規模、要求コストなどに応じてさまざまな形態が要求されている。
本稿ではこれらの要求に対応するMICREX-FのMMIステーションの製品系列について紹介する。

MICREX-Fシリーズのマンマシンターミナルプログラマブル操作表示器(POD)

宮田  隆,山水 英貴

CIM化志向により生産設備の自動化が進んでいる。制御分野でのプログラマブルコントローラの適用拡大に伴い、マンマシンターミナルに対する要求が、操作主体の機能からモニタ、操作ガイドなどの表示主体の機能へと変わりつつある。
富士電機では、操作パネルの設計、製作、配線作業をパーソナルコンピュータ上で行うという新しい概念を導入したプログラマブル操作表示器(POD)を開発し、発売した。本稿では、このPODの概要を紹介する。

MICREX-FシリーズによるFAシステム

西村  勉,桜井 博明

新しく開発された高性能、高信頼性、低価格なFAパソコンは、パソコンカルチャーで手軽にリアルタイム処理機能を実現したいという市場ニーズと完全に合致し、多くの分野の顧客から引合いを頂いている。このような背景のもとで、FAパソコンとプログラマブルコントローラMICREX-Fシリーズで構成される小規模PA・FAシステムの実際の適用事例を、(1)自動注湯炉操業管理システム、(2)水耕栽培システム、(3)ミニごみ処理プラント向けロガーシステム、として紹介する。

MICREX-Fシリーズによる高速ディジタル制御

大内 茂人,神  俊裕,上田 秀寿

鉄鋼、製紙プラントなど産業プラントにおける制御は、高速応答が要求される。その中でもさらに高速応答が必要なものに対しては、ハードウェアで構成された制御装置が用いられてきた。また、最近では専用のマイクロコンピュータを用いることも多い。しかし、近年高まりつつある高い制御性能の要求に対しては、個々のプラントに応じたフレキシブルな制御が必要となってきている。
本稿では、MICREX-Fの浮動小数点演算や高速演算機能を利用したプラントの制御について、その適用例を紹介する。

MICREX-F500によるファジィ制御

中島 千尋,村中 克己,島田 良和

プログラマブルコントローラMICREX-F500において、ファジィ制御機能を実現した。ファジィ制御機能は、制御用関数型言語FCLによる、F500シリーズに共通な標準FM(Function Module)として実現した。ファジィ制御FMの使用は、入力16点、出力4点、前件部命題数5、後件部命題数4、制御規則128である。推論処理時間は最大50msであり、高速処理を特長とする。
制御規則の作成、修正、確認はパーソナルコンピュータFMR上で動作するファジィ支援ソフトウェア「FRUITAX」にて行う。

MICREX-Fシリーズによる遠隔監視システム

佐藤 利明,古沢 武三,宮宗  潔

MICREX-Fシリーズにおいても、最近は遠隔監視、制御、保守などの目的で、専用ケーブルを敷設するのが不可能な遠隔地とのデータ伝送の要求が増加してきている。
本稿ではこのような要求にこたえる方式として、電話回線用モデムを経由し、公衆電話網を利用した遠隔データ伝送方法について、その概要を紹介する。また、本方式を実用した遠隔監視システムの例についても紹介する。

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