富士電機株式会社

SOxスクラバーを選ぶ理由

MARPOL条約附属書VIに適合するにはいくつかの方法があります。燃料を低硫黄のMGO(船舶用ガスオイル)に切り替える、SOxスクラバーを設置する、さらには燃料をLNG(液化天然ガス)に切り替えるというオプションです。

燃料価格の変動と予測の困難さはオペレーターにとって悩みの種。そのため、長期的な視点で最も実現可能かつ持続可能な選択肢を絞り込むと、SOxスクラバーの設置とLNGへの燃料切り替えという2つの候補が浮かび上がります。SOxスクラバーを設置すれば、安価で入手もしやすいC重油を引き続き使用可能。LNG燃料船の建造・修繕はより大きく抜本的な変更を伴います。

コストと環境負荷の低減という観点から、LNGは次世代のエネルギーと見なされてきました。しかしSOxスクラバーとLNG燃料船を比較する場合、いかなる調査研究も下記の主要な論点を避けて通ることはできないでしょう。

資本的支出

資本的支出

LNG燃料そのものは安価かもしれませんが、新造船でも既存船/就航船の改修(レトロフィット)でも、LNG推進システムを設置するには多大な金銭的・時間的コストがかかります。これに対してSOxスクラバーは、より少額の初期投資と短い工期で設置することができます。

複雑さ

複雑さ

LNG推進システムは複雑で、設置後も運用や保守、燃料移送などの安全性を確保するための手間がかかります。一方のSOxスクラバーは、保守にかかわる配慮や負担が比較的軽くて済みます。

可用性

可用性

LNGの供給インフラはまだ十分に整っておらず、可用性に疑問が残ります。燃料としての魅力的な潜在性にかかわらず、将来その点が大きな課題となるでしょう。SOxスクラバーを設置すれば、豊富で安価なC重油を継続して使用しながら、国際海事機関(IMO)や各国/地域の規制に適合することができます。

積載能力とのトレードオフ

積載能力とのトレードオフ

LNGの燃料タンクは大きなスペースを占有するため、船の積載スペースが失われます。2011年にドイツロイド船級協会(GL、現DNV GL)とマンディーゼルアンドターボが実施した共同研究(※)では、LNG燃料タンクはコンテナ船1隻のTEUスロットの3%を占める一方、SOxスクラバー単体の設置スペースは最大で同0.3%として、複数のオプションのコストとベネフィットを試算しています。SOxスクラバーは、よりコンパクトでより大きな利益を可能にするソリューションなのです。

(※)Costs and benefits of LNG as ship fuel for container vessels: Key results from a GL and MAN joint study

MARPOL条約附属書VIが定める硫黄分濃度0.1%(現行)

追加規制(現行および将来)

CO2排出規制強化

CO2排出規制強化

2013年1月1日に発効したMARPOL条約附属書VIに基づき、国際海事機関(IMO)はすべての船舶に船舶エネルギー効率管理計画(SEEMP: Ship Energy Efficiency Management Plan)の策定を義務付けました。それ以降、船舶オペレーターは、CO2をはじめとする温室効果ガスの排出量を削減する計画の立案を求められています。上のグラフはCO2排出量の削減目標レベルを示しています。

硫黄酸化物(SOx)・粒子状物質(PM)規制強化

硫黄酸化物(SOx)・粒子状物質(PM)規制強化

MARPOL条約附属書VIにより、国際海事機関(IMO)は船舶の燃料油に含まれる硫黄分の濃度に上限を設定しています。上のグラフは硫黄分の上限値を示しており、2020年には排出規制海域(ECA)以外の一般海域でもその規制が0.5%に強化されます。

助成表示マーク

スペースと資源のクリエイティブな活用。それは船舶設計の与件であり、富士電機のSOxスクラバーとレーザ式ガス分析計をつらぬく設計思想です。富士電機がSaveBlueの名で提供する排ガス浄化システム(EGCS)は、C重油を継続使用しながら、オープンループとクローズドループどちらのモードでも稼働するソリューションです。コンパクトなサイズで配置検討が容易、新造船はもちろん既存船/就航船の改修(レトロフィット)にも適用できます。

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社会ソリューション統括部
営業第一部

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