「トランスの絶縁種別」って何ですか?
トランスは、信頼性が高く、寿命が長い機器ですが、長期間使用すると、温度、湿度などの影響で、巻線の被覆や絶縁物が劣化します。また、使用される周囲温度によっても大きく影響されます。
このようなことから、トランスは、長期間安全にご使用いただくために、使用される絶縁材料によって温度上昇限度を設けており、各絶縁種別絶縁材料は下表に示す温度上昇限度を長時間持続して超えてはならないと規定されております。
トランスの部分 | 絶縁の種類 (絶縁種別) |
温度上昇限度 〔K〕 |
---|---|---|
巻線 | A種 | 55 |
E種 | 70 | |
B種 | 75 | |
F種 | 95 | |
H種 | 120 |
- (注)
- 本表は、JEC2200より部抜粋。
- (注1)
- 許容最高温度は、定格状態において、絶縁種別の温度上昇限度+基準周囲温度(40℃)が限度となります。
- (注2)
- 制御盤などに設置して使用する場合は、一般的に盤内温度上昇が5~10℃あるので考慮する必要があります。
また、トランスが使用される周囲温度についても規定されております。(下記参照)
- ● 操作用トランスの常規使用条件(JEM1333)
- 下記の使用状態を常規使用状態とし、特に指定されない限り、 トランスはこの状態で使用されるものとする。
- (1)標高が1000m以下。
- (2)周囲温度が最低―5℃~、最高40℃の範囲内。
- (3)相対湿度が最低45%、最高85%の範囲内。