2012ebook
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31次代の省エネを担うパワー半導体「オールSiCモジュール」と「パワーコンディショナ(PCS)」の開発 工場のロボット、データセンターのサーバー機、ハイブリッド自動車、太陽光・風力発電などさまざまな装置の省エネに貢献するとともに、装置の小型化、軽量化に役立つパワー半導体。 富士電機は、従来のシリコンと比べ、大幅な装置の省電力化、小型化を実現する「オールSiCモジュール」とこれを搭載した「PCS」を開発しました。 SiCの特性を発揮する、独自のパッケージ構造を開発 富士電機は、SiC(炭化ケイ素)が持っている優れた耐熱性と耐久性を最大限に活かすために、最適な構造を追求した、SiC新パッケージ構造を新たに開発しました。 半導体チップの基板実装に、アルミワイヤではなく、銅ピン接続を採用したことで大きな電流を流すことが可能となり、シンプルな構造としたことで、小型化を実現しました。また、パッケージ樹脂を、従来のシリコーンゲルから高い耐熱特性を持つエポキシ樹脂に変更し、モジュールの高温動作・高信頼性を実現しています。 オールSiCモジュールにより、 装置の大幅な省電力化、小型化を実現 この新構造のパッケージに「SiC –MOSFET」「SiC –SBD」を実装し、大幅な消費電力削減を可能とする当社初のオールSiCモジュールを開発しました。 本モジュールを搭載し試作した太陽光発電用のPCSでは、家庭用の一般的な製品と比べて、消費電力を75%削減しました。また、装置の大きさは4分の1と大幅な小型化を実現しています。 今後、当社のインバータやUPSなどのパワエレ機器への搭載を進め、社会の省エネルギー化に貢献していきます。開発担当者の声 今回の「オールSiCモジュール」と「PCS」の開発により、今後、SiCモジュールを搭載したパワエレ機器を開発するうえで、基本となる技術を確立したことになります。 これらは、パワー半導体とパワエレ機器の双方の技術者が、一致協力して設計に携わった成果だと考えています。装置として組み上げたときに、SiCモジュールの特性が理論通りに出るか検証することが必要です。そのため、装置の電子回路基板やノイズフィルタなども含めて、装置がどのように動作するか総合的に検証しました。 このような検証を踏まえて試作したのが、太陽光発電用のPCSです。この試作機の設計とあわせ、今回の新パッケージによるオールSiCモジュールを開発することができました。 ここに辿りつくまでは長い道のりでしたが、SiCモジュールと、これを搭載した装置の早期の製品化に向け、開発を進めていきます。開開今「VOICE(左)技術開発本部電子デバイス研究所次世代デバイス開発センター 木村 浩(右)技術開発本部 製品技術研究所パワエレ技術開発センター松本 康トピックスオールSiCモジュール太陽光発電用パワーコンディショナSiNセラミック基板アルミワイヤボンディング構造(従来)新構造セラミック基板外部端子パワー基板外部端子樹脂ケース銅ベース接合はんだエポキシ樹脂シリコーンゲル銅ピンパワーチップアルミワイヤDCB(セラミック絶縁)基板厚銅板パワーモジュール構造の比較

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