2012ebook
39/65

38社会報告やコスト等について何度も折衝を重ね、駆動制御システムの受注を獲得することができた。 「無事受注することができたのは、技術部門をはじめとする社内の協力があったから」と米吉提は強調する。「日本人には思いやりを感じます。相手を助けたいという気持ちは、いつも嬉しいですね」。女性活躍推進一人の時短勤務が職場を変えた 富士電機は、2006年2月に「女性活躍推進室」を立ち上げて以来※1、女性社員の活性化に向けた取り組みを強化している。多様化する社会のニーズに対して、組織に新しい視点や考え方を吹き込むことが求められているからだ。会社が制度や環境整備を進める一方で、職場でも、女性社員の活躍に向け、互いに支え合い切磋琢磨している。 富士電機全社のさまざまな技術・製品に関して、その性能や不具合の原因等を分析する部門に所属する井上千鶴。彼女は、2007年から3年間、育児のための短時間勤務制度を活用した。当時、職場に同制度の利用者はおらず、周囲も戸惑った。そんなとき、チームリーダーの瀧川亜樹の存在は、井上にとって心強かった。 「退社が4時なら絶対にそれを守らせる。仕事を奪ってでも終わらせる」。瀧川自身も過去、育児と仕事を両立してきた。そんな経験から、井上のバックアップを買って出た。そうした瀧川の徹底した姿勢は職場に波及。「時間は大丈夫?」。次第に周囲の協力体制が築かれていった。※1 現在は組織を改め、女性活躍を含むダイバーシティを推進個性を活かして成果を挙げる 「井上さんにも、分析の目的やその結果はしっかり伝えました」。井上の同僚で、製品の微視解析を担う渡邉英ひであき聡は、当時を振り返る。短時間勤務であっても、仕事を「流れ作業」にして欲しくない、そんな思いがあったからだ。井上は返す。「なるべく負荷を減らすように配慮してくれる一方で、大事なことは丁寧に説明してくれた。仕事へのモチベーションが保てました」。 チーム全体のマネジメントを担う瀧川は、「気配りや配慮は大切」と前置きしながらも、「最終的に必要なのはチームとして成果を出すこと」だと考えている。その術の一つは、長所や個性を活かすこと。例えば井上の持ち味は、「器用であり探究心が強いこと」だとみる。 井上は専門職として、主にメンバーのサポート役を担い、常に多くのテーマを掛け持ちする。しかし瀧川は、「どんなに忙しくても業務を手際良くこなし、期待以上の成果を出す」と井上を評価する。自ずと職場からも「困ったときには井上さん」と頼られる存在となっている。多様性を推進力に 現在、富士電機の女性社員比率は12%、幹部社員として活躍する女性は1%だ※2。対して、瀧川たちの職場は18名のうち半分を女性が占め、瀧川を含む2名が女性幹部社員である。社内ではまだ少数派の職場だが、瀧川たちには、次世代材料であるSiC(炭化ケイ素)を使った半導体モジュールの構造解析など、重要なテーマが山積する。 「手が離せないときなど、上司も進んで仕事を引き受けてくれる」と瀧川は言う。メンバーの育児休職や短時間勤務の取得等を通じて、急な案件が飛び込んだ際にも、入れ替わりでフォローできる体制も備わった。 「フレンドリーな雰囲気の職場」と3人は声を揃える。背負うプレッシャーは大きいが、「多様性」を推進力に、チームワークで大きな課題を乗り越えていく。※2 2012年6月1日時点。 対象は富士電機(株)ならびに主要子会社対話でチームワークを育む応用物理研究部 分析グループ左から、渡邉 英聡、井上 千鶴、瀧川 亜樹

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer9以上が必要です