ニュースリリース
高効率『常時インバータ給電方式 UPS装置:UPS7100Dシリーズ』の発売について

2010年4月8日
富士電機ホールディングス株式会社

 富士電機ホールディングス株式会社(代表取締役社長:北澤 通宏、本社:東京都品川区)傘下の中核事業会社である富士電機システムズ株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:白倉 三德)は、富士電機グループのテクノロジーの中枢であるパワーエレクトロニクス技術とデバイス技術を融合し、新3レベル変換技術(注1)と富士電機独自の新型IGBTモジュールを適用した新中容量無停電電源装置(UPS: Uninterruptible Power System)を本日より発売します。

100kVAモデル外観
100kVAモデル外観

 IT社会を支える情報通信関連機器や計算機に給電する電源設備および半導体・液晶ディスプレイや太陽電池などの高付加価値製品の生産ラインに給電する電源設備には高い信頼性が要求され、一般的にUPSが用いられています。
 一方、地球温暖化対策における環境負荷低減は企業にとっても重大な課題となっており、製品における電力損失は家電製品だけでなく産業用機器を導入する際にも重要な選択要素となっています。
 この度、当社は、3レベル変換技術と新型IGBTモジュールにより装置効率を当社従来機(効率90%)より5ポイント向上させた効率95%の中容量UPS『UPS7100Dシリーズ』を開発しました。
 これにより、社会・産業に貢献するだけでなく、お客様の年間電力料金の削減にも貢献します。

(注1)

新型中性点クランプ3レベル変換技術(Advanced Neutral-Point-Clamped 3-Level Power-Conversion Technology)

1.特徴

(1)高効率化

 3レベル変換技術により、IGBT素子のスイッチング損失を低減し、さらに従来の2レベルインバータが出力するPWM波形より高調波成分を半減させたことによってフィルタ損失を低減し、クラス最高レベルの装置効率95%を実現しました。

<効果試算>

上表は年間、100%負荷、連続運転の場合の概略計算値です。

 当社従来機との置換えにより、100kVA機レベルで年間電力料金約60万円の削減、CO2の発生量で年間約16t(モミの木1000本のCO2吸収量に相当)が削減できます。

(注)

契約電気料金,装置稼働時間等によって、効果に差異があります。

(2)装置の軽量化

 RB-IGBT(注2)と従来のIGBTをワンパッケージ化した3レベルモジュールを適用することで、回路構成の簡易化を図り、さらにフィルタを小形化したことにより、装置重量を当社従来機より約40%削減しました。

(注2)

RB-IGBT(Reverse Blocking-Insulated Gate Bipolar Transistor)

(3)高信頼性システム対応

 高信頼性システムを構築する際も、共通制御部が無い富士電機独自の完全独立並列冗長方式の適用を可能とし、将来の増設が容易な共通予備方式へも対応可能としました。

(4)ネットワークシステムの向上

 オプションのWeb/SNMPカードを搭載することにより、WEBブラウザによる状態監視、Eメールによるイベント通知、リモートメンテナンス、マルチサーバシャットダウン、SNMPマネージャソフトによる状態監視(JEMA-MIB対応)を可能としました。

JEMA-MIB対応Web/SNMPカード(オプション) (注)図をクリックすると拡大します

2.主な適用分野

インターネットデータセンター(iDC)
電算センター
生産ラインなど

3.概略仕様

設置方式

:鋼板製自立形(キュービクル)

回路方式

:常時インバータ給電方式(ダブルコンバージョン方式)

装置容量

:30kVA,50kVA,75kVA,100kVA

入出力電圧・相数

:200V±10%,三相3線(210,220Vも対応可)

周波数

:50/60Hz共用

装置効率

:95%(装置最高効率)

停電補償時間

:10分間(標準) (注)バッテリの組合せにより、任意に対応可能です。

4. 発売時期

即日(出荷開始時期は平成22年7月以降)

5. 販売目標

初年度:50台/年度,3年目:300台/年度

【参考資料】中・大容量UPSシリーズ 容量系列 (注)図をクリックすると拡大します

【お客様問合せ先】

 富士電機システムズ株式会社 環境ソリューション本部 社会ソリューション事業部
 ファシリティーソリューション統括部 電源事業推進部
 TEL : 03-6717-0624

以上