ニュースリリース
流通分野における冷蔵・冷凍保存輸送技術の事業化に向けた検討の開始について

2011年5月31日
富士電機株式会社
日本航空株式会社
アイ・ティ・イー株式会社

 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 北澤通宏)と、日本航空株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 大西賢)、アイ・ティ・イー株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長パンカジ・クマール・ガルグ)の3社は、流通分野における冷蔵・冷凍輸送技術を活用した事業化に向けた検討を開始することを決定致しましたのでお知らせいたします。

1.背景と狙い

 3社は、アイ・ティ・イーが開発した蓄冷プレート、アイスバッテリー®(注)を活用した物流システムの構築を共同で開始します。

 従来の保冷技術は、ドライアイスを使うことから、一定温度を長時間保持することは困難であり、加えて、大量の二酸化炭素を排出することが問題視されていました。
 アイスバッテリー®は、航空宇宙分野のコールドジェル技術によって製作された蓄冷プレートで、最長120時間、-20℃から+8℃の範囲で温度を一定に保持できます。この技術を活用することで、安定的な定温輸送が実現し、従来扱いが難しいとされてきた、生鮮食品、医薬品、半導体素材などの信頼性の高い輸送が可能となります。
 富士電機は、食品物流センターや店舗における冷凍・冷蔵機器に多くの実績を持ち、食流通における冷凍・冷蔵技術に多くのノウハウを有しています。
 一方、日本航空は、厳しい安全・品質管理が求められる航空輸送において豊富な経験と実績があります。アイスバッテリー®の活用を含む独自の空輸システムとノウハウを有しており、全世界への国際輸送網を利用して、国内のみならず海外でのビジネスチャンス拡大も期待できます。

 富士電機、日本航空及びアイ・ティ・イーの3社が協力することで、厳格な温度管理が必要とされる生鮮食品や輸血用血液などの医薬品の安定的な長時間輸送が実現し、今後の物流システムの世界規模での革新に繋がります。また3社が積極的に取り組んでいる物流における環境負荷の軽減にも大きな効果があり、震災後の節電にも貢献できるものと考えております。

(注)

アイスバッテリー®(アイ・ティ・イー株式会社の登録商標です)
アイ・ティ・イーが物流用途に開発した技術で、以下の特徴を有しています。

  • 省エネ  : 輸送中やシステム利用中の電力が不要で最大50%電力削減が可能。

  • 一定温度 : 外気温が40℃以上でも、-20℃~+8℃の範囲で温度を一定に保持。

  • 長時間  : 最長で120時間以上の温度保持。

  • CO2削減 : ドライアイスを使用しないので大幅なCO2削減が可能。

  • 低コスト : ドライアイスなどの保冷システムと比較し、コスト約60%削減。

(日本航空での活用例)

以上