土田 FeWareとは、端的にいうと富士電機グループ全体のクラウドサービス型のグループウェアのことです。国内はもちろん海外拠点にも展開しており、これまで各拠点で構築してきたメールシステムやグループウェアを一元化することで、グループ間のコミュニケーションの基盤を構築。そして、グループ全社員やチームの業務品質の向上を目指しています。
土田 富士電機グループとして初となるパブリック型のクラウドサービスとなるため、そもそも当社に導入事例がなく、環境設備一つとっても基準がわからない。「どこまで強化すればいいのだろうと試行錯誤しながら、一つひとつ進めていきました。
山口 そうですね。前例のない案件だったので、スケジュール調整にも苦戦しましたが、ゴールは決まっていたので、日々進捗を確認しながら期日に向けてカットオーバーすることを意識しました。
土田 システムがガラリと変わるので、メールの表示やスケジュールの入力の仕方、細かな部分を見るときりがないほどユーザーインターフェースを変更したんです。当然「これまで使用できていたものが使えないのか」「なんで変えてしまったんだ」という声も寄せられました。それでも、間違いなく社員の業務効率を上げることができるシステムですから、サポートスタッフにも協力してもらいながら各拠点に説明して回りましたね。特に海外拠点に関しては、導入意義や移行方法を丁寧に説明し、1日でも早く一人ひとりの業務がスムーズになるように進めていきました。
山口 あと、実はこのプロジェクトに対する全社の期待が想像以上に高く、プロジェクト中は仕様の見直しが幾度となく行われましたよね。プロジェクトの期間も予算も限られていましたが、だからこそ実現に向けてメンバーや関係会社と日々会議の時間をしっかりと設けることで、限られた時間の中で設備の構築を進めることができたと思います。
土田 そうですね。もちろん全てが順調というわけではなく、土日返上という時もありました。それでも、みんなのモチベーションは常に高くて、夜遅くなればみんなで夕飯を食べに行ったり、プレッシャーを感じつつも楽しみながらプロジェクトを進めていけたと思います。
土田 今までバラバラだったシステムがFeWareという形で統合できたことで、今後10年、20年続くシステムの礎ができたのではないかと思います。それがこのプロジェクトに携わったメンバーとしての誇りですね。一方で、まだ完全導入が終わっていない拠点もあるので、1日も早い導入を目指します。
山口 私も、安定したインフラ環境の提供という意味では、大きな達成感を味わいました。それにしても、よく8カ月という短期間で構築ができたなと思いますよ(笑)。
土田 大きな視点で言えば、FeWareの導入によって富士電機グループ全体の働き方を変えることができ、業務スピードも格段にアップしたと思います。これまで以上に、いつでもどこでも仕事ができる環境を実現できた点は、グループに大きく貢献できたという実感がありますね。
山口 クラウドは日進月歩で変化し、今この瞬間にも新しい技術やサービスが誕生しています。そういった観点でいうと、FeWareはグループにとって始まりにしかすぎないと思うし、この先も全社からの期待値や要求はますます高まっていくと思うので、それに応えていきたいと思います。せっかくの機会だから、FeWareに関して阿部さんの感想も聞いてみたいな。
土田 それは良かった。絶対に若い世代の方が意欲的な意見を持っていると思うんですよね。これからは、阿部さんのような若い方々の意見を積極的に取り入れながら、ゆくゆくは彼らが主体となってより良いグループウェアを作り上げてもらいたいです。
山口 探究心と追究心は、ずっと意識して持っていてほしいですね。例えばシステム一つとってみても「どうしてそのようなものが生まれたのかという視点を持つことで、ユーザーの想いを汲み取ることができる。結果的に人に喜ばれるものを作ることができると思うんです。そんな探求心のあるみなさんと一緒に仕事ができたら嬉しいですね。
土田 学生時代に何か打ち込んだ経験、情熱を持って挑んだ経験は必ず社会で生きてきます。その気概を大切にできる人を新しい仲間として迎えたいですね。最初はわからないことばかりかもしれないけど、根気よく目の前の仕事に打ち込んでほしい。そして、いつの日か同じ仕事に挑める日が来ることを楽しみにしています。