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富士電機ITセンター株式会社

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富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社プロジェクトについて教えてください!

岩崎 富士電機グループのアジア事業拡大のための最重要拠点となったのが富士電機マニュファクチャリング(タイランド)社。同社の売上高は当時24億円でしたが、国内3工場からの機種移管によって、初年度134億円、翌年度は264億円(実に11倍)の生産規模拡大が計画されていました。私たちのミッションは、それまで現地で手作業中心だった業務運用を改善し、システム中心の効率的な業務へ移行する事でした。
そのため、国内の移管関連工場から生産管理システムのエキスパートが選抜され、海外工場の標準生産管理としてシステムを構築するところからスタートする事となりました。

プロジェクトを進める上で気を付けていたことは何ですか?

岩崎 これまでは、生産機種ごとにシステム開発を自社で進めていたのですが、今回のプロジェクトでは「SAP」と富士通の「PRONES」を組み合わせたERPパッケージを活用しながら、生産管理システムの構築を進めていきました。今後のグローバル化を見据えて、「標準的」なモノづくりに対応できるよう意識していましたね。

小林 私は現在神戸工場に在籍しているのですが、タイランド社設立にあたって国内4工場の生産機器の移管ということもあり、召集されました。富士電機の海外拠点では、現在各工場でシステムが異なるのですが、今回のプロジェクトを通じて「世界中どこでも使える生産管理システム」を目指していたんです。

兼久 タイランド社では、私が在籍する鈴鹿工場が担当する「インバーター」の生産に力を入れていくという目的もあったんですよ。そこで、生産機種のシステムを担当していた私が召集されました。タイランド社は、タイの既存の工場を買収した上でのスタートだったのですが、当時その工場で作られていた製品がインバーターとは異なる機種だったため、単にシステム導入を進めるのではなく、インバーターの生産に必要な具体的な業務面まで、現地の方にレクチャーをするという日本とタイの橋渡し役を担いました。とにかく少しでも理解しやすいように説明をし、プロジェクトが円滑に進むことを心がけました。

直面した障壁や困難はありましたか?また、どのように乗り越えましたか?

岩崎 障壁や困難…そうですね。とにかく短期間でプロジェクトを進めなければいけなかったことですね。時間にして13ヶ月後には新しい生産管理システムを稼働させなければならなかったこと。その当時、工場では伝票を出すにも手作業で行う状態だったので、そもそも新しい業務プロセスを誰がどのように描いていくのか…という部分から議論が始まりました。

小林 システムは業務ありき、業務はシステムありきでないと…という堂々巡りの状態で、兎にも角にもプロセスの確立を行うことが、まず大きな困難でしたね。

兼久 あと、実際にベンダーとの交渉もERPパッケージの深部には精通できていない私たちには困難でしたよね。ベンダー側は業務プロセスをカスタマイズしすぎて、結果プロジェクトが肥大化して収集がつかなくなる。一方で私たち自身も、モノづくりにこだわるあまり、要望がどんどん生まれてくる。お互いに交渉の繰り返しでしたね。

岩崎 そして、やっぱり言語や文化の壁は大きかったな。意思疎通がなかなかできないことも歯がゆかったですね。

実際にどのようにして困難を乗り越えていったのですか?

岩崎 例え片言でも訴え続けたということですね。熱意をぶつけ続けていると、いつしか相手側から歩み寄ってくれて、お互いに理解するスピードが速くなりました。

小林 そんなことありましたね。今回、マレーシア工場でSAPのERPを導入しており、当初はマレーシア工場のERPをカスタマイズすることで短期間での導入ができると踏んでいたけど、実際は結構大変で…。タイランド社は今後、生産量も工場の規模も10倍になるわけですから、現地のベンダーだけでなく私たちも10倍の物量に対応する工場の業務イメージができないわけです。さらに言えば、グループ初の試みなので誰もイメージできない。そうした点でもシステムの確立は困難を要しましたよね。

兼久 そうそう。私たちもそのような状態でしたから、現地の方はなおさらイメージが描けないわけです。だから言葉だけではなく、伝票の実物や図面など目に見えるイメージ図なども必要でした。一歩ずつ少しずつ、現地の方にもどのような工場で、どのようなプロセスで生産を行うのかがイメージできるよう、対話を続けていきました。岩崎も話していた言葉の壁は私も感じました。会話を補う為に文書を訳したりわかりやすく伝えるためにイメージ図を起こしたりというコミュニケーションの点でかなりの時間を割いたことを思い出します。

プロジェクトを成し遂げたとき、どのような達成感や喜びを味わえましたか?

岩崎 正直、まだまだ成長中のシステムですので「達成した!」という感覚はありません。開発工程で多くの課題も浮き彫りになったので、今後に生かして、より完成に近づけていくことが大切だと感じています。

小林 タイでIT主導のシステムで工場が稼働するということについて、新しい形を示すことはできたのかなと思いますが、まだまだ進化するシステムなのでこれからに期待ですね。

今回のプロジェクトにより、どのようなメリットが生まれ、どのような価値を提供できましたか?

岩崎 現在も現地スタッフと連携しつつ、タイランド社のスタッフに業務を移管しており、彼らが工場を動かしていることを考えると、富士電機グループの重要拠点におけるIT基盤の礎を築くことができたのではないかと思います。

小林 そうですね。富士電機グループにおける一つの成功事例になりましたよね。

兼久 私も今回のプロジェクトを通じて、富士電機グループに対して将来の道標を示すことができたと感じています。

今後の課題点、目指すべきところを教えてください!

岩崎 今回のプロジェクトを通じて、改めてモノづくりを行うシステム基盤を構築したいと思います。

小林 具体的には投資する国や工場、人の様子を踏まえた上で「標準化」をきちんと定めることが重要だと感じますし、その上で海外に勝負を仕掛ける体制で、臨んでいく必要があると思います。

兼久 おかげさまで貴重な経験をさせていただきました。しかし、私も他の二人も立場的に当社の中ではベテランの域に達しています。今後はもっと若い世代が先頭に立って、富士電機のグローバル化を牽引していくと思いますし、そんな彼らをサポートすることが私の役目です。

最後に、新卒学生に向けたメッセージをお願いします!

岩崎 私自身、入社してから色々な経験をさせていただきました。それは、当社にチャレンジできる環境があるからだと思います。「グローバル」という新たな挑戦の場もありますので、たくさんの方に挑んでいただきたいと思います。

小林 あっ、同じこと言われてしまったな(笑)私がお伝えできることは、今のうちから色々準備をして社会に臨んでほしいということですね。

兼久 あくまでも私の視点ですが、「できる可能性」を見せてくれる方、「これから頑張ります!」という高い意欲を持った方に来てほしいですね。

貴重なお話をありがとうございました!


 

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