実践報告書【2025年6月】
- 所在
- 日野市多摩平1-14-97
- 園名
- ピノキオ幼児舎富士ライフ豊田園
- プログラム全体テーマ
- 「他者へのおもいやり」
子ども同士の話し合いを通して、自分の考えを言葉にし、友達の意見に耳を傾ける経験を積み重ねていく。
その経験から聞く、話すなどのコミュニケーション力だけでなく、他者へのおもいやりや、理解力、集中力、思考力、表現力、発想力、創造力など、子ども自身が持っている非認知能力を育てる。
1.今月の活動テーマ
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テーマ
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テーマの設定理由
- 本園の特色でもある、2階デイサービス施設との交流を活かし、他者への思いやりや友達との協同、他者の話に耳を傾け、自らの意見を発信するなど子ども達の非認知能力の成長を促す機会とする。
- 昨年度のきりん組がどんなことを交流で行っていたか話をした際にとても興味を示し、自分たちも「やってみたい!」という強い要望があったため話し合い決めた。
2.活動スケジュール
- 6/9
話し合い(交流会の説明、前回の振り返り、内容決め)
- 歌「かたつむり」「かえるのうた」、踊り「夢をかなえてドラえもん」
⇒ 朝の会や帰りの会で練習をする。 - マジックショー (耳からティッシュ、まほうの花、色みずマジック、指に糸)
- 歌「かたつむり」「かえるのうた」、踊り「夢をかなえてドラえもん」
- 6/20
マジックショーの流れやセリフを話し合いで決める
- 6/23・25・26
マジックショーのセリフ、内容の確認と練習
- 6/30
交流会当日
マジックショー → 歌 → 体操の順番で実施。
※当日は利用者さんから折り紙のくす玉のプレゼントを一人1個いただいた。
3.活動のために準備した素材や道具、環境設定
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マジックショーで使う空のペットボトル6本、絵具、お花紙
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まほうの花を作るための折り紙6枚
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夢をかなえてドラえもんの音源
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歌は朝の会や帰りの会を中心に歌えるようにした。踊りはプール前の準備体操などで設定した。
4.探究活動の実践
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①話し合い(前回の振り返り、テーマ、内容決め)
〈活動の様子〉
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②話し合いで決まった内容
- 歌「かえるのうた」「かたつむり」
- 体操「夢をかなえてドラえもん」
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マジックショー クラスのグループごとにマジックを行う
色水マジック、まほうの花、指にまほうの糸、耳からティッシュの4つどのマジックをやるかはグループごとに話し合い決めた。
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③話し合い内容のまとめ
マジックショーは5月の話し合いの時に話題に上がっていたが話し合いの中で、別の物になった。その為、今回の話し合いの中で前年度のきりん組の様子を伝えながらマジックの話題が出ると「マジックしたい」「やってみたい」「このあいだもやりたかった」などの話があがった。前回の話し合いのことも覚えている子がいたり、改めて話をしたことで興味を持った子もいたりしたので活動の内容が「マジックショー」に決まるのは早かった。内容が決まると楽しみにしている子も多く絵本をみたり、家庭で手品の動画を見たりして楽しみにしており、「もう練習始める?」「いつから始まるかな??」と楽しみにしている姿が見られた。また、実際の練習では恥ずかしそうにしながらも友達と話し会いながら取り組んでいた。
練習を進める中で、当日の流れや順番など子ども達の話し合いで決めるようにもした。歌を先に歌いたい子、マジックを先に見せたい子など、それぞれの考えがあり話をまとめるのが難しい場面もあったが、保育者が実際の流れや雰囲気がイメージできるように話を仲介していくと「じゃあ先がいいかも」「これはあとがいいね」とまとまるようになり、流れも決めることができていた。
5.振り返り
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マジックショーの練習はグループごとの練習を重ね、クラス内での見せ合いも行った。ある程度練習し自信もついてきた中での見せ合いだったので自信をもって取り組んでいた。見せ合いの中では見ている友達に感想や意見を聞く時間を作った。友達からの評価が加わると自信を無くしたり、続けるのが嫌になったりする子がいるかと思われたが、友達や保育者が「こうするともっとよくなるかも」「このほうがいいと思う」などのアドバイスに対して「なるほど」「こうかな?」と素直に受け止めていた。見せ合うことで相手が楽しんでくれたり褒めてくれるので素直にアドバイスを受け止める気持ちになっているように感じた。
練習の過程では園長先生に教えてもらおうと声をかけにいったり、グループ内の友達同士で話しながら練習に励んだりし、積極性も出ているように感じた。マジックショーの流れやセリフは子ども達で考えるのは難しいと思っていたが、大人が思っている以上に子ども達はしっかりと理解しセリフを考えていた。
普段の活動でも話し合いの機会を作るようにしているので、自分の意見を言うことに抵抗がなくなってきている子が増えたように感じる。今後も安心して意見が言い合えるようにそれぞれの意見を肯定的に受け止められるような関りや声掛けを行い、話し合いが活発に進むようにしていきたい。 -