るつぼ形誘導炉(中/高周波)
業界トップクラスの省エネルギーと安全性を追求した中/高周波るつぼ形誘導炉です。生産量変動にも適合したシステム設計が可能な溶解炉です。特殊構造の継鉄を配した省エネ形を標準にしており、継鉄の無い普及形に対して溶解電力費は約10%低減できます。
溶解性能の向上とともに、生産性向上、CO2削減をめざした新型溶解炉で、3TON炉に2800KWの大電力を供給する種々配慮がなされています。大きなものでは13,000kWまでの実績を有します。
操業中の高周波るつぼ形誘導炉
炉体外観
特長
安全・堅ろうでかつ高効率な炉体構造
1,500基を超える誘導炉の豊富な実績を生かし、安全・ 堅ろうでかつ高効率を追求した炉体構造です。
制御装置の故障監視モニタを内蔵
制御装置はプリント板として構成しています。万一のプリント板の故障に対しても、その各部に配置したランプにより故障箇所が一目瞭然で、また簡単に修理ができます。
コンパクトで高効率なインバータ盤
高周波での電流容量が特に大きく信頼性の高いサイリスタを使用しているため、使用個数が少なくてすみ盤が小形化できます。水冷式インバータでは冷却水回路をクローズド回路とし、専用の二次冷却水装置を標準装備しています。
操作がとても簡単
炉の操作は「起動」「停止」のスイッチと入力調整用のつまみを操作するだけで、コンデンサやトランスタップの調整は一切不要です。
電子部品の信頼性が高い
サイリスタの制御回路には、コンピュータ電源用として特別に選別した信頼性の高い部品を使用しています。これらの部品は温度変化や振動など過酷なテストにも合格した超一級品です。
構造
継鉄(炉容量:300kg以上)
コイル外周に配置し、磁束の漏れを防ぎ省エネ効果を図っています。
継鉄はライニング膨張力に対し、コイルを背後から強力に支える役もしますので、ライニング寿命の安定化も図ります。
200kg以下の炉では継鉄を使用せず炉枠で固定しています。
コイル
特殊断面をもつ引抜き銅管を用いていますので、丸形コイルに比べ約2%の効率アップとなっています。
上下とも平行コイルを採用し、充分にコイルを締め付けられる構造としています。
全周にわたってコイルを配し占積率を増し、効率アップを図っています。
炉蓋
手動操作による水平旋回式を標準とします。ただし3000kg炉以下では炉蓋式とします。
放熱ロスを防ぐため密閉構造の設計も可能です。(オプション)
ライニング
酸性・塩基性・中性といずれの場合も乾式築炉とします。
一般的に鋳鉄には天然シリカを、鋼にはマグネシアまたはスピネルの塩基性を、非鉄金属には黒鉛るつぼや高アルミナ質のスタンプ材を適用しています。
コイル絶縁
絶縁はガラステープで行い、冷材スタート時のコイル表面に出る結露に対しても強い構造です。
絶縁はH種相当の絶縁としており、コイル寿命の大幅延長を図っています。
コイル全体をワニス乾燥処理し、強固な構造としています。
湯漏れ検出
万一湯漏れが発生した場合、コイルに達する前にこれを第1アンテナ・第2アンテナで検出し警報を発します。