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ニュースリリース

2009年6月22日
古河電気工業株式会社
富士電機ホールディングス株式会社

次世代パワーデバイス技術研究組合の設立について
(改正鉱工業技術研究組合法 適用第1号に向けて)

  古河電気工業株式会社(社長:吉田 政雄、本社:東京都千代田区)と富士電機ホールディングス株式会社(社長:伊藤 晴夫、本社:東京都品川区)の研究開発会社である富士電機アドバンストテクノロジー株式会社(社長:江口 直也、本社:東京都日野市)は、GaNパワーデバイスの共同開発を目的とした技術研究組合を設立します。

  古河電気工業のGaNに関する基礎技術と富士電機のパワーデバイス量産技術と信頼性技術を補完しあうことで、次世代パワーデバイスの早期市場投入を目指し、本年鉱工業技術研究組合法改正が行われたのを機に適用第1号に向けて、次世代パワーデバイス技術研究組合(以下、技術研究組合)発足を本日申請するにいたりました。技術研究組合は本年7月中に発足の予定で、平成23年度中の実用化をめざします。

1.研究組合設置の狙い
(1) エネルギーと環境分野に貢献するGaNパワーデバイス
    現在パワーデバイスの主流であるシリコンは、エネルギー損失において限界に達していると言われており、新材料である窒化ガリウム(GaN)やシリコンカーバイド(SiC)が注目されています。SiCはショットキーバリアダイオード(SBD)※1が既に市場に参入していますが、大型基板の作成が難しいなどコスト面で厳しいと言われています。
  GaNパワーデバイスは高耐圧、低損失、高速スイッチングデバイスとして高い可能性を有しており、ポストIGBTの最有力候補ですが、研究レベルに留まっているのが実情です。

  一方、ここ数年結晶欠陥の低減、デバイス性能の改善が著しく進んでいるのも事実で、2、3年以内にスイッチング電源などに望まれている高効率電源の開発に供せられる試作品を製作する事が可能です。こうした試作品をいち早く提供することで、パワーエレクトロニクスの進歩に大きな貢献をすることが可能になり、またその後のGaNパワーデバイスの製品化に向けた大きな一歩を踏み出すことになります。
   
(2) 両社のコア技術を活かし、次世代製品の開発を加速
    古河電気工業は、GaN材料について、トランジスタやダイオードの研究開発を続けており、GaNパワーデバイスの分野では世界的にも注目される成果をあげてきました(図1)。
  一方、富士電機アドバンストテクノロジーは、パワーデバイス(図2)の開発、生産技術ならびにインバータや電源などの応用製品の研究開発に関して高度なコア技術を有する富士電機グループの研究開発会社であり、各種デバイスの設計、プロセスに係わる多くの研究者や技術者を抱えています。
 
プロセス済みエピウェハ写真
パワーデバイス写真
図1.プロセス済みエピウェハ(古河電気工業)
図2.パワーデバイス(富士電機)
    これらの2社が協力してお互いの持つ強みを発揮し合うことにより、実用的なパワーデバイスの開発が加速されるだけでなく(図3)、資金面でも両社が負担することで、大規模な研究開発体制を構築でき、開発期間の短縮につなげることが可能になります。
 
二社の強みとシナジー
図3:2社の強みとシナジー  WBG : Wide Band Gap
(3) 改正鉱工業技術研究組合法 適用1号に向けて
    昭和36年に設けられた鉱工業技術研究組合制度は、研究開発資源の効率的な活用等を促進する、民間企業等の共同研究開発のための法人制度として多く活用されてきました。
  本年4月30日に公布された改正法は、旧法に対して、技術研究組合を会社に組織変更して研究開発成果を事業化することが可能となり、また2社間の同意をもって認可申請でき、また手続の簡素迅速化が成されました。こうした背景により、改正鉱工業技術研究組合法 適用1号に向け申請することとなりました。
2.ターゲットとするマーケット
  GaNはシリコン上にデバイスを作ることができるため低コスト化が可能であり、基板のコストが下がる目処のたっていないSiCに比してアドバンテージがあるとみています。シリコンデバイスと比べ10分の1以下の低損失を活かし、低炭素社会を実現する”グリーンデバイス”として、コスト要求が厳しい低中圧の応用分野への適用が有力と考えております。具体的には、ハイブリッドカー、電気自動車が最も有力なマーケットです。また、産業用電源や汎用インバータなども有力なマーケットです。
  GaNの特徴である高速スイッチングを活かすことにより新たな適用分野が創出されてくると考えており、これについては技術研究組合内で十分検討していきたいと考えます。
3.本技術研究組合の目的と概要
(1) 目的
  本技術研究組合ではSBD及び電界効果トランジスタ(MOSFET)の開発を行い、3年後の事業化をめざします。
(2) 名称
  本技術研究組合の名称は「次世代パワーデバイス技術研究組合」とします。
(3) 所在地
  初年度は、古河電気工業株式会社 横浜研究所内に設立いたします。
(4) 賦課金
  初年度は、8億円で運営を開始いたします。
(5) 組織
  理事長には、富士電機ホールディングス株式会社 取締役 重兼 壽夫、専務理事には古河電気工業株式会社 執行役員研究開発本部副本部長 中村一則が就任予定です。
初年度の研究部員は22名を予定しています
4.本技術研究組合の事業(研究開発)内容
(1) エピ技術の開発
  SBDとMOSFETの実用化のために、低コスト化が実現できるSi基板上への高品質GaN結晶の成長技術開発を行います。具体的にはエピタキシャル結晶成長技術※2を用い、Si基板上にバッファー層の堆積条件を制御して品質改善(結晶欠陥や応力の低減)を行います。
(2) SBDデバイスとMOSFETデバイスの開発
  スイッチングに適用可能な低損失のダイオードとMOSFETを低コストで実現するためのデバイス構造やプロセス技術の開発を行います。デバイス構造の検討を行うと共に、パワーデバイス実装の観点から実装構造の検討および信頼性の評価を行います。これによって、構造最適化サンプル(デザインサンプル)そしてエンジニアリングサンプルを製作して、世の評価を得ます。
(3) 事業化検討
  パワー半導体素子としてのGaN SBDやMOSFETの特長を踏まえ、既存のSiデバイスやSiCデバイスに対して優位性を見出せる適用市場を調査、検討します。また、その応用分野で要求される素子の仕様、要求コストを明確にして、素子の開発目標に反映させると共に、どのような事業を展開すべきかを提言いたします。
5. 技術研究組合のスケジュール
平成21年度: 600V耐圧SBDの原理試作とプロセス課題抽出
MOSFETの構造検討と原理試作
平成22年度: SBD、MOSFETの構造最適化サンプル製作
平成23年度: エンジニアリングサンプルの製作と量産ラインの検討


※1 SBD:ショットキーバリアダイオード
  金属と半導体との接合によって生じるショットキー障壁を利用したダイオード。
PN接合ダイオードと比べ、電圧降下が低く、スイッチング速度が速いという特長を持つ。
※2 エピタキシャル結晶成長
  薄膜結晶成長技術のひとつ。基板となる結晶の上に結晶成長を行い、下地の基板の結晶面にそろえて配列する成長の様式である。
今回窒素ガリウム(GaN)では、シリコン基板上にバッファー層を入れ、その上にGaNのエピタキシャル成長を行う。


以  上




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