ニュースリリース
第7世代「Xシリーズ」IGBTモジュールのサンプル出荷開始について

2015年8月5日
富士電機株式会社

富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、パワー半導体の新製品として、第7世代「Xシリーズ」IGBT(注1)モジュールのサンプル出荷を8月より開始しますのでお知らせいたします。
(注1): Insulated Gate Bipolar Transistor(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)

1.背景
 IGBTモジュールは、モータ駆動用インバータや無停電電源装置(UPS)、風力・太陽光発電設備用パワーコンディショナなどの産業用機器に搭載され、省エネや電力の安定供給を実現するためのキーデバイスです。市場規模は2016年に約4,262億円、以降年率6.0%で成長することが予測されています(出典:WSTS)。
 近年、世界的なエネルギー需要の拡大を背景に、様々な分野で適用される産業用機器に対して省エネへの要求が高まっています。また、工場などの生産現場では、設備・機器の小型・省スペース化および高信頼性が強く求められています。
 本モジュールはこうしたニーズに応える新製品であり、1,200V耐圧製品からサンプル出荷を開始し、順次650Vおよび1,700V耐圧製品のラインナップを拡充していきます。

2.製品の特長
(1)電力損失を低減し省エネに貢献
 本モジュールを構成するIGBT素子およびダイオード素子の厚みを薄くし微細化することで、素子構造を最適化。これにより、従来製品(当社第6世代「Vシリーズ」)に比べてインバータ動作時の電力損失を低減しました。搭載機器の省エネと電力コスト削減に貢献します。

(2)機器の小型化を実現
 新たに開発した絶縁基板を適用し、モジュールの放熱性を向上。上記(電力損失低減)と併せて発熱を抑制することで、従来モジュールに比べて約36%の小型化(注2)を達成しました。さらに連続動作時の最大保証温度を従来の150℃から175℃にすることで、搭載機器のサイズを維持しながら出力電流を最大35%(注3)増やすことが可能となります。これらにより機器の小型化およびトータルコスト削減に寄与します。
(注2):1,200V 75A PIM製品における実装面積比
(注3):当社試算値

(3)機器の信頼性向上に寄与
 モジュールの構造や使用材料を見直し、高温動作時の安定性や耐久性を高めました。搭載機器の信頼性向上に寄与します。

1,200V 75A PIM製品

3.製品仕様

4.製品に関するお問い合わせ先
 富士電機株式会社 営業本部 半導体統括部 営業第一部
 03-5435-7152


【参考】ラインアップと主な仕様

PIM: Power Integrated Modules, 複数回路を一つのモジュール内に収めた製品
EconoPIMTM, EconoPACKTM, PrimePACKTMはInfineon Technologies社の登録商標です。

以上