ニュースリリース
北米の鉄道車両事業拡大に向けた鉄道車両用ドア開閉装置メーカーの買収について

2016年1月28日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、米国子会社である富士電機アメリカ社が、カナダの鉄道車両用ドア開閉装置メーカー「SEMEC Electromecanique Inc.(以下、SEMEC)」の株式の51%を譲り受ける旨合意しました。当社は今回の買収で、北米における鉄道車両事業の拡大を図ります。

1.背景とこれまでの取り組み

 現在、世界の鉄道需要の高まりに伴い鉄道車両市場が拡大しており、なかでも市場規模の大きい北米は年平均3.7%(注1)の成長が予測されています。北米においては、特に都市鉄道の更新需要の拡大が見込まれ、当社は今後5年間、既存車両13,000両のうち、年平均1,000両の置き換えが生じると予測しています。
 当社は鉄道車両事業において、ドア開閉装置、プロパルジョン(モータ,インバータ)、補助電源装置など電機品の製造販売を手掛けており、注力地域である北米市場においては、ニューヨーク市交通局、ワシントン首都圏交通局、ソノマ・マリン地区鉄道公社向けなどにドア開閉装置の納入実績があります。さらに、ワシントン地下鉄向けには補助電源装置も納めています。

(注1)

:2011から2013年の年間平均から2017年から19年の年間平均の伸長率(UNIFEレポート2014)

2.買収の狙い

 SEMECは、鉄道車両用ドア開閉装置の専業メーカーで、開発から製造、販売まで一貫して行い、北米において数多くの納入実績を有しています。
 今回の買収で、当社はSEMECのドア開閉装置に富士電機の設計・生産技術力を付加し、製品力を強化するとともに、同社がニューヨークに構える製造子会社を活用することで、バイ・アメリカン法(ないしはニューヨーク州における同様の法令)(注2)にも対応します。これにより、北米における鉄道車両用ドア事業の拡大を図ります。
 当社は、2015年5月に米国バージニア州にパワーエレクトロニクス機器の工場を新設し、今年1月から鉄道用補助電源装置の生産を開始しています。SEMECの販売チャネル、アフターサービスも含めたエンジニアリング力も活用しながら、北米及び日系の鉄道車両メーカーに対して、ドア開閉装置、プロパルジョン、補助電源装置など現地向け商材を提供していきます。
 これらにより当社は、北米における鉄道車両事業で、2020年度に現在の4倍となる売上高100億円を目指します。
 なお、当社は北米に加え、アジア、日本を注力市場とし、鉄道車両事業として、2020年度に売上高200億円を狙います。

(注2)

:一定割合の米国(ないしはニューヨーク州)で生産された部品の使用や現地組み立てを義務付けるもの

3.出資対象会社の概要

4.本出資の概要

■本出資後の出資構成図

以上