
研究開発の取り組み
「パワーエレクトロニクス技術」を中心に「半導体」「回路」「制御・計測」など、当社が得意とするコア技術を徹底強化するとともに、次代を見据えた創エネ技術と、電気や熱エネルギーを最大限効率的に利用する省エネの技術開発に注力しています。
2011年度の主な研究開発成果は次のとおりです。
高機能積算線量計「DOSEe」と食品放射能測定システム
東日本大震災を契機として、放射線量計の需要が拡大しています。当社は、放射能検出感度を大幅に向上したシリコン半導体検出器とこれを適用した放射線量計を開発しました。
ハンディタイプとしては、国内で初めて、一定期間内の放射線の総量「積算放射線量」と単位時間当たりの空間放射線量「放射線量率」を同時に測定できます。
また、ダンボールなどに梱包したまま、連続的かつ簡単に測定できる食品放射能測定システムを開発しました。食品の放射線量が基準値以下であるかどうかを、約12秒という短時間で判別できます。

ハンディタイプとしては、国内で初めて、一定期間内の放射線の総量「積算放射線量」と単位時間当たりの空間放射線量「放射線量率」を同時に測定できます。
また、ダンボールなどに梱包したまま、連続的かつ簡単に測定できる食品放射能測定システムを開発しました。食品の放射線量が基準値以下であるかどうかを、約12秒という短時間で判別できます。


国内初※1、SiC-SBD※2搭載 産業用インバータ
産業用インバータは、省エネへのニーズの高まりから世界中で需要が高まっています。このようななか、当社は、SiC(炭化ケイ素)-SBDを搭載した産業用インバータを開発しました。SiCデバイスを搭載した産業用インバータとしては、国内初の製品となり、Si素子を採用した当社従来品と比べて20%以上の消費電力削減を実現しています。
※1 2011年4月現在。当社調べ。
※2 SBD:Schottky Barrier Diode
世界最高効率※のメガソーラー用パワーコンディショナ「PVIシリーズ」
再生可能エネルギーの供給源として、メガソーラー(大規模太陽光発電所)の建設が世界各地で計画されています。当社は、メガソーラーに最適な高効率・大容量を実現したパワーコンディショナを開発しました。単機容量1,000kWを実現したことで設置台数を抑制でき、独自技術である新3レベル変換回路の適用により、世界最高効率98.5%を実現し、エネルギーロスを最小限にしました。スイッチギア、変圧器など基本となる機能をパッケージ化したことから据付工事・組立作業を短縮化しています。
※ 2012年4月現在。当社調べ。
空調・水処理システム専用インバータ「FRENIC-HVAC/AQUA」
成長著しいインドやASEANなどのアジア諸国では、空調・水処理インフラの増加に電力供給が追いつかず、ファン・ポンプのインバータ制御による省エネが急速に進んでいます。当社は、防塵・防水構造に対応し、専用機能を内蔵した、空調・水処理システム専用のインバータを開発しました。
スリム設計により、アジアや欧州市場で主流となっている壁付け使用に対応しています。
また、温度センサ、調節計等の入力インターフェースなど、空調機や給・排水設備のファン・ポンプに要求されるさまざまな機能を標準搭載しています。
業界最高レベルの低損失を実現したMOSFET※「Super J-MOSシリーズ」
グリーン化が進むIT分野や新エネルギー分野などでは電力変換の高効率化を実現するパワー半導体に注目が集まっています。そのなかの主力デバイスの一つにMOSFETがあります。当社は、低オン抵抗特性を持つスーパージャンクション構造を新たに採用し、業界最高レベルの低損失を実現したMOSFETを開発しました。当社従来品と比べ14%の消費電力削減を実現しています。
※ MOSFET:Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor
ハイブリッドヒートポンプ搭載の極省エネ自動販売機
自動販売機は、街中などで手軽に飲料を買うことのできるものとして広く設置されており、昨今の節電志向のなかで電力消費量の削減が求められています。このようななか、庫内と大気の熱利用を切り換えるハイブリッドヒートポンプ方式と温度変化に合わせて冷媒の流量を最適に制御する新冷却システムを採用した極(きょく)省エネ自動販売機を開発しました。当社従来品(2011年度機)と比べ、最大で約40%の消費電力削減を実現しています。
次代の省エネを担うパワー半導体「オールSiCモジュール」と「パワーコンディショナ(PCS)」の開発
工場のロボット、データセンターのサーバー機、ハイブリッド自動車、太陽光・風力発電などさまざまな装置の省エネに貢献するとともに、装置の小型化、軽量化に役立つパワー半導体。
富士電機は、従来のシリコンと比べ、大幅な装置の省電力化、小型化を実現する「オールSiCモジュール」とこれを搭載した「PCS」を開発しました。
●SiC の特性を発揮する、独自のパッケージ構造を開発
富士電機は、SiC(炭化ケイ素)が持っている優れた耐熱性と耐久性を最大限に活かすために、最適な構造を追求した、SiC新パッケージ構造を新たに開発しました。
半導体チップの基板実装に、アルミワイヤではなく、銅ピン接続を採用したことで大きな電流を流すことが可能となり、シンプルな構造としたことで、小型化を実現しました。また、パッケージ樹脂を、従来のシリコーンゲルから高い耐熱特性を持つエポキシ樹脂に変更し、モジュールの高温動作・高信頼性を実現しています。
富士電機は、SiC(炭化ケイ素)が持っている優れた耐熱性と耐久性を最大限に活かすために、最適な構造を追求した、SiC新パッケージ構造を新たに開発しました。
半導体チップの基板実装に、アルミワイヤではなく、銅ピン接続を採用したことで大きな電流を流すことが可能となり、シンプルな構造としたことで、小型化を実現しました。また、パッケージ樹脂を、従来のシリコーンゲルから高い耐熱特性を持つエポキシ樹脂に変更し、モジュールの高温動作・高信頼性を実現しています。

太陽光発電用パワーコンディショナ
オールSiCモジュール●オールSiCモジュールにより、装置の大幅な省電力化、小型化を実現
この新構造のパッケージに「SiC−MOSFET」「SiC−SBD」を実装し、大幅な消費電力削減を可能とする当社初のオールSiCモジュールを開発しました。
本モジュールを搭載し試作した太陽光発電用のPCSでは、家庭用の一般的な製品と比べて、消費電力を75%削減しました。また、装置の大きさは4分の1と大幅な小型化を実現しています。
今後、当社のインバータやUPSなどのパワエレ機器への搭載を進め、社会の省エネルギー化に貢献していきます。
この新構造のパッケージに「SiC−MOSFET」「SiC−SBD」を実装し、大幅な消費電力削減を可能とする当社初のオールSiCモジュールを開発しました。
本モジュールを搭載し試作した太陽光発電用のPCSでは、家庭用の一般的な製品と比べて、消費電力を75%削減しました。また、装置の大きさは4分の1と大幅な小型化を実現しています。
今後、当社のインバータやUPSなどのパワエレ機器への搭載を進め、社会の省エネルギー化に貢献していきます。
開発担当者の声
電力変換効率と、サイズ、コストのバランスを徹底的に追求しました
(左)技術開発本部
電子デバイス研究所
次世代デバイス開発センター
木村 浩
(右)
技術開発本部
製品技術研究所
パワエレ技術開発センター
松本 康
今回の「オールSiCモジュール」と「PCS」の開発により、今後、SiCモジュールを搭載したパワエレ機器を開発するうえで、基本となる技術を確立したことに
なります。
これらは、パワー半導体とパワエレ機器の双方の技術者が、一致協力して設計に携わった成果だと考えています。装置として組み上げたときに、SiCモジュールの特性が理論通りに出るか検証することが必要です。
そのため、装置の電子回路基板やノイズフィルタなども含めて、装置がどのように動作するか総合的に検証しました。
このような検証を踏まえて試作したのが、太陽光発電用のPCSです。この試作機の設計とあわせ、今回の新パッケージによるオールSiCモジュールを開発することができました。
ここに辿りつくまでは長い道のりでしたが、SiCモジュールと、これを搭載した装置の早期の製品化に向け、開発を進めていきます。
これらは、パワー半導体とパワエレ機器の双方の技術者が、一致協力して設計に携わった成果だと考えています。装置として組み上げたときに、SiCモジュールの特性が理論通りに出るか検証することが必要です。
そのため、装置の電子回路基板やノイズフィルタなども含めて、装置がどのように動作するか総合的に検証しました。
このような検証を踏まえて試作したのが、太陽光発電用のPCSです。この試作機の設計とあわせ、今回の新パッケージによるオールSiCモジュールを開発することができました。
ここに辿りつくまでは長い道のりでしたが、SiCモジュールと、これを搭載した装置の早期の製品化に向け、開発を進めていきます。

