ニュースリリース
再生可能エネルギーの普及拡大に向けて 産業用大容量IGBTモジュール「HPnCシリーズ」を発売

産業用大容量IGBTモジュール「HPnCシリーズ」を発売 PDF ( PDF(188KB))

2024年4月5日
富士電機株式会社

富士電機株式会社は、太陽光発電システムや風力発電システム用の電力変換装置など向けに、新シリーズとなる産業用大容量IGBT(注)モジュール「HPnC」シリーズを発売しますのでお知らせいたします。

(注)Insulated Gate Bipolar Transistor

1.背景

「HPnC」シリーズ

 脱炭素社会の実現に向けて、太陽光や風力など再生可能エネルギーの更なる普及拡大が求められるなか、発電コストの低減が課題となっています。
 IGBTモジュールは、インバータやパワーコンディショナ(PCS)などの電力変換装置に搭載され、電気のオン/オフ(スイッチング)により、周波数や電圧を変える役割を担います。
 今般当社は、太陽光発電システムにおいて電力変換を担うPCSや風力発電システム用の電力変換装置など向けに、産業用大容量IGBTモジュール「HPnC」シリーズを発売します。
 本製品は定格電流、定格電圧を高めることで、本製品が搭載される電力変換装置の出力向上と小型化を実現し、発電コストの低減に貢献します。

2.特長

①電力変換装置の出力を向上。装置の設置数削減や太陽光パネルの敷設面積拡大に貢献
 最新世代のIGBTチップの搭載に加え、モジュール内部の端子配置やチップレイアウトの最適化、高放熱部材の適用により、単位面積あたりの電流密度を高めることで、モジュールのサイズはそのままに、業界最大クラスとなる1800Aの定格電流を実現しました(当社従来品比で約8割増加)。電力変換装置1台当たりの出力が向上することで設置台数を減らすことができます。また太陽光発電においては、太陽光パネルの敷設面積を拡げるといった運用も可能です。これらにより発電効率の向上や発電コストの低減に貢献します。

②2300V耐電圧製品でDC1500Vに対応。電力変換装置の部品点数の削減に貢献
 大規模発電システムとの連系や電力変換効率の向上などを狙いに、電力変換装置の高電圧(DC1500V)化が進んでいます。
 DC1500Vの電力変換装置に搭載するIGBTモジュールに必要な定格電圧は2000V以上であり、これに対応するために定格電圧1200Vまたは1700VのIGBTモジュールを2個直列接続することが一般的です。
 今般、IGBTチップとFWD(注)チップの耐圧構造を最適化し、定格電圧を2300VとするIGBTモジュールをラインアップしました。本モジュール1個でDC1500Vの電力変換装置に対応でき、IGBTモジュールの搭載数や周辺回路における配線などの部材を減らすことで電力変換装置の小型化が可能です。これにより発電コストの低減に貢献します。
(注)Free Wheeling Diode

3.主な仕様

4.発売時期

2024年6月

5.製品に関するお問い合わせ先

富士電機株式会社 半導体事業本部 営業統括部 営業第一部
☎03-5435-7152
【製品ホームページ】
https://www.fujielectric.co.jp/products/semiconductor/model/power_modules/igbt/2pack.html

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先、価格等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。あらかじめご了承ください。