生産設備・ユーティリティ設備の予防保全
環境診断・劣化診断サービス

概要

情報処理装置や制御機器の信頼と寿命を左右するのは、設置環境と言っても過言ではありません。機器が受ける様々な環境要因はストレスとなって蓄積され、電子部品の性能低下やプリント基板の腐食劣化というような症状が現れます。
環境診断では、人間の感覚に頼らない正確な環境測定を行い、情報処理装置や制御機器の信頼性や寿命に影響を与える環境因子を調査し、劣化診断では、機器の劣化状態を見極め、電子部品の特性劣化から余寿命を推定し、適切な予防交換時期の推奨や最適なリフレッシュ方法を提案するための診断サービスです。

1.設置環境の影響
温湿度測定例

環境要因には、温度、湿度、塵埃、腐食性ガス等があり例えば、使用温度範囲が5~40℃の機器を常時35℃で使用すると25℃で使用した場合に比べて故障率は2倍近くになる と言われています。(10℃2倍則)高湿度下では温度変化により、結露現象による間欠故障を誘発しかねません。また、塵埃の付着や沈積は、エアフィルタの目詰まりを起こし装置内部の温度を上昇させたり、吸湿による絶縁低下を招く原因となります。さらに腐食性ガスの存在は湿度との複合作用により電子部品の基本材料である銅、銀、金などを腐食させる原因となります。

塵埃による不適合例

腐食性ガスによる不適合例

腐食性ガスによる不適合例

(1)亜硫酸ガス0 ~ 5 ppb(目安濃度)
(2)硫化水素ガス1 ~ 7 ppb (目安濃度)
(3)塩素系ガス0 ~ 5 ppb(目安濃度)

2.環境診断

測定項目と期間

沈積塵埃成分分析結果例

3.劣化診断

現地診断

お客様設備定修等に併せ、プリント基板をサンプリングしマイクロスコープにて塵埃の付着や沈積状態、腐食状態を調査します。また塵埃除去のための清掃を実施します。

引取り診断

汚れや腐食が目立つプリント基板を引取り、工場にて調査を実施します。

調査内容

  • プリント基板上の塵埃沈積、付着状態、腐食の有無

  • IC端子部の析出物質(ウィスカ)やカビ、腐食の有無

  • プリント基板上の塵埃、腐食性物質の組成分析

  • アルミ電解コンデンサの容量とtanδ測定

  • ICの特性検査、開封調査(オプション)

IC開封調査例