富士電機

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THE SWITCH

Vol.16 いつもとは違う臭いがする?原因と対策は
「こんな時どうする?」-異臭編-

電磁開閉器に限らず、モノつくりの現場に機器の異常は起こりうるもの。安全に現場を稼働させるためにも、思わぬメンテナンスコストを発生させないためにも、大切なのは正しい保守点検の知識を持っておくこと。というわけで、「こんな時どうする!?」というケーススタディを異常の事例別にご紹介。
今回は「異臭」に着目。突然現場にいつもと違う臭いが発生したときに慌てないよう、基本となる知識をおさらいしておきましょう。

焦げた臭いがしたらすぐ交換を!
マグネットスイッチの焼損についてご紹介します。

マグネットスイッチから焦げた臭いがする場合は、大きく分けて2つの要因があります。1つ目は異常使用によるもの、2つ目は長期連続使用により正常に寿命を迎えるものによるものです。
今回は、異常使用によって引き起こされる制御コイルの焼損と主端子部の焼損についてご紹介します。

ケース1:制御コイル焼損の場合、
原因は大きく3つ。

制御コイルが焼損している場合、以下の原因が考えられます。

その1:「電源電圧が低下したり、コイルに異物が侵入して電磁石にうまく電圧がかけられていない」
その2:「コイルにかけられる電圧が高すぎる/低すぎる」
その3:「ON/OFFが短時間に繰り返される“チャタリング”が起きている」

いずれの場合も、コイルの定格電圧の範囲内で使用されているかを確認することや、異物混入を避けるための配慮などが対策としてあげられます。
制御コイルの焼損を発見したら、コイル電圧が正しい数値かどうか、設置場所周辺の環境に問題がないか(異物混入のリスクがないかどうか)、回路電圧の変動がないかを確認しましょう。

マグネットスイッチに正常な電圧がかかっていないことで焼損したコイルの例

マグネットスイッチに正常な電圧がかかっていないことで焼損したコイルの例

ケース2:主端子部が焼損した原因は、
ねじの緩みが原因かも?

主端子部の焼損は、ねじ締めが不完全なことが原因と考えられます。
この場合、電流値の変化が少ないので過電流検出の保護機器(ブレーカなど)が動作せず、焼損に至るまでの時間が長くなるため、マグネットスイッチへのダメージが大きくなることもあります。

しっかり締めたつもりでも、知らぬ間にマグネットスイッチに振動が加わり、ねじは必ず緩んでいきます。そのため、こまめな増し締めとメンテナンスが大切です。

正しいねじ締付けトルクは技術資料(「11-3-6.接続」参照)に記載しているので合わせてご参照ください。
技術資料はこちら

端子部が焼損したマグネットスイッチの例

端子部が焼損したマグネットスイッチの例

そもそも「ねじを使わない」という選択肢も。

メンテナンスを行っていても、ねじの緩みは必ず起こるものです。そこで、ねじを使わずに配線できる製品をご紹介します。それが、スプリング端子機器「F-QuiQ」です。

F-QuiQはドライバーを使わずにワンアクションで配線することができます。ねじを使用していないため、ねじの緩みによる焼損の心配がなく、また、メンテナンス時の増し締め作業を削減することもできます。
ぜひ「合わせて読みたい」のリンクからご参照ください。

スプリング端子機器 F-QuiQ

スプリング端子機器 F-QuiQ

今回の記事でご紹介した対策方法はどれも当たり前のことですが、見落としがちな部分でもあります。マグネットスイッチは10年を目安に交換を推奨しているため、お使いの装置や盤に入っているマグネットスイッチがどのような状態かもあわせて確認しておきましょう。
また、メンテナンスのために分解をする場合は、分解方法を動画で紹介している記事もありますのでぜひご覧ください。

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