環境・社会・ガバナンス
お客様満足の向上

ESG 環境・社会・ガバナンス

お客様満足(CS)に対する基本的な考え方

富士電機は、お客様のニーズに応える技術開発、ものつくりを推進し、安全・安心で品質の高い製品・サービスを「総力を挙げて」提供するとともに、お客様には誠実に対応し、その声を製品・サービスの改良に反映することでお客様満足の実現に取り組んでいます。

CS向上の体制

事業セグメントによりお客様が異なることから、事業セグメントごとにグローバルなサービス体制を構築しています。

アフターサービスの枠から事業領域を拡大して、お客様が抱える問題を当社の製品や技術で解決へ導くソリューションサービスを目指すCS推進活動を実施し、お客様満足の向上を推進しています。

グローバルなサービス体制の強化

当社は、経営方針に「エネルギー・環境関連事業の拡大」「グローバル化」を掲げ海外事業強化に向け、現地完結型ビジネス基盤の整備を推進しています。

パワエレ部門では、フィールドサービス統括部と東南アジアのサービス部門のハブである富士電機マニファクチャリング(タイランド)社エンジニアリングセンター内のグローバルサービス部門とが連携し、東南アジア各国のナショナルスタッフへの教育、サービス商材の提供、各プロジェクトへの支援等、海外サービスの拡大に努めています。さらに、2023年度からはコンポーネントサービスとの連携、東南アジア以外のエリア(中国、韓国、台湾、インド)へのサービス活動の見える化の推進も方針として加わり、海外サービスの拡大を強化します。

半導体部門では、より迅速にグローバルなサービスを提供するため、中国シンセン及び欧州ドイツにコールセンターを設置しています。海外コールセンターは、お客様からのお問い合わせや障害調査依頼に対し、販売拠点や工場と連携し迅速に対応することを目的としています。中国コールセンターではエアコン用IPM製品を含む産業用モジュール製品を、欧州コールセンターでは産業用モジュール製品に加え、電装用モジュール製品の調査・解析を行い、地域完結のサービス体制強化に貢献しています。

発電プラント部門では、お客様に密着した海外での火力・地熱事業のサービスを提供するために、米国、フィリピン、ベトナム、インドネシア、中東の各拠点での営業・技術対応体制の拡充、お客様ニーズの抽出とご提案機会の創出を強化する取り組みを継続的に推進しています。タービン発電機メーカとしての知見・実績を持つ当社の強みと海外サービス事業会社のノウハウを活用し、サービスのオンショア・オンサイト化を継続推進しています。

食品流通部門では、タイを中心とした自販機の事業展開を進める中、サービス体制の現地化に向け、修理履歴を管理するシステムの導入を図り、修理履歴の分析結果を活用することでサービス品質の向上、サービス対応の迅速化に取り組みCS向上を推進しています。

CS向上の取り組み

お客様のお問い合わせに関する対応

セグメント別お客様対応
【パワエレ部門】

プラントシステム全体については、富士電機コールセンターにて、お客様からのお問い合わせに対応しています。災害発生時にも受付業務が停止することがないよう、東京工場地区と神戸工場地区の合計2か所で運用しており、電話とウェブサイトを通じて、24時間、365日の体制で、お客様からの緊急対応の要請に迅速に対応しています。

富士電機コールセンターでは、お客様が安心してお問合せいただけるよう、オペレータ全員がコンタクトセンター検定を受験し、応対品質の向上に継続して取り組んでいます。また、「お客様ファーストコンタクト時間の短縮」を目標に掲げ、全国のフィールドサービス部門と協力して、スムーズなお客様対応に取り組んでいます。

2022年度の受付件数は前年度比509件減少の7,922件となりました。また、海外からのお問い合わせ(ウェブサイト経由)は、110カ国より1,348件のお問い合わせがありました。

コンポーネントについては、技術サービスセンターにインバータ・サーボシステム・回転機・HMI・PLC・計測機器・小型電源、全てのコンポーネントのお問い合わせ窓口を集約し、プレサービス~アフターサービスの強化を通じて、お客様サービスの向上を進めています。

技術サービスセンターでは、お問い合わせに要するお客様の時間と手間を削減することを目的に、頻出する質問事項をFAQとして社外ホームページに公開しています。2022年度はインバータMEGA(G2)のコンテンツ74件、動画コンテンツ23件を追加しました。その結果、FAQのアクセス件数は増加し、技術相談コール受付件数は減少傾向にあり、技術プロモーションの施策効果が現れています。

さらなるお客様満足の向上にむけFAQ対応機種拡充・レベル向上を目指すとともに、チャットボット等のDX技術の活用を通じて質の高いサービスの提供を推進していきます。

2022年度のコールセンターの受付件数(システム)
2020年度のコールセンターの受付件数(コンポーネント)
2022年度の技術サービスセンターの受付件数(コンポーネント)
2020年度のコールセンターの受付件数(コンポーネント)
【半導体部門】

お客様からのお問い合わせはウェブシステムの活用により、窓口の営業部門と工場間で情報を共有し迅速な対応が図れる体制としています。お問い合わせ内容については、都度対応を図るとともに関連部門と情報を共有し、工程改善や新製品の品質向上に活用しています。また、お問い合わせ内容をデータベース化し、類似案件への回答の参考とすることでお客様対応時間の短縮、回答内容の充実に活用しています。なお、お問い合わせの削減に向けて、製品の使用方法のお問い合わせ分析結果を基にアプリケーションマニュアルに反映し、当社ホームページにて開示しています。

2022年度のお問い合わせ件数(技術的な調査依頼案件)は1,595件ありました。
2023年度は前年度比5%削減することを目標にしています。

2022年度のお客様からの問い合わせ件数(海外コールセンター含む)
2020年度のコールセンターの受付件数
モジュール製品:IGBTモジュール、IPM(Intelligent Power Module) 等
IC製品:電源IC、車載用パワーIC、圧力センサ 等
ディスクリート製品:MOSFET、IGBT、バイポーラトランジスタ、ダイオード 等
【発電プラント部門】

取り扱い機種がプラント設備のためお客様および納入先が特定できることから、案件毎にお客様・営業部門・技術部門の連絡体制を確立しており、突発事項に対して迅速に対応しています。また、一般のお客様から設備・製品に関する技術的なお問い合わせやご要望がコールセンターに入った際は、それぞれの機種毎に複数の対応者を定めて応対しています。

2022年度のコールセンターへのお問い合わせ件数は398件で、前年度から11件増加しました。

2022年度のコールセンターの受付件数
2020年度のコールセンターの受付件数(コンポーネント)
【食品流通部門】

修理受付窓口とお問い合わせ窓口を東京八丁堀事務所に集約し、コールを受けています。コールセンターの人員にて修理受付・お問い合わせの1次対応を行っております。技術相談は、Web問合せ(2021年4月より)にて、お問合せ内容に対する資料送付やお客様との対応履歴(メール回答)をフィールドサービス課員にて引き続き対応しております。

コール対応は、個々のノウハウ・知識・情報の共有を図るために当社独自のナレッジ検索システムを導入しています。また、一部実機を配備し、お問い合わせの際、現地と同レベルでの会話が出来るような対応を行っております。技術支援ツール「チャットボット(2021年9月導入)」にも日々情報追加による充実を図り、画像・動画等の解説から速やかな現場復旧サポートに努めております。

2022年度のコールセンター受付件数は、自動販売機・店舗・金銭機器トータルの件数は、593,611件でした。そのうち、修理・定期点検等の対応が545,281件、お問い合わせ対応が48,330件でした。また、技術webサポート含めたお問い合わせ対応でフィールドサービス課員が対応した技術サポート件数が、年間13,175件ありました。

2022年度のコールセンターの受付件数
2020年度のコールセンターの受付件数
自動販売機:缶・カップ・たばこ・アイス他
金銭:釣銭機 等
店舗:ショーケース、他店舗機器

お客様満足度向上の取り組み

【パワエレ部門】

富士電機コールセンターでは、お客様に安心してお問い合わせいただけるよう、お客様情報を扱う部門として、2005年から情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しています。2022年度は定期審査を受審し、日々改善を行いながらISMSの維持・向上を図っています。また、富士電機グループの各問い合わせ窓口と定期的に連絡会を開催し、相互連携を強化しています。特にお客様対応状況や課題などを共有することにより、受付品質の向上に向けて取り組んでいます。

コンポーネントのお問い合わせに対応する技術サービスセンターでは、専属の1次オペレータと技術スタッフの2次オペレータの体制で対応し、つながり易さを示す応答率(応答数/受電数)は、98.4%と高い水準を維持しています。また、お客様からのお問い合わせに対するオペレータの迅速かつ丁寧な対応に向けた社内教育を拡充し、更なるお客様満足の向上に取り組んでいます。

【半導体部門】

お客様との技術会議、品質会議を通じて、お客様と一体となった製品・サービス改善活動を推進することにより、お客様満足度を向上させる取り組みを行っています。

【発電プラント部門】

お客様の様々なご要望にお応えするため、営業部門・技術部門・製造部門が一体となり、省人化、延命化、高効率化、稼働率改善などの取り組みを推進しています。また、設備稼働率改善に向け劣化診断・余寿命診断等の多様なサービスメニューを提供すると共に、設備のトラブルや地震・風水害による事故が発生した場合は、迅速、かつ的確に対応できる体制を構築しています。

【食品流通部門】

コールセンター人員・フィールドサービス人員へ研修会・情報共有を行っています。新機種を含めお問い合わせが多くなると予想される内容や、お問い合わせが増えてきた内容については、いち早く情報共有を実施しています。また、お客様からのお問い合わせに迅速かつ、的確に対応できるよう定期的に研修会を行っています。なお、研修会につきましては新型コロナウィルス感染拡大防止に努め、Web活用によるオンライン研修を更に活用し、少人数制(複数回実施)による対応を行っております。

お客様と進めるCSR

販売パートナーとの取り組み

富士電機は、販売パートナーである特約店様を含めた営業活動全体でのCSRを推進しています。バリューチェーンで重要な一役を担う特約店様向けに、CSRについての概要をはじめ富士電機のCSRの考え方やバリューチェーンでCSRに取り組むことの重要性について理解を深めていただいています。2022年度も例年どおり、当社方針説明会や製品研修会、情報交換会を開催し、品質確保の取り組みや環境負荷の少ないものつくりを理解していただき、当社の製品を販売することが社会への貢献につながることを認識していただきました。