ソリューション・事例
80年以上前から続く水力発電システムで、クリーンエネルギーの普及に貢献
「水力発電」は、CO2排出量が少ないクリーンなエネルギー
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(注1)
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図中のLC-CO2排出量は、技術カテゴリ毎に算出した生涯発電電力量あたりのLC-CO2排出量を、各技術カテゴリに属するプラントの2008年度末の総設備容量で加重平均した「電源別平均LC-CO2排出量」である
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(注2)
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原子力は、使用済燃料再処理、プルサーマル利用、高レベル放射性廃棄物処分等を含めて算出
水力発電とは、水が高いところから低いところに流れ落ちる力(落差)を利用して水車を回し、水車につながった発電機を回転させて電気をつくる発電方法です。
現在主なエネルギー源として使用されている石油や石炭などの化石燃料の大量消費は、CO2(二酸化炭素)を発生し、地球温暖化を加速させてしまう原因のひとつでもあります。そうしたなか、水力発電は、CO2の排出量が最も少ないクリーンエネルギーの一つとして、世界的に注目されています。また、貯水式や揚水式の水力発電の場合、太陽光や風力など他の再エネが気象条件に左右されるのに比べて、渇水のリスクをのぞけば、自然条件によらず安定して発電ができること、発電量の調整ができることが特長で、「ベースロード電源」や「ピークロード電源」として重要な役割を担っています。
80年以上前から続く
富士電機の水力発電システム、国内431カ所に納入
富士電機の水力発電システム、国内431カ所に納入
富士電機 水力発電システムの歴史
1925 |
当社初の水力用発電機の納入 |
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1936 |
水力発電システム(水車、発電機など)の設計・製造・販売を開始 当社初の水車の納入 |
1938 |
ドイツ/Voith社と水車製造・販売に関する技術提携を開始 |
1958 |
当社最大容量のペルトン水車・発電機の納入 |
1973 |
当社最大容量のカプラン水車・発電機の納入 |
1977 |
当社最大容量のフランシス水車・発電機の納入 |
1982 |
当社最大容量・高落差のバルブ水車・発電機の納入 |
1997 |
水力事業分野で、ドイツ/Voith社と富士電機が合弁会社(富士・フォイトハイドロ社)を設立 |
2013 |
世界最大容量の立軸バルブ水車・発電機の納入 |
2018 |
水車更新により、合計2,300kWの発電出力向上に成功
秋葉第一発電所、24,200KW 立軸フランシス水車・発電機×2台
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富士電機は、1936年から水力発電システムの設計・製造・販売を行っています。創業当時から続く「回転機」の技術を発電機の設計・製造に生かすとともに、水車製造技術に強みがあり、水力発電設備において世界シェア1位であるドイツ Voith社と1938年から技術提携を実施。
水車、発電機、制御装置、および補機などを組み合わせた水力発電システムの設計、製作、工事施工・試験やアフターサービスまで幅広く扱い、一般的に開発が難しい低落差、大流量の地点への対応や技術開発を中心に、お客様課題の解決に取り組んできました。
こうした取り組みを推し進め、これまでに国内431箇所(4.8GW)に水力発電システムを納入し、国内シェア(注1)第3位(22%)を確立しています。2018年度は、101万トンのCO2削減に貢献しており、これは225万世帯の1ヶ月分のCO2排出量(注2)に相当します。
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(注1)
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:国内水力発電所1,957箇所中
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(注2)
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:出典)温室効果ガスインベントリオフィス全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)、「2018年度 家庭からの二酸化炭素排出量」から算出
強みは、「豊富なラインナップ」と「水車設計・製造技術」
1. 数kWから数十万kW級まで多様な水車・発電機をラインナップ
富士電機の強みは、多様な地点における実績を背景に、一般的なフランシス水車だけでなく、高落差向けのペルトン水車、低落差向けのカプラン水車、落差20m以下の超低落差向けバルブ水車など設置場所や出力に柔軟に対応できる水車・発電機を豊富にラインナップしている点です。大型水力発電所を開発可能なエリアが少なくなるなか、小規模発電所の開発を目指す電力会社と、数十kWクラスの出力帯・設置に対応したマイクロチューブラ水車を共同開発。2018年度までに国内外で約30件の納入実績があり、上下水道、農業用水、工業用水などを使用した小規模発電の普及にも貢献しています。
2. 高効率な水車を生み出す、設計技術
水車は、水力発電設備の発電効率に大きく影響します。より効率よく発電するためには、水車内に無駄なく水を流すことと、局部的な圧力低下に伴う飽和水蒸気(キャビテーション)による水車の摩耗を低減することが重要です。当社は、コンピュータ上での3次元の流れ解析・シミュレーションを採用し、これらを設計に活かしている点が強みです。
今までの実績から蓄積した多様な条件における模型水車の解析データを元に、新規の解析結果を補正・検証することで、効率的に水を流せ、キャビテーションを最小にした水車の設計につなげています。また、ドイツ Voith社の最新実験設備を使用し、模型水車の検証を行うことで、性能の精度を向上させています。
今後は、お客様設備運用の省力化を実現するメンテナンスフリーや環境に配慮した技術開発などに取り組み、地球環境の改善に貢献していきます。