ニュースリリース
世界初リチウムイオンキャパシタ適用 高圧瞬低対策装置:8000Hシリーズの発売について

2009年4月23日
富士電機システムズ株式会社

 富士電機システムズ株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:白倉三德)は、世界で初めてリチウムイオンキャパシタを搭載し、環境負荷低減並びに従来機に対し大幅な小型化を実現した高圧瞬低対策装置を開発し、本日より発売致します。

 IT機器の普及、需要拡大によるデータセンターの増強などにより、多くの電力を必要とするデータセンターの環境負荷低減、瞬時電圧低下(以下、瞬低)や停電時の設備全体の電力をバックアップする期待が高まっています。
 また半導体や液晶ディスプレイ、太陽電池のような高付加価値製品の生産ラインは、瞬時電圧低下(以下瞬低)や停電により多大な被害が発生します。それらの対策として、従来、低圧UPS(無停電電源装置)等さまざまな方法で、個別に対応してきましたが、設備規模が大きくなると対策に必要な設備費・維持費が高価となっていました。更に生産プロセスの高度化、自動化により、瞬低対策を要する負荷設備の範囲が広がってきており、製造設備全体で電力をバックアップする大規模な対策が求められるようになっています。
 これらの市場ニーズに応えるため、当社は2007年に15秒から最大5分までの瞬低から短時間停電までをカバーできる鉛蓄電池による高圧瞬低対策装置を発売致しました。
 しかし、鉛蓄電池は寸法が大きく、定期的な保守・交換作業と廃棄物処理を必要としていました。また、短時間停電までカバーできる装置へのユーザー側の要求も多く、これへの対応には次世代のより高性能なエネルギー蓄積装置の開発が必要でした。

 今回当社は、FDK株式会社(社長:小野 統造)と共同で、高圧瞬低対策装置用のリチウムイオンキャパシタモジュールを開発しました。リチウムイオンキャパシタは、従来使用されている電気二重層キャパシタに対し容量密度が2から3倍と優れており、キャパシタ盤の大きさを従来の半分以下とすることが可能となります。例えば、リチウムイオンキャパシタモジュールを適用することで、2秒バックアップのキャパシタ盤と同じ大きさで、10秒バックアップを実現することが可能となります。

1.特長

(1)

小型化、メンテナンス性の向上
世界で初めて、リチウムイオンキャパシタをエネルギー蓄積装置に適用し、各部に ユニット構造を採用することで、弊社従来比60%の小型化とメンテナンス性の向上 を実現しました。

(2)

環境負荷低減
本装置の採用により、装置消費電力低減だけでなく、装置発生熱の処理のための空調容量低減も可能となります。
また、リチウムイオンキャパシタの主要構成材料は活性炭とLiイオンプレドープした炭素を採用しており重金属は含まれておりませんので地球環境にやさしい製品です。

(3)

高効率化、高性能化
当社独自のワンパルス充電方式(特許出願中)の適用により、商用給電時の装置効率として99.3%を実現しました。
さらに高速停電検出と高速半導体スイッチの適用により、停電切り替え性能を大幅に改善し無瞬断切り替え(JEC-2433無停電電源システムクラス2)を実現しました。

(4)

長時間補償
リチウムイオンキャパシタの適用により、2秒から10秒までに長時間停電まで対応可能としました。
バックアップ時間を10秒とすることで瞬低から回線切替まで電力品質を維持することができます。

(5)

メンテナンスフリー(エネルギー蓄積装置)
長寿命のリチウムイオンキャパシタの適用により、エネルギー蓄積装置の寿命が15年程度交換不要となりました。

2.主な適用分野

(1)

グリーンIDC

(2)

半導体、液晶、太陽電池等の高付加価値製品の生産ライン等

3.概略仕様

4.発売時期

 即日

5.販売目標

 初年度:12セット(約20億円)、3年後:30セット(約50億円)

【お客様問合せ先】
 富士電機システムズ株式会社 産業プラント事業本部 第一統括部 施設電機技術部
 TEL:042-585-6486

以上