ニュースリリース
富士地熱バイナリー発電設備(2,000kW)の販売開始について

2010年5月10日
富士電機ホールディングス株式会社

 富士電機ホールディングス株式会社(代表取締役社長:北澤通宏)傘下の中核事業会社である富士電機システムズ株式会社(東京都品川区、代表取締役社長 白倉三德)は、富士電機グループの注力事業のひとつに掲げているエネルギーソリューションにおいて、地熱を利用したバイナリー発電設備を販売開始しました。
 地熱発電は一般的に150℃以上の地下からの蒸気でタービンを回し発電しますが、バイナリー発電は、これより低い温度の蒸気を熱源とし、沸点の低い媒体を蒸発させ発電します。
 富士電機グループは、1970年代から、東南アジア、ニュージーランド、アメリカ、アイスランドなど世界各地で地熱発電事業を展開し、地熱発電設備について豊富な納入実績を有しており、これらの経験を活かし、2,000kW標準機の商品化を完了しました。低沸点媒体を使用してタービンを駆動することにより、従来利用出来なかった低温度域の地熱エネルギーなどを利用した地熱バイナリー発電を、低炭素社会実現に向け、エネルギーの有効利用方法としてご提案してまいります。

1.特長

環境に優しく経済的

(1)

地熱発電は、石油などの化石燃料に比べて二酸化炭素の排出量など環境への負荷が極めて少ない。また、自然エネルギーのなかでも安定的に利用することが可能なエネルギー。

(2)

バイナリー発電は、従来使えなかった低温の蒸気や、これまでの地熱発電で利用後地中に戻していた低温熱水を有効活用でき、地熱発電の領域を拡大する。

(3)

バイナリー発電で使用する二次媒体は地球温暖化係数が低いノルマルペンタン。

(4)

冷却水を必要としない空気冷却式熱交換器を採用。

2.利用可能な熱源及び適用分野

(1)

地熱利用
地中の100℃から150℃の蒸気、熱水、高温岩体

(2)

太陽熱利用(図1参照)
太陽熱により一次媒体(油など)を加熱し、二次媒体(ノルマルペンタン)を蒸発させタービンを駆動

【図1.太陽熱利用】

太陽熱利用図

3.ターゲット市場

(1)

新設市場
 東南アジア、豪州、中南米を中心に世界各国で2011から2014年で年間平均160MWの新規建設が期待される。さらに、高温岩体(高温であるが十分に水分が含まれない岩盤)に人工的に水を注入し蒸気を抽出する等の新技術開発により、5から10年以内にバイナリー発電設備容量の飛躍的な増加が見込まれる。

(2)

追加設備市場
 既設の地熱発電設備にバイナリー発電設備を追加設置する。一つは、従来地中に戻していた低温熱水を利用し発電する方法(図2参照)。もう一つは、既設の地熱発電に利用できなくなった低温の減衰井蒸気を利用し発電する方法である。
 フラッシュ発電とバイナリー発電の両方の技術を持つことにより、「地熱エネルギーのトータルソリーション」を提供する。

【図2.追加設備市場】

追加設備市場図

4.販売目標

2010年国内における受注を皮切りに、2011年に25億円の受注規模を目指す。

【お客様問合せ先】

富士電機システムズ株式会社 グリーンエネルギーソリューション事業部
TEL:044-329-2121

以上