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港湾の脱炭素化に貢献する 新たな陸上電力供給システムを発売

港湾の脱炭素化に貢献する 新たな陸上電力供給システムを発売 PDF (311KB)

2024年10月23日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社は、港湾の脱炭素化に貢献する新たな陸上電力供給システムを発売しましたのでお知らせいたします。

1.背景

陸上電力供給システムのイメージ

 温室効果ガスの排出が多い産業が集積する港湾・臨海部では、脱炭素社会の実現に向けてカーボンニュートラルポート(CNP)の形成が進められており、この取り組みの一つに陸上から船舶への電力供給があります。
 港湾に停泊している間、空調や照明など船舶内の電気設備に必要な電力は船舶内の発電機から供給することが一般的ですが、陸上電力供給システムで電力を供給することで発電機の稼働が不要になり、燃料の燃焼時に生じるCO2や、すすなどのPM(粒子状物質)、燃料に含まれるSOx(硫黄酸化物)等の大気汚染物質の排出量削減が期待できます(注)。
 今般当社は、陸上から船舶への電力供給を容易にするコンテナパッケージおよびケーブルマネジメントシステムの搭載を標準仕様とし、工期や作業時間の短縮を実現する新たな陸上電力供給システムを開発し、発売しました。

(注)函館港湾事務所の調査によると、397kWの発電機を搭載した船舶では、1時間あたり、排気量2,000ccのガソリン車約190台分(アイドリング時)に相当するCO2を削減します。

2.特長

コンテナパッケージ

1)機器をコンテナにパッケージ化し、工期を約4割短縮
 陸上の電力を船舶に供給するためには、船舶向けに電力を降圧する受変電機器や電力の周波数を変換する周波数変換装置等が必要であり、従来は現地で組み合わせて設置していたため、時間を要していました。
 本製品はこれらの機器を40ftのコンテナにパッケージ化(注)することで据付及び試験作業を簡略化。コンテナへのパッケージ化に伴い、受変電機器や周波数変換装置の稼働により生じる熱の対策が必要になりましたが、気流を解析し、機器を最適に配置することで解決しました。
 また、港湾では塩害対策のため、電気機器は電気室等の屋内に設置することが一般的です。本製品は密閉されたコンテナ内に電気機器を収納することで屋外設置が可能となり、電気室の建設を不要としました。
 これらにより、運用開始までにかかる期間を約4割短縮(約16ヵ月→約10ヵ月)します。

(注)40ftのコンテナ1基で1.25MVAの電力供給が可能。最大8基(10MVA)まで並列接続が可能。

ケーブルマネジメントシステム
(神戸市港湾局様向け)

2)ケーブルの運搬・接続作業を電動化し、作業時間を約8割短縮
 ケーブルマネジメントシステムは、陸上の電源と船舶をケーブルで接続するためのシステムです。接続に使用するケーブルとプラグは重量物(注)であるため、人力での接続作業は困難で時間を要していました。
 本製品は当社製のインバータやコントローラ等の駆動制御機器を搭載し、ケーブルの接続作業を電動化することで、作業時間を約8割(約60分→約10分)短縮。作業人数も5割削減(4人→2人)します

(注):ケーブルは約10kg/m(600V/350Aの場合)
プラグは約6kg/個(690V/350Aの場合)

3.発売開始

即日

4.本製品に関するお問い合わせ先

富士電機株式会社 パワエレ営業本部 社会ソリューション統括部 営業第一部 営業第二課
☎03-5345-7289

【製品ホームページ】
 https://www.fujielectric.co.jp/products/saveblue-solution/solution_detail/opss.html

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先、価格等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。