ニュースリリース
蒸気発生ヒートポンプの発売について ~工場の低温排熱再利用で省エネルギーに貢献~

2015年7月2日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、低温排熱の再利用で工場の省エネルギーに貢献する「蒸気発生ヒートポンプ」を発売しますので、お知らせいたします。

1.狙い

 近年の電力事情の変化を踏まえ、工場等の生産現場ではエネルギーを効率的に使用するスマート化が進んでおり、その一つとして、工場内で生じる低温排熱の再利用が注目されています。特に、食品・飲料、自動車、化学工業、パルプ・紙・紙加工品といった産業分野では熱の利用範囲が広く、かつ再利用可能な排熱量が多く見込まれています(注1)。
 本製品は、当社がこれまで自動販売機で培ってきたヒートポンプ技術を活用し、工場内で発生する低温排熱を回収・加温して再利用する装置です。排熱の有効活用により、工場の省エネ・環境保全に貢献します。

(注1)

下記参考資料「業種別 利用可能な蒸気量」参照

2 .特長

(1)低温排熱を効率的に再利用し、燃料費やCO2排出量を低減
工場で排出される排温水(60から80℃)などから熱を回収し、飽和蒸気(100から120℃)を供給します。
コンパクト設計により、工場内で蒸気加熱を要する給水予熱や洗浄、殺菌、空調・加湿設備など、様々な工程の近傍に設置して利用できるため、配管の延伸に伴う放熱ロスも抑制します。
エネルギーコストやCO2排出量を大幅に削減します(注2)。
(最高COP(注3) 3.5)

(注2)

下記導入事例「クリーンルーム空調の加湿蒸気利用」参照

(注3)

COP(Coefficient Of Performance):エネルギー消費効率。
消費電力1 kWあたりの冷却・加熱能力を表した値。

(2)工場全体のエネルギー管理と連携
蒸気の使用量に応じ、複数台での接続運転(最大10台まで)が可能です。また、ネットワークに接続して中央制御室やパソコン等からの遠隔監視・操作に対応。今後、当社クラウドシステムと連携し、工場全体のFEMS(注4)等と連携したエネルギー最適化に貢献します。

(注4)

FEMS(Factory Energy Management System)
工場エネルギーマネジメントシステム

(3)特別な手続不要で、簡便に設置・使用が可能
低圧冷媒の使用により高圧ガス保安法の対象外のため、届出や保安専任者の選出など、法令に沿った手続きが不要。据付の際も特殊な工事等は必要ありません。

3.主な適用範囲
食品・飲料、自動車、一般機械、化学工業、パルプ・紙・紙加工品等、排熱が発生する製造業の工場設備

4.概略仕様

5 .発売時期
 2015年12月

6 .販売目標
 売上高 40億円(2015から2018年度累計)


 なお、本製品は2015年7月1日から3日までの3日間、東京ビッグサイトで開催される「第28回 インターフェックス ジャパン」に出展しています。

7 .製品に関するお問合せ先
 パワエレ インダストリー事業本部 情報ソリューション事業部
 情報制御システム第一部
 TEL 042-585-6934

(注1)

参考資料:業種別 利用可能な蒸気量

(注2)

導入事例 :クリーンルーム空調の加湿蒸気利用

以上