ニュースリリース
燃料電池事業の強化に向けたドイツN2telligence社の買収について

2016年1月13日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、欧州子会社である富士電機ヨーロッパ社(以下FEE)が、燃料電池事業を展開するN2telligence GmbH(以下N2社)(ドイツ連邦共和国ヴィスマール市)の株式の70%を譲り受ける旨の契約を締結し、出資を完了しましたのでお知らせいたします。

1.背景

 当社は「エネルギー関連事業の拡大」「グローバル化」を経営方針に掲げ、地熱発電、水力発電、太陽光発電システムを始めとした再生可能エネルギーや燃料電池等、クリーンエネルギーの事業拡大に取り組んでいます。燃料電池については100kWりん酸形燃料電池(PAFC)を事業化し、これまで日本、韓国、ドイツ、米国、南アフリカに納入実績を有する、世界でも数少ない業務用燃料電池の提供メーカーです。

 燃料電池は、天然ガス等の燃料を化学反応させることで直接電気を取り出すため、発電過程でのエネルギーロスが少なく、低騒音・低振動で高効率な発電が可能です。また、発電時の排熱を利用するコジェネレーション機器として、優れたエネルギー効率と二酸化炭素(CO2)排出量削減を実現します。
 また、燃料電池は発電動作時に空気を排出しますが、この空気の酸素濃度は大気に比べて低濃度です。この低酸素空気を建物に送り込み、低酸素環境(15%程度)を作り出すことによって、火災の発生を未然防止する「防火設備」としての活用が可能です。

2.買収の狙い

燃料電池
低酸素防火システムの燃料電池
(ドイツ・ヴィスマール市)

 ドイツでは、燃料電池の特長を活かし、倉庫やインターネットデータセンター(IDC)における防災対策の一つとして、防火設備の導入が進んでいます。燃料電池やコンプレッサを活用する同設備は、水や化学薬品を使用した消火による商品・資料等の損傷がないこと等のメリットがあり、ドイツでは既に約1,000システム設置され、今後、年率20%の成長が見込まれています。

 N2社は、「燃料電池の排空気を用いた防火システム」特許の独占的実施権を保有し、2009年より当社との協業を開始して、大手自動車メーカーやIDC等へ当社製の燃料電池を納入しています。当社は今般の買収により、ドイツを始めとする欧州において燃料電池事業の強化・拡大を図ります。

3.具体的な取り組み

■エンジニアリング力の強化
 N2社の保有する特許実施権、商流に加え、当社の技術力を活用して、販売からアフターサービスまでのエンジニアリング力を強化します。
■現地生産体制の構築
 当社技術・ノウハウを注入して現地生産を開始し、コストダウンおよび納期短縮を図ります。

4.出資対象会社の概要

5.新会社の概要

■本出資後の出資構成図

【関係する当社子会社の概要】
 富士電機ヨーロッパ社(FEE)

以上