ニュースリリース
業界最高の過電流耐量を実現した「密閉型高電圧コンタクタ」の発売について

2017年5月24日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(代表取締役社長:北澤 通宏、本社:東京都品川区)の子会社である富士電機機器制御株式会社(代表取締役社長:森本 正博、本社:東京都中央区)は、業界最高の過電流耐量を実現し、車両の安全性向上に貢献する「密閉型高電圧コンタクタ(High Voltage Contactor)」を発売しましたので、お知らせいたします。

1. 背景
 次世代自動車として世界各国で普及・拡大している電気自動車(EV)やハイブリッド自動車(HEV)は、高電圧・大容量の電池を搭載するため、安全性の維持・向上が重要な課題です。また、燃費向上や航続距離の伸長に向け、車体の小型・軽量化が求められています。
 EVやHEVにおいて、コンタクタは電池とインバータやモータをつなぐ電気回路(電路)の開閉を行うもので、当社は車載用コンタクタの世界市場が今後年平均30%以上で伸長し、2020年には700億円以上に拡大すると予測しています。
 今般、産業向け配電・制御機器分野における国内トップクラスの技術力・実績を活かし、業界最高の過電流耐量(許容される電流・時間の上限値)を実現した車載用コンタクタを新たに開発。今後製品ラインアップを順次拡充していきます。
 なお、吹上工場(埼玉県鴻巣市)には国内有数の短絡遮断試験設備を備えています。本製品を組み込んだバッテリー充放電回路の大電流短絡耐量試験や遮断試験を行うことができ、お客様の製品開発を支援します。

2. 製品の特長
1) 独自の接点構造で安全性を大幅に向上
 事故や車両の不具合等により電路が短絡し過電流が生じるとコンタクタの接点部が磁力(電磁反発力)で浮き上がり、接点間に数千から数万アンペアもの大規模なアーク(放電現象)が発生する場合があります。本製品は独自の接点構造で電磁反発力を相殺し、業界最高の2万アンペアの過電流耐量を実現。コンタクタの発火・破裂リスクを大幅に低減します。

2) 接点部を密閉し安全性向上・小型化
 電路を遮断する(接点を開く)際にアークが発生しますが、接点部を密閉構造とすることで、アークの火花が外部に噴出することを防ぐとともに、塵の混入を防止します。また、密閉した接点部に遮断性能を高めるガスを封入することで、気中遮断に比べて電気の遮断に必要な距離を短くし、車載用途に求められるコンパクトな製品サイズを実現しました。

3) お客様の回路設計のしやすさを向上
 電路の遮断時に発生するアークは、コンタクタに内蔵している永久磁石の磁力で引き伸ばし消弧されますが、これまでは電気を流す方向(充電時と放電時)により遮断性能が異なるという課題がありました。今般、永久磁石の配置などを考慮し設計を行うことで、正逆両方向同一の遮断性能を実現。バッテリー充放電回路に組み込む際のフレキシビリティを高め、お客様の設計のしやすさを高めました。

3. 適用先
 ・次世代自動車(EV、HEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、燃料電池車(FCV)等)
 ・2次電池搭載輸送機器(フォークリフト、建機、無人搬送車(AGV)等)

4. 発売時期
 即日

5. 製品仕様

6. 製品に関するお問い合わせ先
 富士電機機器制御株式会社
 事業企画本部 業務部
 TEL: 03-5847-8060

以上