ニュースリリース
盤への格納を不要とする全閉型インバータ「FRENIC-eFIT」の発売について

2019年5月30日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、盤への格納を不要とし、省スペースとコストダウンに貢献する全閉型インバータ「FRENIC-eFIT」を発売しますので、お知らせいたします。

1. 発売の狙い

 世界の消費電力量の40%から50%がモータ向けとされています。インバータはモータの回転数を制御し電気機器の省エネを実現する製品で、工場の生産ラインやエレベータ、鉄道、エアコンなど社会のさまざまなシーンで使われています。当社製インバータは主に工場の設備(ファン・ポンプや搬送機など)に設置され、富士電機の主力製品の一つです。
 「FRENIC-eFIT」はAll-SiCモジュール(注)を搭載することで、インバータ本体の冷却ファンレス・全閉自冷構造を実現。これにより、盤への格納を不要とし、設置スペース削減とコストダウンを実現します。
 腐食性ガスが生じる化学・ゴムなどの製造工程、雨風にさらされる屋外設備、塩害が懸念される沿岸地の工場など、性能や製品寿命に悪影響を及ぼすことから従来盤への格納を必要としてきた環境向けに、広く提案していきます。

(注)

スイッチング素子と還流ダイオード素子の両方にSiCを使ったパワー半導体

2. 製品の特長

1)All-SiCモジュールで全閉自冷構造を実現。盤への格納を不要とし設置スペースを削減

 インバータの主要部品であるパワー半導体は、通電時及びスイッチング時に熱を発生するため、インバータ本体及び、インバータを格納する盤には冷却ファンを搭載する必要があります。
 「FRENIC-eFIT」は、従来のパワー半導体(シリコン製IGBT)と比べて発熱が少なく、高温でも動作が可能なSiCパワー半導体(All-SiCモジュール)を適用することで、冷却ファンを不要とし、インバータ本体の全閉自冷構造を実現しました。
 これにより、腐食性ガス等が発生する悪環境下にもインバータ単体で設置することができ、盤に格納した場合と比べて体積比で1/4の小型化を実現(出力37kW機種の場合)。お客様の設置スペース削減に貢献します。

2)トータルコスト抑制に貢献

 従来は、インバータ本体に加えて盤を用意し、運用時には冷却ファンの目詰まり除去などの定期的な保守・点検作業が必要でした。また、悪環境下で使用する場合、腐食性ガスによる故障・交換リスクがありました。
 本製品は、冷却ファンレスのため保守・点検の必要がなく、全閉構造のため腐食性ガスによる故障・交換も生じません。これにより、導入・運用にかかるトータルコストを従来の1/4(注)に低減します。

(注)

腐食性ガス環境下で、汎用インバータの標準的な設計寿命である10年間使用し、2年に1度故障・交換すると想定した場合

3. ラインアップ

4. 発売時期

 即日

5. 製品に関するお問い合わせ先

 富士電機株式会社 パワエレシステム インダストリー事業本部
 オートメーション事業部 業務第一部
 03-5435-7091

以上