ニュースリリース
鋳物生産の省エネを実現 新型誘導炉の発売について

2020年4月1日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、鋳物生産の省エネを実現する新型誘導炉「F-MELT100G」を発売しましたので、お知らせいたします。

1. 背景

誘導炉は、自動車部品、機械部品などの素材として使われる鋳物の生産工程において、原材料を高温に加熱し溶解する設備です。当社は誘導炉を国内・中国(珠海)の拠点で生産し、日本を始め、中国、東南アジアの鉄鋼メーカーや非鉄金属メーカーを中心に提供してきました。
 現在、地球環境保護の観点から、鉄鉱石や石炭を原材料とする高炉に比べて、鉄スクラップを使用し溶解時のCO2排出量が少ない電炉が注目されています。誘導炉は電炉の一種ですが、鋳物工場では電力の半分以上が溶解工程で消費されるため、誘導炉の効率向上は工場全体の省エネに大きく貢献します。
 中国や日本を中心に、市場が伸長している自動車及び自動車部品メーカーをメインターゲットに展開していきます。

2. 製品の特長

新型誘導炉
F-MELT100G

1)炉体構造の最適化により溶解効率を向上

 誘導炉は炉体のコイルに電流を流すことで生じる誘導磁界、渦電流を利用し炉内の金属を直接加熱・溶解します。
 3次元シミュレーションを使った高精度な磁界解析により、コイルと継鉄(注1)を最適配置することで溶解効率を向上させました。これにより電力原単位(注2)は当社従来品に比べ5%低減。鋳物生産の省エネを実現しました。

(注1):炉体から磁束の漏れを防ぐためにコイルの外周を囲う鉄材
(注2):1トンの原材料を溶解するために必要な電力量

IGBT式電源盤

2)保守・点検作業の効率化に貢献

 誘導炉と接続されるIGBT式電源盤にはケーブルやブスバー(注3)など多くの機器が配置されています。従来品は保守・点検の際に盤の背面からも作業する必要がありましたが、本製品は内部ユニットを車輪で前面側に引き出せる構造とすることで、背面での作業を不要としました。お客様の保守・点検作業の効率化に貢献します。

(注3):電気接続に用いられる銅、アルミ製の導体

3. 概略仕様

4. 発売時期

即日

5. 適用先

自動車、自動車部品、機械加工などの銑鉄鋳物を製造する鋳造業

6. 製品に関するお問合せ先

富士電機株式会社
パワエレシステム インダストリー事業本部 オートメーション事業部 工業電熱技術部
☎03-5435-7023

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。
あらかじめご了承ください。