ニュースリリース
業界最高クラスの低損失性能で生産設備の省エネに貢献する 「XシリーズIGBT-IPM」の発売について

2020年12月23日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(代表取締役社長:北澤 通宏、本社:東京都品川区)は、パワー半導体の新製品として、最新の第7世代「Xシリーズ」素子を搭載し、損失を大幅に低減させた「XシリーズIGBT-IPM(注1)」の発売についてお知らせいたします。

(注1)

Insulated Gate Bipolar Transistor(IGBT)Intelligent Power Module(IPM)

1. 背景

XシリーズIGBT-IPM(代表パッケージ)
XシリーズIGBT-IPM(代表パッケージ)

 製造業では生産性向上のため、生産現場の自動化に向けたNC工作機械やロボットの導入を進めており、地球温暖化を背景に、生産設備のさらなる省エネの実現が課題となっています。
 パワー半導体の一つであるIGBTモジュールは、スイッチング(電気のオン・オフ)により電圧や周波数、交流・直流などの電力変換を行う電子部品であり、IGBT-IPMは、過電流・過熱などによる故障を防ぐ自己保護機能を搭載したIGBTモジュールです。このため、生産設備に高い信頼性が求められるNC工作機械や産業用ロボットといった設備に広く採用されています。
 当社は今般、最新の第7世代パワー半導体素子を搭載し、業界最高クラスの低損失性能で生産設備の省エネに貢献する「XシリーズIGBT-IPM」を発売しました。12月より量産を開始し、自動化が進む日本国内・中国などを中心に、グローバルに展開していきます。

2. 製品の特長

①業界最高クラスの低損失性能で生産設備の省エネを実現

 本製品は、素子の厚みを薄くし表面構造を微細化することで、業界最高クラスの低損失性能を実現した、最新の第7世代IGBT素子を搭載しています。また、通常パワー半導体は、製品の動作温度が高くなるとスイッチング速度が遅くなり電力損失が大きくなりますが、IGBT駆動を制御するICにより、高温条件下においてスイッチング速度が低下しないよう制御することで、電力損失を低減しました。
 本製品は、従来品(VシリーズIGBT-IPM)に比べインバータ動作時の電力損失を約10%低減するとともに、電力損失によって発生する熱を抑制したことで、設置面積を従来品比で最大54%の小型化を実現しています。これにより、生産設備の省エネと小型化に貢献します。

②業界初となる温度ワーニング出力機能を搭載し、設備の安定稼働に貢献

 IGBT-IPMは、IGBT素子の過熱保護機能を搭載しています。本製品の場合、IGBT素子の温度が175℃を上回ると、IGBT-IPMは設備側の制御装置(コントローラ等)にアラーム信号を出力するとともに、スイッチング動作を停止し、IGBT-IPMの故障を未然に防ぎます。
 加えて本製品には、業界初となる「温度ワーニング出力機能」を搭載しており、素子の温度が150℃を上回るとワーニング信号を出します。ワーニング信号が出力されてから、過熱保護が動作する175℃に到達するまでの間はスイッチング動作が可能なため、設備側の制御装置は任意のタイミングで生産設備を停止させ、メンテナンスを行う事が可能となります。生産設備の突然の停止を回避し、安定稼働に貢献します。

3. 主な用途

NC工作機械、汎用サーボ、産業ロボット、業務用エアコン、エレベータなど

4. 主な仕様

5. 製品に関するお問い合わせ先

富士電機株式会社 電子デバイス事業本部 営業統括部 営業第一部 営業第一課
☎03-5435-7152

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先、価格等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。
あらかじめご了承ください。