ニュースリリース
盤の省スペース化に貢献 監視制御システムにおける入出力装置(I/O装置)の刷新について

2021年1月5日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:北澤通宏)は、産業プラント向け監視制御システムの構成機器であるI/O装置を刷新しましたので、お知らせいたします。

1. 背景

鉄鋼、化学、セメント、ごみ処理等の産業プラントでは、プラントの安定・安全操業や省エネが求められます。これを実現すべく、設備の稼働監視や制御、エネルギーの利用状況の管理などを行うのが監視制御システムです。
 本システムは、計測・駆動機器などのフィールド機器、コントローラ、I/O装置(注1)等で構成されます。主に、フィールド機器は、生産ライン等において流量、圧力などの測定やモータの駆動を行い、コントローラは、フィールド機器を制御します。フィールド機器は生産現場にあり、一方、コントローラは生産現場から離れた場所に設置されることが多いため、I/O装置がそれらを中継する役割を担います。
 近年、産業プラントでは、IoTやAIを活用した設備の劣化診断や故障予知を行うために、現場の情報収集を行うフィールド機器とI/O装置の設置数が増加しています。これに伴いI/O装置を格納する盤の設置スペース削減が課題となっていました。
 今般、当社は監視制御システムを構成するI/O装置を刷新。お客様の盤の省スペース化を図るとともに、メンテナンス時の安全性を向上させました。

(注1):各種データを入力または、出力する装置

2. I/O装置の特長

1)盤1面あたりの搭載数が増加し、盤の設置面数を削減

 I/O装置は、流量や圧力、モータの駆動状況などのデータの入出力信号処理を行う「I/Oモジュール」と、盤外のケーブルとI/Oモジュールを接続する端子台「MTA(注2)」からなります。
 今回刷新したI/O装置は、1構成に実装できるI/Oモジュールの数を、従来の8台から10台に増やしました。さらに、I/OモジュールとMTAをコネクタで直接接続することで省配線化し、盤1面あたりの構成数も4から5に増加。これらにより盤1面に搭載できるI/Oモジュールが従来の32台(8台×4構成)から50台(10台×5構成)に増加することで、盤の設置面数を33%減らす(注3)ことができます。これによりプラントにおける盤の省スペース化に貢献します。
(注2):Marshalling Terminal Adaptor
(注3):3面必要であった場合、2面に減らすことが可能(当社試算)

2)二重化で、メンテナンス時の安全性を向上

 二重化とは、機器やネットワークなどを2系統にすることで、1系統に不具合が生じても残りの1系統の稼働を継続させ、システムの信頼性を高める手法です。
 従来は、両系統のI/Oモジュールを1構成につき1つの電源で動作させており、電源がオンの状態でメンテナンスを行う必要がありました。このため、プラント動作中に電源を停止させてしまった場合、両系統のI/Oモジュールが機能せず、プラントが正常に動作できなくなる恐れがありました。今回、系統ごとにI/Oモジュールを電源に接続することで、メンテナンスが必要な系統の電源をオフにして安全に作業を行うことが可能になりました。

監視制御システム構成(イメージ)

3. 監視制御システムに関するお問合せ先

富士電機株式会社
パワエレシステム インダストリー事業本部
プロセスオートメーション事業部 プラント営業技術部
☎042-585-6125

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。
あらかじめご了承ください。