ニュースリリース
データセンターや通信基地局の省電力化に貢献する第2世代ディスクリートSiC-SBDシリーズの発売について

2021年10月26日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社(代表取締役社長:北澤 通宏、本社:東京都品川区)は、データセンターや通信基地局などの省電力化に貢献するパワー半導体「第2世代ディスクリートSiC-SBD(注)シリーズ」を発売しましたので、お知らせいたします。

(注)

Schottky Barrier Diode

1. 背景

DX(デジタルトランスフォーメーション)の導入やリモートワークの増加、インターネットサービスの利用拡大などにより、ネットワーク通信量が増加し、データセンターや通信基地局では設備投資が加速しています。これに伴い、電源機器の需要も増加しており、電源機器の市場規模は現在の約3,000億円から2028年度に約4,500億円に伸長する(注)と見られています。
データセンターや通信基地局では、設備の稼働に多くの直流電力を必要とするため、電源機器には、電力会社などから受電した交流の電力を高効率で直流に変換(整流)するパワー半導体(ダイオード)が搭載されています。

2世代ディスクリートSiC-SBD(左からTO-220-2、TO-220F-2、TO-247-2)
第2世代ディスクリートSiC-SBD
(左からTO-220-2、TO-220F-2、TO-247-2)

 パワー半導体は、通電時に電力損失(定常損失)が生じます。今回、データセンターや通信基地局などの電源機器向けに、電子回路内の定常損失を低減することで省電力化に貢献する「第2世代ディスクリートSiC-SBDシリーズ」を開発し、発売しました。

 当社は、本製品をグローバルに展開し、機器の省電力化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献します。

(注)IHS社の資料をもとに、当社推定

2. 製品の特長

基板の厚みを1/3にするなどし、低損失化を実現

 パワー半導体の電力損失を低減させる方法の一つに、素子である基板を薄く加工し、電気が流れる距離を短くすることがあります。本製品は、搭載するSiC(シリコンカーバイド)基板を当社の従来品である第1世代SiC-SBDシリーズに比べて約1/3に薄化するとともに、チップ構造を変更することで定常損失を16%削減(注)しました。基板の薄化には、当社独自の加工技術を適用し、業界最高レベルの薄さを実現。さらに、雷などによる大電流への耐性も高めました。これらにより搭載機器の省エネと信頼性向上に貢献します。

(注)

定格電圧650V品

3. 主な仕様

(注)

現在開発中(2022年1月発売予定)

4. 製品に関するお問合せ先

富士電機株式会社 半導体事業本部 営業統括部 営業第一部
☎03-5435-7152

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先、価格等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。
あらかじめご了承ください。