富士電機が貢献する環境・社会課題
インドの農村地域にソーラーポンプ用インバータ 太陽光で発電した電力を最大限活用し、農業の発展に貢献

太陽光発電の発電量を最大化するソーラーポンプ用インバータ

(上)盤に格納されたインバータ「FRENIC-Ace」
(下)太陽光パネルと盤

地下水をポンプで汲み上げ農地に活用する。インドの農村地域の風景です。同国では送電網の整備が不十分であることを背景に、太陽光発電設備の設置が進んでおり、ポンプの駆動に太陽光で発電した電力を活用するケースが増えています。この際にポンプのモータを制御するのがソーラーポンプ用インバータです。

太陽光発電は、天候や気温などにより発電量が変動します。富士電機は、強みであるパワーエレクトロニクス(電力変換・制御)を駆使して、太陽電池の最大出力点を探し出し発電量を最大化する技術を実用化しており、この技術をインバータに使っています。2016年から、富士電機のインバータの中でも低容量タイプであるFRENIC-Miniをソーラーポンプ用の対象機種としてインド市場に投じていますが、昨今インドでは、給水量の増加などを目的にポンプの大容量化ニーズが高まっており、2022年4月に、より大容量の機種であるFRENIC-Aceをラインアップに追加しました。さらに現在は、現地の市場ニーズを素早く製品に反映するため、それまで日本(鈴鹿工場)で行っていた設計の一部機能をタミル·ナードゥ州にある富士電機インド社に移し、お客様の声を踏まえた製品カスタマイズを現地スタッフが実施しています。

需要が拡大するインドで事業を拡大

農村地域の漁場でもソーラーポンプを使って地下水をくみ上げています

インド政府は、経済成長ビジョンの実現に向けて、2022年末までに約200万台の農業用ソーラーポンプの配備を推し進めるなど、ソーラーポンプ用インバータも需要の拡大が見込まれます。2022年8月、富士電機インド社はインド北部のウッタル・プラデーシュ州にある農村地域にソーラーポンプ用インバータを納入。同地域の太陽光発電の活用を支えています。

同社の石坂社長は「ソーラーポンプ用インバータは工場やインフラ施設向けなどと異なり、故障が生じた際にすぐに駆け付け修理ができる環境下には置かれない。そのため、できるだけ不具合が生じにくい製品が求められるが、これまでの実績から、当社製のインバータは品質が高く、安心して使えるという評価が広まっており、インドにおけるソーラーポンプ用インバータの新たなディファクト・スタンダード(事実上の標準)になりつつある」と手ごたえを感じています。

富士電機ならびに富士電機インド社は、本製品の更なる普及・拡大に努め、インドにおける農業の発展に貢献します。

貢献するSDGs目標

安全な水とトイレを世界中に
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
産業と技術革新の基盤をつくろう

インドにおける農業の発展に貢献

富士電機は、再生可能エネルギー向けにPCSや蓄電池システムなどを展開しています。こうしたパワエレ製品・システムで培ってきた技術を活用したソーラーポンプ用インバータは、インドにおける太陽光発電の活用を促し、当社のSDGs重点目標「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」に貢献します。
また、ソーラーポンプの普及拡大を支え、ターゲット「6.安全な水とトイレを世界中に」にも貢献します。