縦型GaNデバイスについて国際会議ICSJ2025で招待講演を行いました

2026年1月16日
富士電機株式会社

 

 富士電機株式会社は、2025年11月14日に、電力消費の大幅な削減が期待される次世代パワー半導体材料であるGaN(窒化ガリウム)を用いたデバイス開発について、国際会議 14th IEEE CPMT Symposium Japan (ICSJ2025)(注1)のパワーエレクトロニクスセッションにて招待講演を行いました。
 本会議はIEEE Electronics Packaging Society(EPS)が主催する、電子デバイスの実装、製造技術に関する権威ある国際会議です。毎年、世界中の研究者や技術者が集まり、最先端技術の研究成果発表や情報交換を行う場となっています。過去の国際会議での発表内容が高く評価され、今回の招待講演に至りました。

注釈1

2025年11月12日~14日 京都 立命館大学朱雀キャンパスで開催


講演内容

 [演題]
  Development of Planar-Gate Vertical GaN MOSFETs

 [講演者]
  技術開発本部 先端技術研究所 田中 亮


講演の概要

 カーボンニュートラル実現には、エネルギー消費低減に向けたパワー半導体の性能向上が不可欠です。次世代材料であるGaNは、従来のシリコン(Si)や炭化ケイ素(SiC)に比べて損失が少なく、次世代のスイッチングデバイスとして期待されています。
 当社は高耐圧・大電流に適した縦型GaN MOSFET(注2)の開発に取り組み、「大面積化」と「低損失化」という課題に挑戦しました。微細構造を形成するイオン注入技術と、素子を並列化する電極配線技術を組み合わせた新しい製造プロセスを開発し、試作した2mm×2mmサイズのチップが10A/250Vでスイッチング動作することを確認しました(注3)。また、MOSゲート構造に独自の窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)層を導入し、電子がスムーズに移動できるように工夫したことで、電子の動きやすさを示す指標である移動度を約3倍向上させることに成功しました(注4)。これにより、デバイスがオンした時に電流の通り道となるゲート部分の抵抗が半分以下となり、損失低減に寄与します。
 これらの成果は、縦型GaN MOSFETの実用化に向けた大きな前進です。

注釈2

スイッチングデバイスの一種でMetal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistorの略

注釈3

The 22nd International Workshop on Junction Technology(2025年6月5日~6日 京都大学で開催)にて発表しました。本研究は、つくばパワーエレクトロニクスコンステレーション(TPEC)との共同研究プロジェクトとして実施されました。

注釈4

2024 IEEE International Electron Devices Meeting(2024年12月7日~11日 サンフランシスコで開催)にて発表しました。本研究は、文部科学省 革新的パワーエレクトロニクス創出基盤技術研究開発事業JPJ009777 の助成を受けたものです。



4インチGaNウェハ上に作製したMOSFETチップ
縦型GaN MOSFETの動作波形
移動度評価用デバイスの構造
AlGaN層による移動度向上



【お問い合わせ先】
 技術開発本部 技術戦略室 研究管理部
 TEL:03-5435-7181