サステナビリティ
お客様満足の向上

お客様満足(CS)に対する基本的な考え方

富士電機は、お客様のニーズに応える技術開発、ものつくりを推進し、安全・安心で品質の高い製品・サービスを「総力を挙げて」提供するとともに、お客様には誠実に対応し、その声を製品・サービスの改良に反映することでお客様満足の実現に取り組んでいます。

CS向上の体制

事業セグメントによりお客様が異なることから、事業セグメントごとにグローバルなサービス体制を構築しています。

アフターサービスの枠から事業領域を拡大して、お客様が抱える問題を当社の製品や技術で解決へ導くソリューションサービスを目指すCS推進活動を実施し、お客様満足の向上を推進しています。

グローバルなサービス体制の強化

当社は、経営方針に「エネルギー・環境関連事業の拡大」「グローバル化」を掲げ海外事業強化に向け、現地完結型ビジネス基盤の整備を推進しています。

【エネルギー/インダストリー部門】

フィールドサービス統括部と、東南アジアのサービス部門のハブである富士電機マニファクチャリング(タイランド)社エンジニアリングセンター内のグローバルサービス部門が連携し、海外サービスの拡大に努めています。2024年度からはCS(クリエイティブソリューション)人財をタイに配置し、変電、駆動、UPS等のキー商材を強みに、東南アジア地域でのソリューションサービス拡大を目指しています。2023年度から開始した安全教育は、2024年度は東南アジア以外のエリア(中国、韓国、台湾、インド)にもサービス活動の幅を広げる予定です。コンポーネントサービスについては、FFAと連携し、提携会社の整理、L/Tの見える化、グローバルパーツ体制の整備などの施策に着手予定です。

【半導体部門】

グローバルなサービスを迅速に提供するため、中国深圳及び欧州ドイツにコールセンターを設置しています。海外コールセンターでは、海外のお客様からのお問い合わせや不具合品の調査・解析依頼に対し、当社販売拠点や設計・製造拠点と連携し、迅速に対応することを目的としています。中国コールセンターでは小容量IPM製品を含む産業用モジュール製品を、欧州コールセンターでは産業用モジュール製品に加え、電装用モジュール製品の調査・解析・報告を行い、地域完結のサービス活動を推進しています。

【食品流通部門】

タイを中心とした自販機の事業展開を進める中、サービス体制の現地化に向けて、修理履歴を管理するシステムを活用し、履歴の分析によるサービス品質の向上や対応の迅速化に取り組み、CS向上を継続して推進しています。

CS向上の取り組み

お客様のお問い合わせに関する対応

セグメント別お客様対応

【エネルギー/インダストリー部門】

プラントシステム全体については、富士電機コールセンターでお客様からのお問い合わせに対応しています。災害発生時にも受付業務が停止しないよう、東京工場地区と神戸工場地区の2か所で運用しており、電話とウェブサイトを通じて24時間、365日の体制で、緊急のご要望にも迅速に対応しています。また、老朽化した自家発電設備を更新し、停電時においても設備の安定稼働を維持できる体制を整えました。
富士電機コールセンターでは、お客様が安心してお問合せいただけるよう、オペレータ全員が電話応対研修を受講し、応対品質の向上に継続して取り組んでいます。また、コールセンター受付システムに音声認識システムを導入し、AIを活用した受付業務の効率化と受付品質の向上も推進しています。さらに、「お客様ファーストコンタクト時間の短縮」を目標に、全国のフィールドサービス部門と協力し、スムーズなお客様対応に取り組んでいます。
2024年度の受付件数は8,247件(前年度比2件増)、また海外からのお問い合わせ(ウェブサイト経由)は、97カ国より983件ありました。

コンポーネントについては、技術サービスセンターにインバータ・サーボシステム・回転機・HMI・PLC・計測機器・小型電源、全てのコンポーネントのお問い合わせ窓口を集約し、プレサービスからアフターサービスの強化を通じて、お客様サービスの向上を進めています。
技術サービスセンターでは、回答にかかるお客様の時間と手間を削減するため、頻出質問をFAQとして社外ホームページに公開しています。2024年度は100件のコンテンツを追加しました。その結果、FAQのアクセス件数は電話に対し5.06倍に増加し、技術相談コール受付件数は対前年96%と減少傾向にあり、施策効果が現れています。
さらに機能拡張が容易でメンテナンスも簡略できるクラウド型のコールセンターシステムの導入し、稼働を開始しています。今後はさらなるお客様満足のため、FAQ公開や新たに導入したシステムの拡張性を生かした新機能とAI技術の活用により、質の高いサービスの提供を推進します。

2024年度のコールセンターの受付件数(プラントシステム)
2024年度のコールセンターの受付件数(プラントシステム)
2024年度のコールセンターの受付件数(コンポーネント)
2024年度のコールセンターの受付件数(コンポーネント)
【半導体部門】

お客様からのお問い合わせ(技術的な調査/不具合品の解析依頼案件など)はウェブシステムの活用により、窓口の営業部門と工場間で情報を共有し、迅速な対応が図れる体制としています。お問い合わせ内容は、製造工程改善や製品の品質向上にも活用し、データベース化により、お客様への回答時間の短縮、回答内容の充実にも活用しています。また、お問い合わせ件数の低減に向けて、特に製品の使用方法に関するお問い合わせ内容を分析し、アプリケーションマニュアルに反映し、当社ホームページにて公開しています。
2024年度のお問い合わせ件数は1,921件ありました。2025年度は前年度比5%低減することを目標にしています。

2024年度のお客様からの問い合わせ件数(海外コールセンター含む)
2024年度のお客様からの問い合わせ件数(海外コールセンター含む)
モジュール製品:IGBTモジュール、IPM(Intelligent Power Module) 等
ディスクリート製品:電源IC、車載用パワーIC、圧力センサ、MOSFET、
IGBTディスクリート、バイポーラトランジスタ、ダイオード  等
チップ外販製品:車載用IGBTチップ  等
【食品流通部門】

修理受付窓口とお問い合わせ窓口を東京八丁堀事務所に集約し、コールセンター人員が一次対応を行っています。技術相談は、web問い合わせ(2021年4月より)で受け付け、資料送付やお客様へのメール回答等はフィールドサービス課員が対応しています。
コール対応は、個々のノウハウ・知識・情報の共有を図るために当社独自のナレッジ検索システムを導入しています。また、一部実機を配備し、お問い合わせ時に現地と同等レベルでの対応ができる体制としています。技術支援ツール「チャットボット(2021年9月導入)」にも日々情報を追加して充実を図り、画像・動画等の解説で現場復旧サポートの迅速化に努めています。
2024年度のコールセンター受付件数は、自動販売機・店舗・金銭機器トータルで、682,709件でした。そのうち、修理・定期点検等対応が642,079件、お問い合わせ対応が40,630件でした。また、技術webサポート含めたお問い合わせ対応でフィールドサービス課員が対応した技術サポート件数は、年間10,751件でした。

2024年度のコールセンターの受付件数
2024年度のコールセンターの受付件数
自動販売機:缶・カップ・たばこ・アイス他
金銭:釣銭機 等
店舗:ショーケース、他店舗機器

お客様満足度向上の取り組み

【エネルギー/インダストリー部門】

 富士電機コールセンターでは、お客様に安心してお問い合わせいただけるよう、お客様情報を扱う部門として、2005年から情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証を取得しています。2024年度は定期審査を受審し認証を継続しました。ISMSの維持・向上を図るため、日々改善を行っています。また、富士電機グループの各問い合わせ窓口と定期的に連絡会を開催し、相互連携を強化しています。特にお客様対応状況や課題などを共有することにより、更なるお客様満足度の向上に取り組んでいます。

 コンポーネントのお問い合わせに対応する技術サービスセンターでは、専属の1次オペレータと技術スタッフの2次オペレータの体制で対応し、つながり易さを示す応答率(応答数/受電数)は、99.0%と高い水準を維持しています。また、お客様からのお問い合わせに対するオペレータの迅速かつ丁寧な対応に向けた社内教育の継続実施および社内向けFAQ等のナレッジ整備を実施し、更なるお客様満足の向上に取り組んでいます。

【半導体部門】

お客様との技術会議、品質会議、監査対応等を通じて、お客様のご要望に基づいた製品・サービス改善活動を製販一体となって推進することにより、お客様満足度の向上に努めております。
なお、コールセンターに従事する技術スタッフは、設計、製造、品質保証部門でのトレーニングを通じて、技術力、顧客対応力の向上を図っています。

【食品流通部門】

コールセンター人員・フィールドサービス人員へ研修会・情報共有を行っています。
新機種を含めお問い合わせが多くなると予想される内容や、お問い合わせが増えてきた内容については、いち早く情報共有を実施しています。
また、お客様からのお問い合わせに迅速かつ、的確に対応できるよう定期的に研修会を行っています。なお、研修会につきましては集合研修並びに、webによるオンライン研修(製品・研修動画配信による教育ツール化)を更に活用し、少人数制(複数回実施)による対応も行っております。

お客様と進めるCSR

販売パートナーとの取り組み

富士電機は、販売パートナーである特約店様を含めた営業活動全体でのCSRを推進しています。バリューチェーンで重要な一役を担う特約店様向けに、CSRについての概要をはじめ富士電機のCSRの考え方やバリューチェーンでCSRに取り組むことの重要性について理解を深めていただいています。当社方針説明会や製品研修会、情報交換会を開催し、品質確保の取り組みや環境負荷の少ないものつくりを理解していただき、当社の製品を販売することが社会への貢献につながることを認識していただいています。