富士電機

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THE SWITCH

Vol.8 勤続35年のベテランに聞く!
「私とマグネットスイッチ」

「35年間、ずっと国内シェアトップ」
富士電機機器制御のマグネットスイッチ「新SCシリーズ」の事実に驚いた若手製品企画担当の橋村が、その歩みを見つめ続けたベテラン2名にインタビューを実施!
話を伺ったのは電磁開閉器の設計部長である森下、中国へ赴任中の設計キーマンである中村の2名。
いろんな苦労話も伺いながら、時代が変わっても、変わらずに支持されつづける理由も見えてきました。

自分がやるとは思ってもみなかった、
マグネットスイッチ開発。

――お二人はもう長いことマグネットスイッチを担当されていると思いますが、入社当初からご担当だったのでしょうか?

中村:入社時はマグネットスイッチの設計におりましたが、6年後に制御機器設計への配置転換いたしました。ただ数年後、マグネットスイッチ開発が社内で立て込んでたこともあり、再度マグネットスイッチの設計に戻ることになりました。

森下:私が最初に配属されたのは「総合研究所」という部門で、社内工場用の産業用ロボットの開発などを担当していました。

――お二人とも当初からマグネットスイッチ専門ではなかったんですね!

森下:当時の主力機種(新SCシリーズ)の発売に合わせ、吹上工場に自動生産ラインが設置されたんです。わたしは新SC自動組立ラインの立ち上げに携わっており、マグネットスイッチがつくられる現場を横目で見ていました。その時はまさか自分が後にマグネットスイッチに関わるとは思ってもいませんでしたね。

――では、いつからマグネットスイッチの開発に携わることになったのでしょうか?

森下:新SCシリーズの次のモデルである「NEO SCシリーズ」からですね。当時、NEO SCシリーズの開発にはとても時間がかかっていたんです。それで、社内のいろんな部署から知見を持った人物が集められ、私も開発者として途中参加する形で加わりました。

中村:私はその時、別のシリーズのマグネットスイッチの開発に携わっていたのですが、「NEOの方を見てくれ」ということで、一緒のチームになった感じです。

――最初に開発に着手したときのことで、どんなことが記憶に残っていますか?

森下:最初にサーマルリレーという部品を担当したんですが、チーム全体で「従来のものを超えたい」という想いを持って、高い壁に挑んでいました。みんなが手探りでいろんな試行錯誤を行っていましたね。

中村:マグネットスイッチのトップランナーとして、完成度の高いものを追い求めていたので開発にはとても長い時間がかかりました。あの時集まったメンバーがいなかったら多分もっと時間がかかっていたんじゃないですかね。

森下:とにかく自分たちがなんとかしないとというプレッシャーも相当ありました。

中国の赴任先からインタビューに応える中村

業界基準になるものをつくろうという志。
歴史に刻まれる、35年前のモデル。

――トップランナーとしての自負は、ものつくりにどう現れてくるものでしょうか。

中村:他よりも常にいいスペックを求めることと、その品質をしっかり維持することは絶対にクリアしなければならないと思っています。そういう面では新SCシリーズは、高い基準を超えた製品と言えますよね。

森下:私たちが開発に携わったNEO シリーズもそうですが、その前の新SCシリーズも考えてみれば当時としてはすごい製品ですよね。

中村:35年前の当時から、将来性を見据えて長く使えるようにという開発思想が根本に流れていたんです。

森下:新SCシリーズは、マグネットスイッチの歴史をつくった製品なことは間違いないですよね。FCSが総力を挙げてつくり上げた、業界基準と呼べるモデルといっても過言ではないと思います。

1988年 社内広報 富士時報より

技術者が率先して、お客様との
よい関係を深めようとする姿勢。

――トップランナーとしてのものつくりへの姿勢が、新SCシリーズ以来35年、ずっと国内トップシェアであるという事実にもつながっているんですね。

中村:そうですね。でも、35年間トップランナーでありつづけたのは、自分たちだけの成果だけではなく、製品を使ってくださるお客様がいるからこそです。お客様と技術者が密にコミュニケーションを取ることで、我々の技術力も高まる。お客様と高め合う関係性から良い製品が生まれている。そういう風に感じます。

――具体的にはどういうことでしょうか?

森下:若手もベテランも関係なく、技術者がお客様の現場に赴き、製品の使われ方を学んでいますよね。その結果、お客様の目線が開発に反映されているのだと思います。

中村:そうやってお客様のニーズに合ったラインアップができていくんですよね。カスタム品が多いというのもFCSならでは特徴だし、そういう姿勢が強みにつながっているんじゃないかと思います。技術者が現場に行けば、技術者同士の会話ができますし。

取材を実施した橋村(左)と電磁開閉器の開発に携わっている部長の森下(右)

新SCシリーズはひとつの完成形。
自分たちを超えるのは、自分たち。

――お二人が思う、新SCシリーズの強みってなんですか?

森下:頑丈なところですね。これ使っていればまぁ問題ないということは自信もって言えると思います。

中村:製品としては、あるべき姿にたどり着いたモデルと言えますよね。言ってしまえば新SCシリーズはマグネットスイッチのひとつの完成形。

森下:私たちが携わったNEOシリーズへのモデルチェンジもありましたけど、やっぱりそれも新SCがベース。新SCがあったからNEOも生まれたんですよね。

中村:新SCは登場以来、おそらく 業界全体のお手本になっていると思いますし、そうであればいいなと思っています。

――最後に、マグネットスイッチの今後について伺いたいです。次のモデルがでる時には、他社との競争が激しくなっていたりするのでしょうか?

中村:いや、次のモデルが出るとしたら、ライバルは新SCシリーズになるでしょうね。

森下:ひとつの完成形にたどり着いたからこそ、そこを超えられるのは自分たちしかいないと。

中村:かっこいい感じにまとめたね。

森下:いやいやいや(笑)

トップランナーとしての妥協のないものつくりの姿勢、そしてお客様と真摯に向き合う姿勢が、35年間トップシェアという歩みとなっているのだと今回のインタビューで発見できました。「ライバルは自分たち」という想いをこれからも胸に、富士電機機器制御では高い品質を追い求めながらお客様のニーズに応えてまいります。

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