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生産現場における脱炭素化、DX実現に貢献するプラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」を発売

生産現場における脱炭素化、DX実現に貢献するプラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」を発売 PDF ( PDF(233KB))

2024年5月30日
富士電機株式会社

 富士電機株式会社は、素材・加工組立産業等の生産現場における脱炭素化、DX実現に向けて、電力損失の低減と通信できるデータ量の増大を実現したプラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」を発売しましたので、お知らせします。

1.背景

プラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」

 国内外の製鉄や製紙等の素材産業や自動車等の加工組立産業では、脱炭素化に向けて生産現場におけるCO2排出量の削減に取り組んでいます。また労働力不足が課題となるなか、生産現場では操業や保守作業の省人・省力化に向けて、製品品質や生産設備の稼働状況といった多くの情報を収集し利活用するDX(デジタルトランスフォーメーション)が進められています。
 製鉄所の圧延機等の生産設備や港湾クレーンはモータを動力源としますが、インバータやコンバータで構成されるプラント用ドライブ装置がこれらのモータを最適に制御します。
 今般当社は、モータ制御における電力損失を低減するとともに、通信できるデータ量を増大させたプラント用ドライブ装置「FRENIC-GS」を発売しました。日本、中国ならびに経済成長が続く東南アジアやインドを中心に本製品を展開します。

2.製品の特長

1)電力損失を抑え、消費電力量を低減
 生産設備や港湾クレーンでは省エネの観点から、モータが減速・停止する際に生じるエネルギー(回生電力)を電源系統に戻し、他のモータの運転等に再利用しています。
一般的に回生電力は、インバータやコンバータで電力変換を行い電源系統に戻されますが、本製品は回路構成を最適化することで、回生電力を電源系統に戻すことなく再利用します。電力変換の回数を減らすことで変換時の損失を抑え、消費電力量を最大で4%程度低減します。
 また、ドライブ装置でモータを制御する場合、電源波形にわずかなひずみが生じます。このひずみが周辺機器に悪影響を与えるため、一般的には回路にフィルタを設けてひずみを抑えますが、その際にフィルタ内の抵抗器による損失が発生します。当社は抵抗器を使わずにひずみを抑える電力制御技術を開発し損失を低減。これらにより生産現場の省エネを実現し、CO2排出量の削減に貢献します。

2)高性能CPUの適用と通信ネットワークの分離により、通信できるデータ量を増大
 一般的にプラント用ドライブ装置では、設備の稼働状況や故障状況等を記録・監視するための情報収集やモータを指令通りに制御するためのデータ通信を同一のネットワークで行っていますが、通信できる速度や量には限りがあり、制御のためのデータ通信が優先されていました。
 本製品は、装置本体に高性能CPUを適用しデータ処理能力を向上させるとともに、情報収集用(情報LAN)と制御用(制御LAN)のネットワークを分離させることで、応答性などの制御性能はそのままに、通信できるデータ量を増大させました。これによりお客様における情報の利活用を促進させ、生産現場でのDX実現に貢献します。

3)変換装置の冷却構造と盤の風洞構造を改良し、業界最高水準の小型化を実現
 インバータやコンバータ等の変換装置は、通電時の電力損失により熱が生じます。
 本製品は、これらの冷却構造を改良し冷却効率を高め、放熱スペースを削減。さらにインバータやコンバータを収納する盤においても熱を逃がすための風洞構造を見直すことで、製品サイズ(寸法)を業界最高水準まで小型化しました(当社従来品比で約2割削減)。これにより設置場所の省スペース化に貢献します。

3.主な適用先・地域

【適用先】
 ・鉄鋼・非鉄、紙、セメント、石油化学等の素材産業
 ・自動車等の加工組立産業
 ・港湾および建設等のクレーン
【地域】
 日本、中国、アジア、インド

4.発売日

即日

5.本製品に関するお問い合わせ先

富士電機株式会社 パワエレ営業本部 産業ソリューション統括部 営業第一部
☎03-5435-7031

(注)

本リリースに掲載している情報(製品仕様や問い合わせ先、価格等)は発表日時点のものであり、予告なく変更する場合もございます。