鋳造分野
るつぼ形誘導炉(中/高周波)

高効率誘導炉に、進化系電源技術を結集 省エネルギーかつ安全・安心な操業を実現 高周波誘導炉 F-MELT100G

豊富な製作実績をもとに、富士電機が得意とする「パワエレ技術」、「高圧絶縁技術」、「解析技術」を結集した高周波誘導炉 F-MELT 100G。
信頼性と安全性をさらに進化させ、他の追随を許さない高性能を実現しました。

炉体

高精度な解析技術で、炉体構造を最適化。省エネルギーかつ安定した操業を実現

炉体構成品を最適化し、コイル効率アップ。さらに省エネルギーを実現

磁界解析を用いたコイル・継鉄の最適配置により、コイル効率・炉体への損失を低減。
炉体の効率アップとともに、業界トップクラスを誇る省エネ効果を実現します。

3次元電磁界シミュレーション例
溶湯量の違いに拠るシミュレーション例

溶解過程全体に着目し、効率性をさらに追究

定格溶湯時だけでなく、溶解途中のコイル効率を向上させることで溶解過程全体の効率化を図ります。

溶湯量と効率

コイル交換の所要日数を、従来の約1/3に短縮

従来機
コイル交換作業所要日数:3~ 4日
  • 継鉄上下が不定形キャスタに埋込んであるため、コイル交換時に解体作業が必要。そのため、解体作業時に継鉄・コイルを損傷させる危険性がありました。

  • コイル交換後、型枠をセットし、キャスタ流し込み作業とキャスタ乾燥作業が必要でした。

F-MELT100G
コイル交換作業所要日数:1.5日
  • 上部定型キャスタ部が、炉枠と分割構造となっています。

  • 一体成型品のため、コイル・継鉄施工(交換)が容易です。

  • コイル引出し部が、炉体内で施工できます。引出し込みでコイル交換が可能です。

3t炉の例(築炉の時間を含まず)

絶縁強度クラスの高電圧化により、安全な操業を実現

10kVクラス絶縁を採用し、コイル絶縁性能を強化。長期絶縁評価試験により、多湿・汚染環境下においても安定した絶縁性を確保できることを検証しています。

高湿度部分放電試験装置
3次元電界強度解折例

電源

大容量IGBT(注)スタックを採用。高性能・コンパクトな新型電源で、操業を効率化

IGBT:Insulated Gate Bipolar Transistor

大容量IGBTスタックを採用。さらなる効率アップを実現

業界に先駆けて2006年に製品化を果たした、IGBTスタックの大容量化・高電圧化により、さらなる効率アップを実現。
電源容量は、最大20MWまでラインアップしています。

メンテナンス性を向上。電源サイズを従来比75%までコンパクト化

盤前面メンテナンス構造の採用により、保守性を向上。IGBTスタックも車輪により引き出しが可能です。
また、新型IGBTスタックの採用と背面スペースの削減により、電源をコンパクト化(体積比75%:当社従来機比)。お客様の設置スペースに柔軟に対応します。

高速デジタル制御装置を採用。安全な操業、早期復旧に貢献

当社インバータや無停電電源装置で実績のあるデジタル制御技術を採用。瞬時制御により、運転データをリアルタイムに監視し、異常発生時も設備を安全に保護します。また、RAS(注)機能により故障前後の運転データをトレース可能。異常発生時の原因究明・早期復旧に貢献します。

RAS:Reliability, Availability, Serviceability

データ設定画面例
故障前後の運転データをトレース

パワーシェアリングにより、交互出湯操業に対応

一つの直流電源に、複数の高周波変換部を並列に接続(コモンコンバータ・マルチインバータ)することで、各誘導炉の電力を溶解システムの直流電源容量枠内で任意に配分できます。多品種少量生産にも柔軟に対応でき、キュポラ同様の連続出湯も可能です。

溶解システムの構成例

IoT技術

最新デジタル技術を駆使し、操業を「見える化」。予兆監視や予防保全に貢献

システム構成

主要ポイントの操業データを把握し、ネットワークを通じて集積することで、現場や事務所での解析が可能です。操業状況を「見える化」するだけでなく、予兆監視・予防保全・最適運転パターンなどの解析にも活用できます。

各種機能

運転状況の「見える化」

タッチパネルに運転状況(電力・電力量・炉体質量)、炉内溶解材料状況、インタロック成立状況などをリアルタイムに表示し、運転管理・操業効率向上に寄与します。

各種データのトレンド表示

湯洩れ電流・冷却水流量・温度値をトレンド表示します。再築炉のタイミング判断、冷却水回路の詰まりなどの傾向を把握することで安定操業に貢献します。

コイル冷却水温度トレンド
電源トレンド
トラブルシューティング

設置トラブル発生時に、設備停止などの保護動作を行います。また、タッチパネルに故障判断・故障原因と処置方法の候補を表示し、早期復旧に貢献します。

冷却水温度監視システム

制御盤に冷却水各分岐ごとの温度をリアルタイムに表示します。トレンドデータから冷却水回路の詰まりや、機器の劣化が判定でき、より確実な予防保全が可能です。

運転補助機能

シンター機能

事前に冷炉~溶け始めまでの入力電力を設定することで、スケジュールに沿ったシンター運転を自動で行います。

オプション

電力監視(デマンド機能)

電力監視盤を操作し、複数炉を一括で制御できます。高い電力需要率により、操業効率をアップします。

安全柵

炉体傾動と合わせて上昇する安全柵を取付けます。傾動時の開口への落下を防ぐことが可能です。

ロードセル

着座時の炉内質量を秤量します。質量は操作盤で7セグメントの表示が可能です。

集塵装置(リングフード)

ばいじんを効率的に捕集します。リングフードと旋回ボックスで構成しています。

集塵装置(キャプチャーフード)

2軸開閉機構により、材料投入・溶解・出湯に合わせて効率的に集塵を行うことが可能です。

誘導炉操業支援システム

誘導炉操業支援システムとは、誘導炉設備の運転状態を、ネットワークを通じて遠隔監視するものです。従来帳票へ手書きで記録・集計していた運転データを、自動的かつリアルタイムで確認することができます。また、異常発生時においては、異常の内容、発生時の運転状態を、現場、事務所で共有することで、早期復旧につなげることができます。

容量系列

お客様のニーズに合わせ、容量・仕様ともに幅広く取り揃えています。

本表は鋳鉄溶解用の容量系列表です。

⾼周波誘導炉とは

富⼠電機の⾼周波誘導炉は、電磁誘導の原理を⽤いて⾦属を効率的に加熱・溶解する装置です。⾼周波電流をコイルに流すことで強⼒な誘導磁界を発⽣させ、⾦属内部にうず電流を⽣じさせて直接加熱します。燃焼式と異なり、加熱対象を清浄かつ均⼀に処理できるため、鋼、アルミ、銅など多様な⾦属に対応します。さらに、⾼い温度制御精度と急速加熱が可能で、⽣産効率向上やエネルギーコスト削減にも貢献します。富⼠電機は⻑年の技術蓄積を活かし、省エネルギー性、安全性、メンテナンス性に優れた誘導炉を提供しており、⾦属加⼯、鋳造、精錬など幅広い産業分野で採⽤されています。環境負荷低減と安定した品質確保を両⽴し、持続可能な製造現場を⽀える加熱ソリューションです。

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