富士電機株式会社

富士電機製品コラム

家電製品などで、最近よく耳にする「インバータ」とは?

エアコンや冷蔵庫、洗濯機など、家電量販店のコーナーで最近よく耳にする「インバータ」という言葉。皆さんはこの意味をご存知でしょうか?

インバータの回路や装置は、家電製品だけでなく、重電分野の産業機械なども含めて、幅広く世の中で使われています。というのも、インバータの回路や装置には、様々なモータの回転をコントロールし、エネルギーを有効に使う役割があるからです。そのため、モータが含まれている製品であれば、ほとんどのケースで適用できます。

では、「インバータエアコン」を例に説明します。エアコンの心臓部にはコンプレッサがあり、そのポンプ部にモータが使われています。ポンプのモータの回転が速いほど、冷たい空気を作れます。室内が暑い時は、インバータ回路によってモータを高速回転させ、室内の空気を素早く冷却。その後、通常運転によって涼しさを維持することで、効率的にエネルギーを利用できます。この原理は冷蔵庫も同様です。

一般の家庭に供給される交流(AC)は、AC100Vの電圧/50Hzか60Hzの周波数と決められています。周波数とは、簡単に言うと交流の波が1秒間に何個あるのかを示す値です。例えば、関東では電力会社から1秒間に50個の波が送られ、関西では1秒間に60個の波が送られてきます。

交流で動くモータの回転速度は、周波数に比例して変化します。周波数を高くすると、モータの回転が速くなり、逆に低くすると回転が遅くなります。ただ、日本の家庭の商用交流はAC100 V/50Hzか60Hzで固定されているので、回転数をコントロールするには、周波数を連続的に変える仕組みが必要になります。ここでインバータの回路や装置が活躍しているのです。

インバータ装置はどういう仕組みで動く?その基本原理を知ろう

では、インバータ装置の仕組みについて簡単に説明しましょう。まず、一定の電圧と周波数で送られてくる交流を「コンバータ回路」で直流に変換します。次に、その直流を「インバータ回路」に通し、再び交流に戻すのです。ややこしいですが、インバータ装置は、コンバータ回路とインバータ回路がセットになっており、その両方が内部で使われています。

インバータ装置の仕組み

なぜ、こんな面倒な処理をしているのかというと、入力した交流のままでは、交流の電圧や周波数を自在に変え、交流として出力することが難しいからです。そこで、いったん交流をコンバータ回路などで平らに均らして直流にした後、インバータ回路で短冊のようにバラバラに分け、それらを組み合わせることで、高さ(電圧)や周期(周波数)を変えて、疑似的に交流を作り出すような方法を採用しています。

縁の下の力持ち!インバータ装置や回路のメリットとは?

冒頭で触れたように、インバータ装置や回路は、家電製品から産業用の重電機まで、私たちの日常で幅広く使われています。例えば、エアコンや冷蔵庫のような家電は、インバータ回路によって電圧や周波数を変えることで、モータ(ポンプ)の回転をコントロールして、無駄なエネルギーを使わないようにする省エネ効果があります。

同じ家電でも、IH調理器(IHクッキングヒータ)や炊飯器、蛍光灯にはモータは入っていませんが、ここにもインバータ回路が利用されています。電圧は一定ですが、周波数を変えることで、明るさや温度を変えています。コンピュータ用電源の給電方式にもインバータ回路が使われています。こちらは電圧も周波数も一定ですが、誤動作や停止しないように安定した出力を供給する目的で内蔵されています。

こういった家電だけでなく、私たちが普段から何気なく使っている機械にもインバータ装置が陰で活躍しています。例えば、エレベータに乗った時、上昇し始めや停まる直前、微妙にゆっくりと動いていることに気づくでしょう。これはエレベータを引き上げるモータの回転を、始動時と到着時でスロースタート/スローストップするようインバータ装置でうまく制御し、人が快適に乗れるようにしているためです。もし、いきなり速度を上げたり、急停止したりすると、人の体にも負担が掛かってしまいます。

同様に、ベルトコンベアから流れてくる製品を見てみましょう。コンベアのモータにもインバータ装置が使われており、始動時と停止時の速度を制御しています。ベルトコンベアを高速で動かしたり、急停止させたりすると、ベルトに乗っている製品がズレ、落ちてしまいます。そのようなことがないよう、インバータ装置で最初と最後を優しく動かしています。

インバータ装置の役割

そのほかにも、クレーン、ファン、ポンプ、食品加工機、搬送・運搬機械、包装機、工作機械、プレス機など、産業分野でも、インバータ装置は縁の下の力持ち的な存在として頼りにされています。

「こんな場所でも使われている」と分かれば、あらためてインバータの偉大さと有難みを実感できるでしょう。

関連製品

関連コラム

ページの先頭へ戻る