製品情報
富士電機の表面処理(めっき)

富士電機の表面処理(めっき)

富士電機のめっき技術

金属(主に銅やアルミ)の表面に金属の薄い皮膜を形成させる技術です。
富士電機では、複雑な形状の部分めっきも独自の高いめっき技術で対応します。

  • 川崎工場操業開始以来の、長い歴史に裏付けされた高い技術

  • 多くのお客様に高品質の製品を納入し、選ばれ続けてきた高い信頼性

  • 最大5m大型めっき槽と、0.5tのクレーン設備を保有

  • 豊富な銅材在庫により、素材、加工、めっきの一括製作が可能で、納期を短縮

富士電機のめっき技術紹介動画

♦富士電機のめっき(表面処理)

製品案内

電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、電気ニッケルめっき、無電解ニッケルめっき、クロムめっき、金めっきなどは、 協力会社に依頼となりますが対応可能ですので、お問合せください

特長

複雑な形状の部分的めっきも独自のめっき技術で対応

特殊治具制作による内部めっき処理

自作電極を用いた円筒内部の部分めっきも対応します。
複雑な形状や、中空加工品の内部めっきも対応します。

マスキング材を用いた部分めっき処理

難しいアルミの鋳物の部分めっきもマスキング技術で解決します。

充実した実験設備により、めっき液の状態をベストに管理

めっきの実験設備を有しており、品質管理も常に実施

蛍光X線膜厚計により、膜厚測定

膜厚を管理することで、常に安定した製品としています

材料調達、加工、めっき、検査、発送まで一括で承ります

豊富な銅材在庫による納期の短縮

専用の保管庫で数十種類の5m銅板を常備しています。
図面を基に、自社在庫銅材を加工処理へ最短で送ることが可能です。

真空脱脂装置で大量の前処理が可能

最大5mのめっき槽による長尺物めっき対応

最大5mのめっき槽とめっき槽上0.5tのクレーン設備で長尺・重量物に対応します。

環境保全装置を装備して、環境負荷の軽減に取り組んでいます

有害物質の排出抑制

加工を行う工場は、国際規格ISO14001の認証を取得しています。表面処理部門でも優れた環境保全システムのもと、めっきの加工工程で使用・発生する有害物質の排出を排出基準以下に抑え、地域住民との共存に努めています。

製品案内

半光沢銀めっき

銀めっきとは、金属材料に銀水溶液を浸漬させて、通電することで表面に銀の被膜を形成するめっきです。特長として、電気導電性と熱伝導性が高く、スイッチ、端子、接点に用いられます。光沢銀は、添加材を付与することで光沢性と、硬度が高くなり、無光沢銀と比較して傷が付きにくく取り扱いが容易になっています。

用途:電気部品(ブスバー、コネクター)
膜厚:3~40 (μm)
槽サイズ:4150×600×500 (mm)

無光沢銀めっき

銀めっきとは、金属材料に銀水溶液を浸漬させて、通電することで表面に銀の被膜を形成するめっきです。特長として、電気導電性と熱伝導性が高く、スイッチ、端子、接点に用いられます。当社は、重電部品用途に使用されるアルミの鋳物等被膜形成が難しいめっきを得意としています。高価な銀を使用しますので、必要な部分のみをめっきするためのマスキング技術を有しています。無光沢銀は、添加材を使用していないので、高い電気導電性を得ることができます。

用途:重電部品(開閉装置の電気部品、圧着端子、接触導体)
膜厚:3~40 (μm)
槽サイズ:2150×1200×990 (mm)、2290×545×850 (mm)

光沢スズめっき

すずめっきとは、金属材料にすず水溶液を浸漬させて、通電することで表面にすずの被膜を形成するめっきです。特長として、毒性が低いことから食器や缶詰などの食品用途に使用されます。融点が低く(232℃)、はんだ付けや電気部品へのめっきに適しています。光沢すずは、添加材を付与することで光沢性と、硬度が高くなり、無光沢スズと比較して傷が付きにくく取り扱いが容易になっています。

用途:重電部品(ブスバー、端子、ピン)、装飾品(ボタン、ホック)、食器(なべ、缶詰め等)
膜厚:5~20 μm 以上
槽サイズ:2700×700×850 (mm)

無光沢スズめっき

すずめっきとは、金属材料にすず水溶液を浸漬させて、通電することで表面にすずの被膜を形成するめっきです。特長として、色は明るいねずみ色で、毒性が低いことから食器や缶詰などの食品用途に使用されます。融点が低く(232℃)、はんだ付けや電気部品へのめっきに適しています。無光沢すずは、添加材を使用していないので、硬度が低く柔軟性、潤滑用に適しています。

用途:重電部品(ブスバー、端子、ピン)
膜厚:5~20 μm 以上
槽サイズ:5175×805×850 (mm)

銅めっき

銅めっきとは、金属材料に銅水溶液を浸漬させて、通電することで表面に銅の被膜を形成するめっきです。特長として、電気導電性、接着性、抗菌性があります。鉄素材の密着性が高いことから、錫、銀、ニッケル等の下地めっきとして利用されます。

用途:自動車部品、通信器部品
膜厚:3~40 (μm)
槽サイズ:2150×1200×1150 (mm)

そのほか(電気亜鉛めっき、溶融亜鉛めっき、無電解ニッケルめっきなど)

電気亜鉛めっき

電気亜鉛めっきとは、金属材料に亜鉛水溶液を浸漬させて、通電することで表面に亜鉛の被膜を形成するめっきです。特長として、防食性があります。鉄素地上の亜鉛めっきに、ピンホールや傷ができても、亜鉛が優先的に溶解して鉄を防食する犠牲防食作用を持っています。亜鉛めっき上に、クロメート処理などの化成処理施すことで、亜鉛の白さびや汚れ付着を防止できます。鉄素材に薄くめっきできることから、ピッチを切ってあるボルト、ナット、ネジに適用されています。

用途:ボルト、ナット、ネジ

溶融亜鉛めっき

溶融亜鉛めっきとは、高温で溶かした亜鉛に鋼材を浸漬させて、表面に亜鉛の被膜を形成するめっきです。特長として、防食性、密着性、均一性があります。鉄素地上の亜鉛めっきに、ピンホールや傷ができても、亜鉛が優先的に溶解して鉄を防食する犠牲防食作用を持っています。高い防食性や密着性を持っていることから、鉄塔や屋外架台など屋外製品での使用が多くなっています。塩害の地域では、亜鉛めっきの上に塗装処理を施すことで長寿命化を図ることができます。

用途:鉄塔、架台、カードレール

無電解ニッケルめっき

無電解ニッケルめっきとは、電気を用いず、還元剤を用いて化学的に被膜を形成するめっきです。還元剤の種類により、Ni-P(次亜リン酸ソーダ)、Ni-B(ホウ素化合物)等に分類されますが、Ni-Pが広く普及しています。特長としては、電気を用いないので、導電性のない樹脂や複雑な形状の素材上に均一にめっきすることができます。Ni-Pめっきは、含有するリン(P)の含有量によって低リン(3%前後)、中リン(9%前後)、高リン(12%前後)に分類されており、耐食性(塩水噴霧)、耐酸性、耐アルカリ性、耐摩耗性等、必要な用途により使い分ける必要があります。

用途:プリント基板、ハードディスク、シャフト、樹脂成型用金型、バルブ、ポンプ

硬質クロムめっき

硬質クロムめっき処理とは、ハードクロム、工業用クロム、硬質クロムとも呼ばれ、電気めっきの中では最も硬いめっきです。JIS(H8615)では、硬さを表すビッカース硬さ(HV)は750以上とされています。特長としては、非常に硬い、耐摩耗性が高い、摩擦係数が低い、塩化物以外の薬品に対して安定であり耐食性が高い等があります。金属との密着性も高いことから、工具、金型の耐摩耗性改善のために使用されます。

用途:金型、シリンダー、ピストン、車のクランクシャフトやピストンリング、ピストンロッド、軸受けなど

めっき加工の流れ

材料やめっきの種類により工程が異なるため、ここでは銅上の光沢錫めっきについて流れを説明します。

材料調達

各種銅材の在庫を常備し、図面を頂ければ加工も承ります。

前処理(洗浄)

脱脂洗浄:
金属製品に付着した防錆剤、加工・切削時の油脂を除去します。

酸洗い洗浄:
金属製品上の酸化被膜やサビを酸で除去します。

めっき

光沢錫めっき処理:
製品を治具に取り付け、めっき液に浸漬して通電することで表面にすずの被膜を形成します。

洗浄乾燥

表面についているめっき液を水、お湯で洗浄し、エアーで水分を飛ばして乾燥します。

検査梱包

外観および膜厚を検査後、キズが付かないように梱包します。

出荷

宅急便やトラックでお客様の元に納品します。

主力製造設備

ご注文の流れ

仕様相談 > お見積り > 受注(試作製作) > 表面処理加工 > 品質検査 > 納品

仕様相談

まずは、お問い合わせいただき、打ち合わせを行います。
お客様のご依頼内容を確認し、仕様を決定します。

お見積り

見積書を提示し、受注範囲を明確にします。

受注(試作製作)

ご希望内容、数量、納期、金額などの基本条件に合意いただけましたら、ご注文(受注)となります。
必要に応じて試作品を製作し、お客様確認の上、ご依頼内容を明確にします。
(試作の有無については、別途ご相談させていただきます)

表面処理加工

実製作を開始します。

品質検査

仕様に適合した製品であることを確認するため、膜厚測定や、必要に応じて加熱試験など各種試験を実施します。

納品

納品となります。

お問合せ

富士電機株式会社 川崎工場 第二製造部
〒210-9530 川崎市川崎区田辺新田1番1号
電話:044-329-2282 FAX:044-329-2294

川崎工場のご案内

タクシーご利用の場合

  • JR川崎駅東口より約20分

  • 京浜急行京急川崎駅より約20分

  • 東海道新幹線新横浜駅より首都高速1号横羽線浅田出口経由約30分

  • 羽田(東京国際)空港より首都高速1号横羽線浜川崎出口経由約20分

バスご利用の場合

JR川崎駅東口より 川崎鶴見臨港バス⑤番 川24系統 鋼管循環 または ④番 川28系統 京町循環に乗車約25分 富士電機前下車徒歩1分

めっきとは

めっき処理とは

めっきとは、金属または非金属の表面に、金属の薄い皮膜を形成させる技術で、めっきしたい金属イオンを含んだ溶液中での電気化学反応を利用したものです。その化学反応の処理により以下のように区別できます。

めっきのメリット

めっきの特長は、(1)密着性が良い(2)厚さの調整が容易(3)外観が良い(4)めっきの種類が多い(5)多量生産ができる、などが挙げられます。また、素材の表面は、形成された金属の物理的、化学的性質に置き換えられるため、めっきした部分または製品全体の機能や付加価値を高めることができ、その機能により以下のように区分できます。

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