ソリューション・事例
蓄電池併設型メガソーラー発電所

GPDすずらんソーラー株式会社様 すずらん釧路町太陽光発電所
国内最大級の蓄電池併設型メガソーラー発電所を建設

クリーンエネルギーの安定供給を通じた社会貢献

いま、世界は経済成長と環境保全との調和に向けて動き始めています。エネルギー供給の分野においても、クリーンエネルギーを主力電源化していくことが求められており、取り組みが広がっています。たとえば、こちらのすずらん釧路町太陽光発電所では、農地に転用できず、長年遊休地だった湿地帯をクリーンエネルギーの供給場所として有効活用しています。

ただ、クリーンエネルギーの供給において課題となるのが、電力を安定的に供給することです。電力という、生活や産業に欠かせないものだからこそ、災害などの突発的なトラブルに対する耐性強化が必要不可欠ですが、発電量が天候に左右されるクリーンエネルギーでは、安定的に供給することが難しいという課題があります。

電力の需要と供給のバランスに偏りが生じると、周波数変動という現象が発生し、電力系統に繋がる機器の品質低下につながる恐れがあります。そこで、発電量が天候に左右されるクリーンエネルギーなどの、電力の需給バランスを保つ解決策の一つとして、出力変動(供給の変動)を平滑化させる畜電池の活用が拡大しています。メガソーラー発電所等では、今回ご紹介する事例のように、蓄電池を併設することで、系統への影響を抑える取り組みが広がっています。

北海道電力管内で求められる、1分間で1%以内の出力変動

北海道電力では、系統への影響を最小限に抑えるため、「太陽光発電設備の出力変動緩和対策に関する技術要件」において、太陽光発電事業者に電力の安定供給を求めています。

「蓄電池等を併設し、蓄電池等の出力を制御することによって、太陽光発電設備と蓄電池等の合成出力の急峻な変動を緩和」することが求められており、具体的には、「全ての時間において、発電所合成出力の変化速度を『発電所定格出力の1%以下/分』」とすることが明記されています。

つまり、1分間で1%以内の変動に抑えることが求められているのです。クリーンエネルギーの安定供給には課題がある中で、たった1%以内の変動しか許されないという発電所の建設における、富士電機の技術力を紹介します。

高度なEPCノウハウを保有する富士電機

システム全体を丸ごと請け負う技術力と豊富な実績

富士電機は、1923年の創業以来、重電メーカーとして培った製品力と技術力で、太陽光発電のトータルシステム構築が可能です。高圧・特別高圧連系設備や、需給制御技術、そして、太陽光発電システムの心臓部となるパワーコンディショナ(PCS)など、川上から川下までの製品ラインアップで、システム全体を丸ごと請け負います。 EPCと呼ばれる、Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)を含めた、太陽光発電システムのトータルエンジニアリング企業なのです。

また、国内外でのさまざまな発電所建設の実績があり、約20年以上にわたる系統安定化技術を保有しています。太陽光のみならず、風力発電や自家発電装置などの各種電源機器で培った確かな技術が継承されています。

これらの技術力を生かすことで、北海道にしては雪が少ない釧路地方ですが、多雪・軟弱地盤地域での発電量確保と、約30ヶ月という短納期でのメガソーラー発電所の建設を実現しました。

蓄電池併設型で、安定供給を実現

すずらん釧路町太陽光発電所は太陽光パネルの直流入力をPV専用PCSで交流出力に変換し、出力変動緩和制御により余剰または不足となった交流電力を蓄電池専用PCSで蓄電池に充・放電しています。天気がよく出力変動緩和制御により余剰に発電できた分は蓄電池に充電し、発電量が不足している場合には蓄電池から放電することで、北海道電力管内で求められる、1分間で1%以内の変動に抑えた、電力の安定供給を実現しています。 富士電機のPCSでは、太陽光パネルと接続する直流入力と、蓄電池を接続する直流入力、系統に電力を出力する交流出力を1台のPCSで実現した製品もシリーズ化しています。

発電した電気を送電のために効率よく交流に変換する高効率パワーコンディショナ

太陽光パネルで発電した電力を家庭などで使用できる電力に変換するPCSは、太陽光発電システムの心臓部といわれます。このPCSは自社製品を採用しています。他社にはない、独自技術の最新パワー半導体を適用し、業界トップレベルの高効率を実現しています。直流電力を効率よく交流電力に変換するため、従来は複雑な制御を施していましたが、逆阻止IGBTの適用により、電力ロスと部品数の大幅な削減が可能となり、98.8%の高効率を実現しています。

電力系統への負荷を抑制する出力安定化装置

制御盤内では、当社製のプログラマブルコントローラMICREX-SXがPCS、受配電機器を制御することで、電力系統への負荷を抑制する働きを担っています。

すずらん釧路町太陽光発電所では、蓄電池を併設することで、電力の安定供給を実現しています。

すずらん釧路町太陽光発電所

北海道釧路町の約163haの遊休地を活用し、出力規模が約92MW、年間予想発電量が一般家庭約21,300世帯分に相当する約1億550万kWh/年の発電を行うメガソーラー発電所

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