富士電機
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ホーム > 富士電機について > 研究開発 > 富士電機技報のご紹介 > 富士電機技報 2020年 > 第93巻第4号(2020年12月)


富士電機技報のご紹介


富士電機技報 表紙 特集
エネルギーマネジメントに貢献するパワー半導体



特集  エネルギーマネジメントに貢献するパワー半導体

企画意図
富士電機は、エネルギー・環境事業で持続可能な社会の実現に貢献していくことを経営方針の柱に据え、企業活動全体でSDGsを推進し、サプライチェーンを視野に入れて、地球温暖化をはじめとする社会・環境課題の解決に取り組んでいます。この取組みを通じて、国際社会が目指す経済・社会・環境の統合的向上に応え、安全・安心で持続可能な社会の実現に貢献しています。
産業分野や社会インフラなどさまざまなシステムで使われているパワーエレクトロニクス機器、これを動かす上で重要な役割を担うパワー半導体デバイスの性能向上は低炭素化社会の実現にはとても重要です。本特集では、富士電機のパワー半導体デバイスについて、最新の技術および製品を紹介します。

〔特集に寄せて〕微分方程式から偏微分方程式の世界へ
本文:PDF  
208KB  
小笠原 悟司
北海道大学 大学院情報科学研究院 教授

〔現状と展望〕パワー半導体の現状と展望
本文:PDF  
516KB  
大西 泰彦 ・ 宮坂 忠志 ・ 井川  修

国際社会はエネルギー・環境事業で持続可能な社会の実現を目指している。そのために、富士電機はサプライチェーンを視野に入れた企業活動全体でSDGsを推進し、地球温暖化をはじめとする社会・環境課題の解決に取り組んでいる。中でもパワーエレクトロニクスは、ますます高まっている省エネルギー化、低・脱炭素化など環境問題への対応施策を牽引する技術である。本特集号で紹介するパワー半導体は、パワーエレクトロニクスにおけるキーデバイスであり、その技術革新を通じて持続可能な社会の実現に貢献していく所存である。
本稿では、パワー半導体の製品および技術の現状と展望について述べる。

xEV 向け IGBTモジュールの過電流耐量の向上
本文:PDF  
380KB  
原  康文 ・ 吉田 崇一 ・ 井上 大輔

近年、省エネルギー化やCO2排出規制に伴い、世界各国でハイブリッド自動車や電気自動車のような電動化車両への切換えが加速している。電動化車両のインバータに搭載される車載IGBTは、異常時に発生した過電流に対する耐量(I2t耐量)の向上が要求される。富士電機は、RC-IGBTを搭載し、さらにRC-IGBT表面電極の回路への接続をリードフレーム方式として、I2t耐量を向上させたxEV向けIGBTモジュールを開発した。従来の構造では個別FWDとワイヤボンディングによる方式を採用していたが、RC-IGBTとリードフレームを組み合わせた構造によって、I2t耐量が2.6倍向上した。

xEV 向けパワー半導体モジュールの直接水冷技術
本文:PDF  
485KB  
玉井 雄大 ・ 小山 貴裕 ・ 井上 大輔

自動車産業では、電力を動力源とする電気自動車(EV)やハイブリッド車(HEV)への切替えが加速しており、これらの自動車では小型・薄型、かつ、高い信頼性を持つパワーモジュールが求められている。これに応えるため、富士電機は、ヒートシンクとウォータージャケットを一体化した直接水冷構造を開発し、世代ごとに冷却性能を改善してきた。この構造によって、従来のオープンフィン構造に対して冷却器の変形を抑制でき、ヒートシンクのベース厚さを20%まで薄型化して放熱性能の向上と、2倍以上の温度サイクル耐量を実現し、信頼性を向上させた。

車載用第5世代IPS「F5202H」
本文:PDF  
358KB  
岩田 英樹 ・ 豊田 善昭 ・ 中村 賢平

近年、自動車の電動化による電子制御システムの大規模化に伴い、各部品への小型・高放熱化が継続的に求められている。この要求に応えるため、富士電機は車載用第5世代IPS「F5202H」を開発した。負荷電流を高精度に検出するオペアンプを搭載しており、三重拡散構造デバイスの適用により、基本機能を維持したままチップサイズの従来比45%削減を実現した。また、小型・高放熱化に寄与するSONパッケージの採用により、パッケージ面積の45%削減、熱抵抗の80%低減を実現した。エンジンルーム内の過酷な環境下への搭載を想定し、車載向け集積回路(IC)の信頼性規格AEC-Q100に準拠している。

第7世代「X シリーズ」産業用1,200V/2,400A
RC-IGBT モジュール
  
本文:PDF
379KB  
掛布 光泰 ・ 山野 彰生 ・ 平田 朋也

IGBTモジュールの小型化や高信頼性化といった市場要求に応えるため、IGBTとFWDをワンチップ化したRC-IGBT(Reverse-Conducting IGBT)を開発した。第7世代「Xシリーズ」のチップ技術およびパッケージ技術とRC-IGBTの技術を組み合わせ、第7世代「Xシリーズ」産業用1,200V RC-IGBTモジュールを系列化し、2,400Aを加えて定格電流を拡大した。これにより、従来製品と比較して実動作時のチップ接合温度や接合温度上昇を大幅に改善し、電力変換装置のさらなる出力向上や小型化、高信頼性化に貢献する。

第2世代1,200V All-SiCモジュールの系列拡大
本文:PDF  
393KB  
高崎 愛子 ・ 奥村 啓樹 ・ 丸山 力宏

富士電機は、低炭素社会の実現に貢献するためにさまざまな電力変換装置に搭載するSi-IGBTモジュール製品を市場に展開してきた。今回、電力変換効率を改善するため、第2世代1,200Vトレンチゲート構造のSiC-MOSFETチップを搭載したAll-SiCモジュールを開発した。現行品と互換性を持ちつつ内部インダクタンスを低減するとともに、低オン抵抗の第2世代SiCトレンチゲートMOSFETを採用することで、低損失化を達成した。これにより、従来のSi-IGBTモジュールに対してインバータ発生損失を63%低減でき、パワーエレクトロニクス機器の高密度化と小型化に貢献する。

小型パッケージ「P644」を採用した第7世代「Xシリーズ」IGBT-IPM
本文:PDF   
389KB  
寺島 健史 ・ 及木 達矢 ・ 大瀬 智文

富士電機は、電力変換装置のさらなる小型化や高効率化、高出力化の要求に応えるため、ブレーキ回路内蔵IPMとしては業界最小クラスの「P644」パッケージを採用したIGBT-IPMを開発した。この製品は、第7世代チップ技術とパッケージ技術を適用した「Xシリーズ」IPMの系列に属する。従来製品の「Vシリーズ」IPM「P636」に比べ、連続動作時の発生損失を約17%低減し、150℃での高温動作化を実現した。これにより、モジュール設置面積を約12%縮小し、インバータの出力電流を約26%増加できる。

ディスクリートIGBT「XS シリーズ」の系列拡大
本文:PDF  
320KB  
原  幸仁 ・ 前田  涼 ・ 坂井 琢磨

無停電電源装置(UPS)やパワーコンディショナ(PCS)で使用される半導体スイッチングデバイスのさらなる低損失化は、装置の高効率化において極めて重要である。そこで富士電機は、導通損失とスイッチング損失のトレードオフ特性を改善し、UPSやPCSを高効率化する650Vおよび1,200V耐圧のディスクリートIGBT「XSシリーズ」を量産供給している。スイッチング損失のさらなる低減が可能なサブエミッタ端子を追加したTO-247-4パッケージ品を開発し、系列に加えた。定格は1,200V/75Aで、従来のTO-247パッケージ品に比べスイッチング損失を20〜30%低減している。

第4世代臨界モードPFC 制御IC「FA1B00N」
本文:PDF  
380KB  
日朝 信行 ・ 遠藤 勇太 ・ 矢口 幸宏

近年、電子機器の小型・軽量化に伴いスイッチング電源の普及が進んでおり、LED照明などの電子機器の長寿命化と低価格化、高信頼性化と電源コスト低減の両立が求められている。富士電機はこれらの要求に応えるため、第4世代臨界モードPFC(Power Factor Correction)制御IC「FA1B00N」を開発した。従来品が持つ機能に加え、起動時のオーバシュート低減機能などの保護機能の追加、ならびにPFC出力電圧や過電圧検出電圧の精度向上により、電子機器の信頼性向上と電源コスト低減を実現する。

1.2kV SiCスーパージャンクションMOSFET
本文:PDF  
375KB  
俵  武志 ・ 馬場 正和 ・ 竹中 研介

4H-SiCを材料にした1.2kV耐圧のSiCスーパージャンクションMOSFET(SiC-SJ-MOSFET)をn型エピタキシャル成長とAlイオン注入を繰り返して作製し、静特性とリカバリー特性を評価した。SiC-SJ-MOSFETの175℃のオン抵抗は、従来のSiCトレンチゲートMOSFETに比べて、55%〜67%に低下した。またリカバリー特性についても、175℃ではわずかに蓄積電荷量が増加する程度であり、過大なサージ電圧も見られなかった。これらの結果からSiC-SJMOSFETをインバータ回路に適用した際には、トータル損失の低減が期待できる。

解 説
本文:PDF  
92.4KB  
上アームと下アーム

インバータなどのスイッチング回路において、電源から負荷に電流を供給する回路を上アームという。電源に負荷から電流を引き込む回路を下アームという。


新製品紹介

シンチレーション式中性子サーベイメータ「NSN4」
本文:PDF  
399KB  
乾  大佑 ・ 松中 允亨 ・ 布宮 智也

富士電機は、原子力施設、加速器施設、高度医療施設などにおいて中性子による1cm線量当量率を測定するシンチレーション式中性子サーベイメータ「NSN4」を開発した。 現在、中性子検出器に最も広く利用されている3Heは、自然界にはほとんど存在せず、人工的に製造されるため供給量が限定される。また、テロ対策として、放射性物質などの不審物を検査する必要性から、国際的に需要が増加したことによって3Heを入手することができず、さらに価格も高騰するなど供給の安定性が国際情勢の影響を受けやすいといった問題がある。
そこで富士電機は、放射線が入射すると発光するシンチレータを検出器に採用することで、3Heを使用しないシンチレーション式中性子サーベイメータを開発し、製品化した。

東海旅客鉄道株式会社向けN700S 新幹線電車用電機品
本文:PDF  
281KB  
小林 宣之

富士電機は、これまで東海道新幹線の初代0系からN700Aに至るまで、新幹線電車用電機品を納入してきた。このたび、東海旅客鉄道株式会社は、N700系以降13年ぶりのフルモデルチェンジとなる、新型車両N700Sを開発した。N700Sは、さらなる安全・安定輸送を追求し、省エネルギー化などの環境性能、および快適性・利便性を向上させた車両である。また、N700Sは、標準車両の実現により、16両編成だけでなく8両編成や6両編成などさまざまな編成構成に柔軟に対応できる。
富士電機は、新型車両N700Sの実現のため、主回路電機品およびフルアクティブ制振制御システムに組み込まれるフルアクティブダンパ駆動装置を開発してきた。そして、確認試験車を使った走行試験による機能・性能評価を経て、これらの電機品をN700S量産車向けに納入した。

第2世代SiC-SBD
本文:PDF  
341KB  
橋爪 悠一 ・ 内田 貴史 ・ 大瀬 直之

地球温暖化などの環境問題への対応や低炭素社会の実現に向けて、パワーエレクトロニクス機器のさらなる省エネルギー化が求められている。従来のシリコン(Si)を使用したパワー半導体デバイスは、材料物性に起因する理論的な特性限界に近づいている。富士電機では、Siに比べてバンドギャップが約3倍、絶縁破壊強度が約10倍と大きい炭化けい素(SiC)を用いたSiC-SBDを開発してきた。今回、第1世代に比べて特性および順サージ耐量を向上させた第2世代のSiC-SBDを開発した。


こんなところに富士電機

省エネを実現しCO2排出量削減に貢献
シンガポールの病院に空調用インバータ

本文:PDF  
306KB  

略語・商標
  
本文:PDF
109KB  



*本誌に記載されている会社名および製品名は、それぞれの会社が所有する商標または登録商標である場合があります。著者に社外の人が含まれる場合、Web掲載の許諾がとれたもののみ掲載しています。



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