富士電機
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ホーム > 富士電機について > 研究開発 > 富士電機技報のご紹介 > 富士電機技報 2021年 > 第94巻第3号(2021年9月)


富士電機技報のご紹介


富士電機技報 表紙 特集
富士電機のDX(デジタルトランスフォーメーション)



特集  富士電機のDX(デジタルトランスフォーメーション)

企画意図
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立するデジタルトランスフォーメーション(DX)は、今後の企業経営に必須とされています。
富士電機では、IoTやAIを活用したソリューションやそのためのIoT関連技術やAI技術、シミュレーション技術の取組みを強化しています。
本特集では、富士電機のDXを推進するそれらのソリューションや技術について紹介します。

〔特集に寄せて〕DX は気づきから始まる
本文:PDF  
207KB  
森川 博之
東京大学大学院 工学系研究科 教授 博士(工学)

〔現状と展望〕富士電機のDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状と展望
本文:PDF  
828KB  
瀬谷 彰利 ・ 安川 和行 ・ 引地 正則

デジタルトランスフォーメーション(DX)によるビジネスモデルの変革や競争上の優位性の確立は、今後の企業経営に必須とされている。富士電機の注力領域の一つである製造業に対する各国のDX化の状況を概観し、富士電機のDXへの取組みとして、生産設備や自動販売機の運用ソリューション、生産設備の保守ソリューションの概要およびこれらが創出する価値について述べる。また、DXを支える技術として、富士電機が取り組んでいるアナリティクス・AI技術やセキュリティ技術、デジタルツイン技術、シミュレーション技術、ならびに富士電機のDXへの取組みの将来像について述べる。

リアルタイムで不良品検出を実現するAI を適用した機械装置向け診断ソリューション
本文:PDF  
452KB  
湯尾 幸輝 ・ 島村 明夫 ・ 宗像 昌朗

近年、エンドユーザーの品質への要求の高まりにより、機械装置における不良品検出技術の向上が求められている。富士電機は、モーションシステムに組み込んで、加工作業中に不良品の検出を可能とする診断ソリューションを開発した。診断機能は「MICREX-SX」の機能モジュールとして提供され、機械装置の制御アプリケーションと連動し、リアルタイムで不良品を検出できる。また、富士電機のサーボシステム「ALPHA7」のサーボアンプの負荷トルクモニタ機能を使用することで、外部センサを追加することなく高精度な不良品検出が実現できる。

AI 技術適用により蒸気利用設備のCO2 排出量削減に貢献する熱EMS ソリューション
本文:PDF  
456KB  
山口 貴久 ・ 竜田 尚登

近年、CO2 排出量削減の社会的要求が強まり、工場における熱エネルギーの省エネルギー(省エネ)が必須となっている。富士電機では、工場の熱エネルギーを対象とした熱EMS(エネルギーマネジメントシステム)ソリューションを推進しており、蒸気利用設備の熱収支を定量的に把握可能な熱収支分析システムを開発した。本システムでは設備の熱効率を常時監視し、熱効率が悪化した場合にはAI 技術を応用した分析によりその要因を絞り込むことができる。これにより、人による管理では気付かないムダな熱消費を抑制できる。また、データ活用による省エネ設備導入により大幅なCO2 排出量削減につながる。

オペレーション業務の効率化に貢献するIoT・AI を活用した自動販売機運用サービス
本文:PDF  
513KB  
片山 修吾 ・ 後閑  武 ・ 起  賢一

自動販売機(自販機)を運営している自販機オペレーターの業界は、人手不足や自販機の設置場所の飽和により、オペレーション業務の効率化および1 台当たりの売上げ(パーマシン)向上が求められている。今回、オペレーション業務の効率化を実現するためにデータ収集機能、データ閲覧機能、作業支援機能およびデータ配信機能を備えた自販機運用サービスを開発した。これにより、自販機オペレーターへの見える化、分析・効率化、最適化の3 サービスを提供し、オペレーション業務の効率化、パーマシン向上、設備コスト低減に貢献する。実証実験によりオペレーション業務の効率化を検証できた。

制御システムのライフサイクルフルサポートに貢献するIoT を活用した遠隔監視診断システム
  
本文:PDF
607KB  
原口  隆

近年は、現場の熟練運転員・保守員の高齢化や要員確保の問題などから、生産設備の安定稼働や保全業務の負荷低減がより大きな課題となりつつある。富士電機は顧客の設備のライフサイクル全体の最適化に貢献すべく、IoT やAI などを適用したデータ活用に基づく、操業支援ソリューションの開発・展開を推進している。このたび、DX 推進の一環として遠隔監視診断システムを開発した。従来のRAS 収集・解析機能を高度化し、O&M プラットフォームと連携したシステムである。これにより、設備稼働率の向上や保守コストの低減を図ることができる。

IoT を活用した現場業務の全体最適を支援するO&M ソリューション
本文:PDF  
686KB  
喜多村 卓 ・ 山田 隆雄

近年、現場のさまざまなシステムの中に埋もれたデータを、IoT 技術やAI 技術を導入していかに有効活用し、業務改善を進めていくかが求められている。富士電機は、運転管理や保全管理で蓄積されたデータを統合・連携することでデータの効果的な活用を目的としたO&M プラットフォームと、それを活用するO&M ソリューションを開発した。O&M プラットフォームは、ISO 18435 に基づいた運転と保全情報の相互利用モデルを適用している。O&M ソリューションにより、設備保全の最適化や障害復旧時間の短縮などが可能である。

富士電機のアナリティクス・AI
本文:PDF   
561KB  
浅野 貴正 ・ 渡辺 拓也 ・ 白木 崇志

近年、企業のDX への取組みが加速している。DX 推進に必要なデジタル技術の中で、AI はその中核を担う技術である。富士電機のアナリティクス・AI は、認識・診断・予測・最適化を行う統計解析・機械学習技術の総称であり、富士電機はその要素技術開発に取り組んでいる。認識技術としてはディープラーニング技術を用いた画像認識AI を適用し、診断技術としては教師なし学習の代表的な5 種類のアルゴリズムを評価し、予測技術としてはフィルタ法やラッパー法に着目した。最適化技術としては、複数設備の状態を同時にチェックするデータ不整合検出技術を開発した。

設備保全の技術伝承・情報共有を推進するためのテキスト認識技術
本文:PDF  
403KB  
真鍋  章 ・ 谷本 恒野 ・ 浅野 貴正

近年、産業分野においても高齢化が進み、熟練作業者のノウハウの技術伝承・情報共有が課題となっている。富士電機では、課題解決に寄与する技術の一つであるテキスト認識技術において、主に文書分類、文書要約、文書集約の各種応用技術の研究・開発に取り組んでいる。汎用的な大量データで事前学習されたBERT モデルを用いることで、適用したい分野のデータが少量しかない場合でも、従来技術に比べて大幅な認識精度向上を実現した。特に、文書分類ではデータ拡張技術の適用評価も行い、さらなる認識精度向上の効果も確認している。

富士電機のサイバーセキュリティの取組み
本文:PDF  
370KB  
梅ア 一也 ・ 吉田  聡

富士電機は、IoT やデジタル技術を活用した製品・サービスの提供を通じて顧客のDX 推進に資することを目指しているが、そのためには製品・サービスがセキュアであることが前提条件として重要である。そこで、ベンダとしてのセキュリティ強化のために、セキュリティポリシーの見直し、体制整備による新たな攻撃への防御および検知対応能力の向上、ならびに開発プロセスや工場の製造環境のセキュリティ対策を行っている。さらに、製品・サービス自体のセキュリティを強化するための技術開発を進めている。

拡張現実を用いた保守支援技術
本文:PDF  
622KB  
城戸 武志 ・ 大秋 大輔

近年、アフターサービスの分野では、保守・メンテナンス業務の効率化と技能伝承が重要課題となっている。富士電機では、この課題を解決するために、拡張現実(AR)を用いた保守支援技術を開発した。本技術は、作業内容を簡潔明瞭にするために、現場で蓄積したノウハウを形式知化し、作業内容を表すCG を設備に重ねて表示する重畳伝達機能を持つ。また、複数の人が作業状態を共有する空間共有機能、遠隔地から現場に対してリモートで作業を支援する機能などを持つ。保守支援技術を適用することで、顧客の業務を効率化し、製品を安心して使用できるサービスを提供する。

パワーエレクトロニクス機器のモデルベースシステムズエンジニアリング
本文:PDF  
364KB  
吉田 收志

近年のデジタル化の進展は目覚ましく、工場のスマート化が進展する中で、製品のタイムリーな市場投入には開発期間の短縮が求められる。富士電機では、DX への取組みの一つとしてデジタル化と開発プロセスの革新に取り組んでいる。パワーエレクトロニクス機器の開発プロセスに、モデルベースシステムズエンジニアリングを導入し、機構、電気回路、制御ソフトウェアを含む鉄道車両用ドアシステムを例にシステムシミュレーション環境を構築し、開発の早期におけるシステムの妥当性検証に活用できることを確認した。手戻り防止、開発期間短縮、信頼性向上が期待できる。

デジタルツールの活用による生産ライン構築プロセスの変革
本文:PDF  
554KB  
澁田  学

現在、社会環境の変化により顧客ニーズに細やかに対応できるものつくりの実現が求められている。富士電機はニーズの多様性やグローバル化の進展に対応するため、JIT(Just-In-Time)の思想に基づき自律したものつくりを行う“自律同期化生産”の実現を目指している。デジタルデータの活用による生産ライン構築プロセスの変革や、自働化設備のデジタル検証によりライン構築の生産準備期間の短縮を実現することで、顧客の要望に応える富士電機のものつくりに貢献している。

シミュレーションによる騒音推定技術
本文:PDF  
568KB  
金子 公寿 ・ 大野 和彦 ・ 山本  勉

製品開発では、設計の初期段階でシミュレーションを活用して十分な検討を行うフロントローディングが有効であるが、低騒音化が求められる製品では、膨大な計算が必要なため十分には行われてこなかった。一方、近年では並列計算が可能な計算機や、ソフトウェアを使ったハイパフォーマンスコンピューティングにより、計算時間が短縮され、製品の開発設計プロセスに変革をもたらしている。今回、騒音推定におけるフロントローディングを行う上で必要なシミュレーション技術を開発し、構造の最適化によりトレードオフ関係にある流体騒音と温度上昇の低減効果が得られることを確認した。

分子レベル計算を活用したSiC-MOSFETの界面解析シミュレーション
本文:PDF  
626KB  
広瀬 隆之

分子レベル計算(分子シミュレーション)技術を活用し、パワー半導体分野や、地熱発電プラントなどの発電分野、ならびにガス絶縁開閉装置などのパワーエレクトロニクス機器の信頼性向上を目指した研究開発を行っている。SiC パワー半導体デバイスを題材とした分子レベル計算では、SiC/SiO2 界面の分析構造解析や、特性改善要因となるSi3N 構造生成メカニズムを明らかにした。このようなデジタル技術を活用したDX により、性能向上のメカニズム解析や製造プロセス条件の事前探索を行い、製品開発のスピードアップと製品の性能向上や信頼性向上に貢献する。

ウイルス不活化技術のためのUV 空間照射光量と気流の連成解析
―シミュレーションを活用した開発プロセスの変革―
本文:PDF  
545KB  
松本  伸 ・ 浅田  規 ・ 大栗 延章

近年、感染症対策のため、換気の重要性が再認識されているが、換気量の増加により、夏季や冬季における空調機器の消費エネルギーが増大する問題が生じている。そこで最近では紫外線が新たなウイルスの不活化手法として注目されている。紫外線を用いた微細なウイルスの不活化効果の検証は時間を要するだけでなく、安全性への配慮も必要である。今回、迅速かつ安全に、ウイルス不活化の性能評価のためのUV 空間照射光量と気流の連成解析技術をDX の取組みの一つとして構築した。

解説
本文:PDF  
127KB  
BERT

BERT とは、事前学習モデルである。図1 に示すように、汎用的な大量データで事前学習したBERT モデルをファインチューニングすることで、少量データでもモデル利用が可能になり、認識精度が大幅に向上した。


半教師あり学習

“半教師あり学習”は、学習に教師データ(ラベル)を与えた状態で学習させる“教師あり学習”と、教師データ(ラベル)を与えない“教師なし学習”を組み合わせて学習する手法のことである。一般的に半教師あり学習は、少量の教師データしかなくても、通常の教師あり学習よりも精度を高められることが知られている。


新製品紹介

「MONITOUCH X1 シリーズ」
本文:PDF  
479KB  
松本 充弘 ・ 佐藤 好邦

富士電機のHMI(Human Machine Interface)製品である「MONITOUCH V9 シリーズ」(V9 シリーズ)は、多くのお客さまに導入していただいており、主にFA システムの現場で、PLC(Programmable Logic Controller)やセンサなどのさまざまなデバイスと接続して使われてきた。HMI 市場は成熟期に入り、製品のコモディティ化が進んでいる。このような中、富士電機は付加価値が高いHMI をお客さまに届けるため、V9 シリーズが担ってきた生産現場のHMI としての利用はもちろんのこと、現場のデータを可視化し、さらにMES(Manufacturing ExecutionSystem) やERP(Enterprise Resources Planning)、オフィスなどのIT システムと連携するハブとなる装置である、Windows 10 IoT Enterprise〈注1〉を搭載した「MONUTOUCH X1 シリーズ」を開発した。

略語・商標
  
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*本誌に記載されている会社名および製品名は、それぞれの会社が所有する商標または登録商標である場合があります。著者に社外の人が含まれる場合、Web掲載の許諾がとれたもののみ掲載しています。