
ダイバーシティの推進
ダイバーシティ推進の考え方
経営戦略としてのダイバーシティ
富士電機は、経営方針に「多様な人材の意欲を尊重し、チームで総合力を発揮します」と掲げている通り、トップのコミットメントのもと、グローバルで事業を拡大していくために、国籍・性別のみならず、異なる信条や考え方など、チームに多様な価値観を取り込んで競争力強化につなげることを目指し、ダイバーシティ(多様な人材の活躍)を人材戦略の重点課題としています。
性別や国籍などにとらわれない採用を行うとともに、キャリアを重視した即戦力人材の採用、また、女性や、海外で採用した従業員の積極的な登用も進めています。
ダイバーシティ推進体制
富士電機は、2006年より「一人ひとりの多様性を受け入れ、社員の力を最大限発揮できるしくみや、風土・環境づくり」に積極的に取り組んでいます。
現在は、取り組み強化を目的に、
・ダイバーシティ推進の専任組織(ダイバーシティ推進課)を設置
・全社横断的なダイバーシティ推進体制の構築(各本部、各事業所の巻き込み)により、相互に連携しながら取り組みを水平実行する体制を整え、活動の一層の加速化を図っています。
ダイバーシティ推進体制

従業員数の推移
地域別正規従業員数の推移(連結)

男女別正規従業員数の推移(連結)

女性国内正規従業員数
(人)2013年度末 | 2014年度末 | 2015年度末 | 2016年度末 | |
---|---|---|---|---|
女性社員数 | 1,107 (10.1%) |
1,139 (10.4%) |
1,113 (10.3%) |
1,187 (10.97%) |
対象範囲:
富士電機(株)
国内正規従業員定期採用実績
(人)2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | |
---|---|---|---|---|
大卒 | 101 (女性29) |
123 (女性30) |
152 (女性26) |
187 (女性30) |
高専・高卒 | 81 (女性11) |
100 (女性13) |
93 (女性6) |
92 (女性3) |
合計 | 182 (女性40) |
223 (女性43) |
245 (女性32) |
279 (女性33) |
対象範囲:
富士電機(株)
従業員の平均年齢および平均勤続年数
2013年度末 | 2014年度末 | 2015年度末 | 2016年度末 | ||
---|---|---|---|---|---|
平均年齢(歳) | 男性 | 43.6 | 44.0 | 44.2 | 44.4 |
女性 | 40.4 | 40.9 | 41.1 | 41.7 | |
平均勤続年数(年) | 男性 | 19.7 | 20.0 | 20.2 | 20.4 |
女性 | 17.0 | 17.6 | 18.0 | 18.5 |
対象範囲:
富士電機(株)
女性の活躍支援
富士電機は、「女性活躍の推進」に注力し、中期経営計画の人事戦略の一つに掲げ、理工系女子の積極採用、キャリア形成支援や、育児休職からの復職者支援などを継続的に実施しています。また、職場風土の改革に向けて、階層別研修における啓発活動にも取り組んでいます。
女性の積極的な採用
■理工系女子採用プロジェクト
理工系出身の女性社員によるプロジェクトを編成。現場で活躍する女性社員の生の声を伝えるセミナーや、当社で働く女性のキャリア形成の具体的なイメージを持ってもらうことを狙いとしたキャリアデザインフォーラムなどを実施し、理工系女子の採用につなげました。
キャリア形成支援
■シスター制度の運営
女性の相談相手が身近にいないという課題を解決するため、女性先輩社員に相談できる「シスター制度」を導入しています。
2016年度は、33組・66名が参加して、女性社員のキャリア形成や両立に向けた取り組みを行い、女性社員の成長を支援しました。
本制度をより生かすため、円滑なコミュニケーションの取り方や、相談内容の共有や解決法の討議などを行う集合研修を3回実施しました。この集合研修は、参加者同士の地区・職場・職種を越えたネットワーク形成の一助にもなっています。
■異業種合同女性管理職研修
異業種による女性管理職研修に新任の女性管理職を派遣しています。この研修は、他社の女性管理職層との交流を通じ、多様な考え方・価値観に触れ、さまざまな気づきを得るとともに、視野を広げることを目的としています。
仕事と仕事以外の生活の両立支援
女性新卒(大学・高専卒)採用比率・女性管理職比率の実績
(人)2014年度 | 2015年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2020年度 目標 |
||
---|---|---|---|---|---|---|
女性採用数 (大卒・高専卒) |
42 (28%) |
40 (22%) |
31 (17%) |
31 (14%) |
20% |
|
技術系 | 25 (21%) |
24 (20%) |
21 (13%) |
18 (10%) |
− | |
営業・スタッフ系 | 17 (54%) |
16 (51%) |
10 (40%) |
13 (37%) |
− | |
女性管理職数※ (女性管理職比率) |
42 (1.6%) |
46 (1.7%) |
48 (1.9%) |
48 (1.9%) |
3.0% |
|
技術系 | 9 (0.8%) |
9 (0.8%) |
9 (0.8%) |
9 (0.8%) |
− | |
営業・スタッフ系 | 33 (2.3%) |
37 (2.6%) |
39 (2.7%) |
39 (2.5%) |
− | |
女性企画職T級※ (女性企画職T級比率) |
109 (2.8%) |
126 (3.1%) |
144 (3.6%) |
167 (4.1%) |
5.5% |
|
女性役職者層※ | 151 | 172 | 192 | 215 | 300 |
※管理職 : 課長職層以上、企画職T級 : 係長クラス
女性管理職数は4月時点、企画職T級は6月時点
役職者 : 係長クラス以上
対象範囲:
富士電機(株)、富士電機機器制御(株)、富士電機フィアス(株)、富士オフィス&ライフサービス(株)、富士電機ITセンター(株)、(株)富士一級建築士事務所、(株)富士電機フロンティア
障がい者の活躍支援
「一人でも多くの障がい者を雇用して、定年まで就業を継続する」という考えのもと、障がい者雇用促進に取り組み、2017年6月現在の障がい者雇用率※は2.51%と法定雇用率2.0%を上回っています。
※対象範囲:
富士電機(株)、富士電機機器制御(株)、富士電機フィアス(株)、富士オフィス&ライフサービス(株)、富士電機ITセンター(株)、(株)富士電機フロンティア
障がい者雇用数・雇用率

特例子会社の取り組み
1994年に特例子会社(株)富士電機フロンティアを設立し、「一人でも多くの障がい者を雇用して、定年まで就業を継続する」という考えのもとに、知的障がい者を中心とした障がい者の雇用促進や、職域拡大を推進しています。
2016年度は11名の障がい者を採用し、障がい者雇用数は135名となりました。
職域拡大においては、従来から行っている清掃や社内メール便配送などの受託業務に加え、積極的に各人の能力開発に注力し、製造現場などへの職域拡大に取り組んでいます。川崎事業所では、指導員の力を借りず、社員3名だけで部品検収センターの業務すべてを担う取り組みを進めています。
また、就業継続の取り組みとしては、基礎学習能力の維持・向上、体力強化を含めた健康管理、宿泊研修などを活用した生活管理を通じて、社会人としての自立を支援することも重点的に取り組んでいます。
同社では、障がい者の保護者や関係団体を対象とした施設見学会や養護学校生のインターン受け入れなどを行い、一人でも多くの方が社会参加できるような取り組みも実施しています。


高齢者雇用の推進
富士電機は、「選択制定年延長制度」を導入しています。
55歳到達年度の制度説明からはじめ、57歳到達年度に個別面談による最終決定を行い、60〜65歳の各年齢のいずれか(6通りの選択肢)の定年年齢を決定します。
なお、2017年3月31日現在、60歳以上の従業員数は830名となっています。
今後は、対象者との面談などを通じて意見を収集し、柔軟な勤務形態の導入や高齢者の職域拡大など、さらなる制度の充実を検討していきます。
選択制定年延長制度
定年年齢 | 60〜65歳の各年齢のいずれか(6通りの選択肢) |
---|---|
選択時期 | 55歳到達年度:制度説明 57歳到達年度:個別面談による最終決定 59歳到達年度:決定内容の確認 |
給与・処遇 | 60歳以降はそれまでの処遇の60%レベルの処遇で給与・賞与を支給 |
選択定年制度の利用者数の推移

対象範囲:
富士電機(株)、富士電機機器制御(株)、富士電機フィアス(株)、富士オフィス&ライフサービス(株)、富士電機ITセンター(株)、(株)富士電機フロンティア
60歳以上の従業員数の推移

対象範囲:
富士電機(株)、富士電機機器制御(株)、富士電機フィアス(株)、富士オフィス&ライフサービス(株)、富士電機ITセンター(株)、(株)富士電機フロンティア
海外拠点の現地人材の登用
富士電機の成長、事業拡大に向けグローバル化に取り組む中、海外拠点のビジネスを担う現地人材の育成、幹部への登用を進めています。富士電機アメリカ社、富士電機インド社には現地の人材をトップに登用し、また、アジア、中国も管理職に現地社員を増やすなど、国、地域に密着したビジネスを展開しています。
今後も現地市場に適応した戦略的な人材採用、配置と、現地採用者のモチベーション向上を図りながら、海外拠点の現地採用人材の育成を積極的に推進していきます。
ダイバーシティの風土醸成
ダイバーシティに関する全従業員の意識改革を推進するために、さまざまな施策を実施しています。
研修教育による啓発
■階層別ダイバーシティ研修の実施上位職への昇格者を対象に、ダイバーシティの重要性と会社の取り組み内容の理解、各職位で果たすべき役割の理解などをねらいに、研修を実施しました。
対象者 | 部長職 | 幹部職※1 | 企画職T級※2 |
---|---|---|---|
参加者数 | 合計7回、45名 | 合計7回、156名 | 合計8回、231名 |
※1 新任幹部職 : 課長層
※2 新任企画職T級 : 課長補佐、主任層
外部からの評価
■2年連続「なでしこ銘柄」に選定
経済産業省と東京証券取引所は共同で、女性活躍推進に優れた上場企業を「なでしこ銘柄」に認定しており、当社は上場企業約3,500社の中から2年連続で選ばれました。「なでしこ銘柄」は中長期の企業価値向上を重視する投資家にとって魅力ある銘柄として、@女性のキャリア支援、A仕事と家庭の両立支援の二つの側面でスコアリングするとともに、ROE(自己資本利益率)など財務面でのパフォーマンスを加味して業種毎に銘柄選定されます。

■「プラチナくるみん」マークを取得
富士電機は、厚生労働省より、「プラチナくるみん」認定を受けています。
「プラチナくるみん」は、「子育てサポート企業」として認定を受けた企業(くるみん認定企業)のうち、より高い水準の取り組みを行った企業が認定を受けるものです。
当社は、2013年より、2期連続で「くるみん」認定を受けており、仕事と子育ての両立に関する行動計画とその実績が評価され「プラチナくるみん」認定を取得することができました。

■「ダイバーシティ経営企業100選」に選定
経済産業省は、2012年度より、多様な人材を活用して、イノベーションの創出、生産性向上などの成果を上げている企業を「ダイバーシティ経営企業100選」として選定しており、初年度における選定企業の1社として選定されました。
富士電機は、女性活躍推進の取り組みのほか、高年齢者雇用においては、2000年度より定年延長制度を導入しており、現在ではその多くの社員が技術技能伝承の中核を担っています。また、障がい者雇用では、特例子会社の拠点を充実させるなど、雇用の促進と職域拡大などにも取り組んでいます。
