「ソフトセンサ設計ツール」が24年度化学工学会賞『技術賞』を受賞
2025年3月21日
富士電機株式会社
「包括的な機能を有するソフトセンサ設計ツールの開発」が2024年度化学工学会賞『技術賞』を受賞
このたび富士電機株式会社は、「包括的な機能を有するソフトセンサ設計ツールの開発」により化学工学会の2024年度化学工学会賞『技術賞』を受賞しましたことをお知らせいたします。


仮想計測技術の市場規模は約2,000億円(2026年)と見込まれており、今後の成長が期待されている分野です。
従来は、設計工数の多さがネックとなり活用が進んでいなかったソフトセンサの普及ツールとして、デジタルトランスフォーメーション(DX)の加速に貢献します。
ソフトセンサの短期設計・適用により経済的効果を実現した事例も得られています。
受賞対象である本ソフトセンサ設計ツールは、日本学術振興会プロセスシステム工学第143委員会ワークショップNo.32において、船津公人教授(奈良先端科学技術大)、金尚弘准教授(東京農工大)、三井化学(株)、宇部興産(株)(現・UBE(株))、他の各参加企業とともに共同開発したものです。
今回の受賞は、船津教授・金准教授・UBEエラストマー(株)・UBE(株)の各メンバーとの共同受賞で、大学側の最新の学術的技術・知識と、企業側の現場の知見・ノウハウの有機的な相互連携と、製品化により実現した成果としてプロセス産業のDXの加速に貢献できるツールである点が、高く評価され、今回の受賞に至りました。
本ツールは、従来、設計・実装において多くの試行錯誤が必要であった「ソフトセンサ設計」(注1)に対し、産業分野でのプラントオペレーション・最新の機械学習の知見によるソフトセンサ設計プロセスの標準化、最新デジタル技術のフル活用により、作業効率化・自動化を可能とするものです。
注1:「ソフトセンサ」とその効果
ソフトサンサとは、化学分野における製品品質等、重要でありながら常時・リアルタイム計測が難しい量を、それと相関のある温度・圧力等のリアルタイム計測が容易なデータに基づき統計・機械学習的な推定式(モデル)を作成することにより品質の常時・リアルタイム推定を可能とするもので、ソフトウェアとして構成されます。
これにより、従来難しかった品質のリアルタイム把握とそれによる適切なプラント介入のための意思決定が可能となり、プラント運転の安定化とそれに伴う省エネ・生産性向上によるコスト削減・損益改善が期待されます。このようにソフトセンサはデータ・デジタル技術の活用によりプラントオペレーションの革新をもたらすDXの重要な要素と位置付けられます。
化学工学会賞『技術賞』について
化学工学会は、化学工学を通じてより良い社会を築いていくため、化学工学に携わる研究者・技術者を支援し、将来活躍する人材を育成し、学術機関と企業、政府・自治体との相互連携を取り持つ中心的学会として活動しています。
化学工学会賞『技術賞』は、化学工学に関する技術または化学関連産業の技術またはシステム開発に関して特に顕著な功績のあった個人もしくは共同研究・開発者に対して贈呈されるものです。
【お問い合わせ先】
富士電機株式会社 インダストリー事業本部 プロセスオートメーション事業部 技術第二部
TEL:042-585-6080
【関連情報】
業界初、モデル生成に自動機械学習を適用 ソフトセンサ向け「推算用モデル式構築/演算ツール」の発売について(2023年5月24日発表)
https://www.fujielectric.co.jp/about/news/detail/20230524100007957.html