富士電機が貢献する環境・社会課題
再エネの普及に貢献する富士電機の水力発電システム

水力発電システム

水力発電システムの設計からアフターサービスまで幅広く展開

現在、脱炭素社会の実現に向けて、再生可能エネルギーの導入が拡大しています。水力発電は、天候に左右される太陽光・風力とは異なる、安定供給性に優れた再生可能エネルギーです。日本国内には、およそ2,000もの水力発電所が存在していますが、その半数以上は運転開始から60年以上が経過。老朽化した水力発電設備のリプレースが活況を迎えています。
富士電機は、1930年代から水力発電システムの事業を始めました。その後、水車製造技術に強みを持つドイツVoith社との技術提携を経て、水車、発電機、制御装置などを組み合わせた水力発電システムの設計から制作、工事施工・試験、アフターサービスまで幅広く展開し、お客様の課題解決に取り組んできました。これまでに国内400ヵ所以上の水力発電所にシステムを納入し、国内シェアは約3割を占めています。

最適な設計で、発電効率を最大化

北海道・夕張市の北海道企業局様 清水沢発電所もそのうちのひとつ。水力発電設備の製作・納入を通じて、再生可能エネルギーの普及拡大に貢献した富士電機の取り組みを紹介します。

北海道夕張市は、かつて「炭都」と呼ばれた石炭産業で栄えた街です。清水沢ダム、清水沢発電所は、炭鉱会社の自家発電用に造られ、閉山後は北海道企業局様に譲渡され運転を続けてきました。経年により、設備の老朽化が進んでいたため、北海道企業局様において、水車や発電機など設備一式の大規模な改修工事が計画され、2018年4月に富士電機が受注。2021年4月に運転を再開しました。

今回の改修工事では、義務放流(注1)に対応可能な小型水車を新たに追加し、大小二基の水車を設置しました。また、清水沢ダムは貯水容量がない流れ込み式のダムであるため、上流のダムなどから流れてきた水量に合わせて水車を稼働させる「応水制御」を採用。これらにより無効放流(注2)の減少に努め、発電効率の向上を実現しています。

(注1)

ダムは一定の水を流し続ける決まりがあり、その放流のこと。

(注2)

河川の水を発電など有効に使わずに流すこと。

発電機(1号機)
発電機(1号機)
発電機(2号機)
発電機(2号機)

最新の技術で、環境リスクを低減する

設備の刷新にあたって、環境へのリスクを低減するため水車の制御機構に「ハイブリッドサーボシステム」を適用しました。
この技術は、制御機構を電気式と油圧式のハイブリッドで動かすもので、油圧式に比べ油量を削減でき、河川への漏油リスク低減に貢献しています。こうした技術の数々は、長年にわたって水力発電に携わってきた富士電機ならではのものであり、お客さまの要望をしっかりとかたちしています。

原子力発電所が稼働を停止し、火力発電の燃料が高騰を続ける今、電力の安定供給と経済性の確保は、社会が抱える大きな課題となっています。清水沢発電所の年間発電電力量は 1,523万kWh(2021年度実績)で、約 5,500世帯分に相当するものです。「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」。富士電機の取り組みは、そんな「あたりまえ」を支える重要な意味を持っているのです。

水力発電には、さまざまな『最適解』が存在し、地形や自然条件、水量などによって、それぞれの工夫が必要です。ひとつとして同じものがないからこそ、多様な製品ラインナップと柔軟な技術を持っている富士電機の価値が活かされます。
これからも富士電機は、お客さまに合わせた最適な設計を提案し、最高の効率を実現することで、脱炭素化に貢献していきます。

貢献するSDGs目標

産業と技術革新の基盤をつくろう

設置場所や出力などお客様の要望に柔軟に対応できる当社の水力発電システムは、当社のSDGs重点目標「7.エネルギーをみんなに そしてクリーンに」に貢献します。