研究開発
知的財産・国際標準化

 知的財産を重要な経営資源と位置付け、次に示す知的財産方針の下、知的財産権の戦略的な獲得と活用を通じて当社製品の競争優位性を確保するとともに、グローバル市場において遵守が要求される国際標準への取り組みを行っています。

知的財産方針

  1. 1.

    知的財産の分析による知財戦略の立案と実行

  2. 2.

    事業毎の知的財産ポートフォリオの強化とリスクの低減

  3. 3.

    戦略的国際標準化活動の強化

知的財産活動の取り組み

知的財産ポートフォリオ強化による事業支援

 当社が保有する知的財産権は、事業毎の知的財産ポートフォリオ(主要な技術毎に整理した保有知的財産)として管理しており、事業状況の変化を勘案した維持/放棄などのメンテナンスを継続的に行っています。

 この知的財産ポートフォリオを、当社のさらなる成長のために強化しています。具体的には、競合他社との知財比較分析から強み弱みを明らかにして、権利範囲の強化、出願数の増強、事業上有効な出願国の選定を推進しています。近年の強化活動結果として、当社の主力事業の一つであるパワー半導体分野では、図のように、国内外の競合他社に比してトップの特許ファミリー件数を保有し、事業の成長を支えています。

パワー半導体 特許ファミリー件数ランキング(Worldwide)

(注)

2024年3月時点 当社調べ

(注)

特許ファミリー:同一の特許出願に由来して権利化される特許群

知的財産分析(IPランドスケープ)の活用による新製品創出支援

 新製品を創出する活動の一環として、製品開発の源流段階(仮説立案や企画立案)におけるIPランドスケープの活用を進めています。具体的には、従来から行っている顧客ニーズ調査や市場動向予測などの分析に加え、新たに「技術」を軸とした市場分析にIPランドスケープを活用しています。主に公開特許や論文を情報源とした市場プレイヤー分析から顧客・競合・協業先を把握し、技術トレンド分析と併せて自社の強みを見出します。今後、より多くの新製品創出に対してIPランドスケープの活用を広めつつ、AIによる分析の高度化などにも取り組んでいく予定です。

新製品創出のステップ

国際標準化活動の強化

 当社では、海外事業展開に必要な国際規格準拠や認証取得を計画的に進めています。各本部長が委員となる国際標準化委員会で方針や戦略を決め、これに基づいて事業分野ごとに形成されたワーキンググループにて国際標準化活動を行っており、継続的に強化していきます。中長期的には、新しい市場においても当社の先行参入や強み発揮、市場自体の拡大への貢献などを狙い、ルールメイキング活動に注力していきます。




知的財産部門の業務紹介

権利化

R&Dで生み出される技術について特許を取得すること、すなわち知的財産の権利化です。技術を特許にするプロセスにおける様々な工夫により、権利範囲が広い、強い特許を取得することができます。そのためには、技術と法律・制度の両方に精通することが必要で、知的財産部門ではこれを組織的に強化しています。

戦略立案

事業部門や開発部門と連携した知的財産ポートフォリオの強化や、IPランドスケープの活用による新製品創出の支援にも力を入れています。さらに近年では、国際標準と知財権を連携させて自社のビジネスの優位性を高める取り組みも行っています。