富士時報
第70巻第3号(1997年3月)
社会システム特集
伊藤 滋
関口 一夫
都市を中心としたコミュニティ、すなわち都市社会を支える社会システムインフラストラクチャを「社会システムの6分野」としてとらえるとともに、各分野での動向や考え方を紹介する。また、これらの6分野を支えるものとして富士電機が提供できる技術コンセプトを提示する。
長原 洋二,高田 正実,柄沢 隆
公的施設の管理・運営を統合的に支援するシステムとして「SOINS」を開発した。SOINSは、施設の各種付帯設備の監視制御を行う設備管理系システムと、その上位にあって施設にかかわる人を支援し、情報サービスを提供する施設情報系システムに大別される。本稿では、SOINSのシステムコンセプトと設備管理系システムおよび施設情報系システムの技術的特徴と機能について紹介する。
白井 英登,木崎日出雄,永井 慎吾
公共施設の管理における情報化推進のなかで、従来のシステムにおいて重視されていた信頼性に加えて、柔軟性、経済性、操作性、保守性などの要素が強く要求されてきている。これらの要素を実現すべく今回開発したSOINS-100について、国立環境研究所および川崎市中央卸売市場北部市場への二つの納入事例をもとに紹介する。
松本 祥一,久保田 勉,花岡 憲一
廃棄物を取り巻く環境は大きく変化し、廃棄物を資源として活用することや環境への負担を極力少なくすることが求められる。本稿では廃棄物処理の現状と課題、それに対する富士電機(株)および富士電機テクノエンジニアリング(株)の取組みについて、焼却設備、灰溶融設備、最終処分場の浸出水処理設備を中心に説明する。
松本 祥一,圓子 雄,原田 満雄
ごみ資源化を目標に、1991年にリサイクル法が制定され、さらに1996年には容器包装廃棄物リサイクル法が制定された。これら行政側の対応と社会のニーズ、各種技術の開発とが相まってごみの資源化が現実のものとなってきた。本稿では一例として、富士電機テクノエンジニアリング(株)が建設中の福生市の資源化設備および富士電機(株)の容器回収処理システムについて述べる。
山口 誠,日下 豊,梅津 純一
環境への配慮、エネルギーの有効利用・安定供給などを考慮した新しい電源システムとして、燃料電池に蓄電池などを組み合わせた直流配電システムと、幾つかの太陽光発電システムを紹介する。
大阪ガス(株)の未来型実験住宅「NEXT21」は、直流出力の燃料電池に太陽電池と蓄電池を組み合わせて、高効率・高信頼性の電源システムを構成した。また、燃料電池とともに実用化直前といわれている太陽光発電システムとして、神奈川県総合防災センター、横浜検疫所などを紹介する。
安本 浩二,三橋 正徳
最近の港湾は、船舶の大形化や増大するコンテナ貨物への対応のため、大規模化、自動化、高信頼性が要求されている。これらのコンテナターミナルの安定的連続運転を確保するために、安定した電力を供給することと、効率の良い監視制御を行うことが重要である。
本稿では、近代的コンテナターミナルの電気設備の概要および名古屋港西5区コンテナターミナルに納入した大容量の電圧変動補償装置について紹介する。
安本 浩二,三橋 正徳,水野 豊
地下空間を利用した地下鉄駐車場や共同溝は、都市の発展に欠くことのできない重要な設備となっている。こうした状況のなか富士電機では、地下空間を利用した設備に取り組んでいる。
本稿では、車両ナンバーを自動的に読み取るナンバー認識装置を導入した精算システム、車両在否感知器を利用した換気制御システムや集中管理システムなどの地下駐車場の最新技術を紹介する。また、幕張A地区住宅地区共同溝付帯設備に適用されているシステムについても紹介する。
保坂 重仁,加藤 誠之,大澤 悟
人々の文化活動への参加の一助となる市民ホールや劇場・ホールは、近年、社会の一システムとして定着している。そこに使用される舞台機構の運転制御は、手動操作の時代を終え、コンピュータ制御を導入したハイテク時代を迎えた。富士電機は、舞台機構メーカーの老舗(しにせ)である森平舞台機構(株)との連携により、舞台機構の統合電気システムを数多く納入してきた。本稿では、富士市芸術文化ホール(オーバードホール)に納入したシステムを中心に、最新の舞台機構制御システムを紹介する。
青木 幸男,山田 健二,志賀 洋之
高速道路には安全かつ円滑な交通を確保するための各種施設が設置されている。富士電機は、各機器へ適切な電源を供給するための電源関連設備、広域化された道路施設の集中監視を行と遠方監視制御設備、トンネル内の見通しを確保するためのトンネル換気設備および道路周囲環境などの物理量を監視するためのセンサを提供するなど道路分野に貢献している。本稿ではこれらの機器について述べる。
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注
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